なんで信長はお城を建てたの?―「お城」のはじまりを探す旅 (13歳からの考古学)
- 新泉社 (2022年5月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787721242
作品紹介・あらすじ
部活に入るでもなく、なんとなく中学生活を送る中学1年生のホタカ。お父さんに勧められて、夏休みに一人でお城を巡る小旅行をし始めます。初めは気乗りがしなかったお城巡りも、お城に詳しい“先達”に案内されるうちに、自分なりの楽しみ方を持ち始めるホタカ。そして安土城の発掘体験を経て、どんどんお城の沼にハマっていきます。お城の魅力にハマる大人たちに出会うたび、ホタカのお城を見る目が変わっていきますが、お城について知れば知るほど、なんで織田信長は安土城を建てたのかという疑問が湧いてきました。近世城郭のはじまりと言われる安土城、世界遺産の姫路城、謎がいっぱいの甲賀の小城……など、「お城」のはじまりを探しにホタカと一緒に旅に出かけましょう。
感想・レビュー・書評
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『感想』
〇子ども目線で話が進められていくが、中身は薄いわけではない。初めて知ることもあった。
〇ここにあるような説明が現地の看板にでもあるといいのだが。あるけど自分が認識できていなかっただけかもしれないが。
〇本でありながら、現地にいるかのような感覚を味わうことができた。
『フレーズ』
・石の積み方自体にもいろいろあるねん。横方向に素直に積んでいくのは「布積み」と呼ばれ、同じような大きさの石材を積んでいくことになる。一方で、大小さまざまな石材を積んで横方向の石材が乱れているのを「乱積み」というんやけど、これはジグソーパズルのようで難しい方法らしい。(p.44)
・弓を引く時には左手に弓を持ち、右手で矢をつがえる。左向きの半身で構えるので、城内から見て左側に敵を迎える方がいいんだよ。軍学ではこれを左袖という。(p.64)
・戦国時代にはそれぞれの領地の中で政治経済を完結させようとしていたので、お城に向かっていく道にメインの道を通すタテ町型と呼ばれる構造になります。一方で、世の中が安定してきて、広域の流通経済を重視するようになると、地域を結ぶ道をメインにするようなヨコ町型と呼ばれる構造になるんです。(p.272) -
小学生のころ、縄文時代のことを勉強したときは、登呂遺跡に連れて行ってもらい、中学生になって、古墳って何?と思って仁徳天皇陵へ行って、小山のように見えただけで、なんだか腑に落ちなくて…でも、現地に行けたことに満足してました。
今、武将やお城に特化したテレビ番組が増えているのは、それぞれの分野で色々な角度から研究、探究している人たちが今わかっていることなどを基に紹介されていることも多いですが、まだまだなぞに包まれていることも多いからこそ、さまざまな推測、仮説を立てながら意見を交わせていることも興味をそそる理由なんだろうな、ということが、とてもよくわかる本でした。
主人公ホタカ君が物おじせず、自ら行動しているからこそ、というところもありますが、少し上の年代からちょっと刺激をうけたり、ずっと研究を続けてきた人たちのお話を聞く機会に恵まれることもとても大切だな、と言う気付き。
大人読者の私でも、普段からちょっと詳しい人に話を聞いたり、へぇ、ほぉに出会えると楽しいものなので、そんなことを若い世代にも伝えたいのかな?伝わると良いな、と思います。
お城がなぜ建てられたのか、というところから、今、何故復元したり、復行させたりしているのか、というところまで触れているので、ふむふむ、なるほど、と思って本を閉じました。
#ブックサンタ -
「部活に入るでもなく、なんとなく中学生活を送る中学1年生のホタカ。お父さんに勧められて、夏休みに一人でお城を巡る小旅行をし始める。初めは気乗りがしなかったお城巡りも、お城に詳しい“先達”に案内されるうちに、自分なりの楽しみ方を持ち始めるホタカ。そして安土城の発掘体験を経て、どんどんお城の沼にハマっていく。お城の魅力にハマる大人たちに出会うたび、ホタカのお城を見る目が変わっていくが、お城について知れば知るほど、なんで織田信長は安土城を建てたのかという疑問が湧いてきた。近世城郭のはじまりと言われる安土城、世界遺産の姫路城、謎がいっぱいの甲賀の小城…など、「お城」のはじまりを探しにホタカと一緒に旅に出かけよう。
目次
第1章 安土城の巻
第2章 姫路城の巻―城郭のギミックに驚く編
第3章 甲賀・上野城の巻
第4章 安土城の巻その2―発掘調査編
第5章 安土城の巻その3―お城をもっと理解する編
エピローグ―6年後」 -
大のお城好きのお父さんの影響で、息子も城の沼にはまり、お城の発掘調査体験に参加します。そこで、お城についていろいろなことを学び、最後には大学で考古学を学ぶようになる、というお話。
お城の造り方や成り立ちがわかるのとか、息子のまわりの大人との関りやお父さんとのちょっとしたもめごととかがおもしろくて、一気に読んだ。ぼくも、何か発掘体験に行ってみたい。(小5)
「この本は絶対に読まないといけない。人生損しちゃうよ」とすすめてもらいました。(小5母)