千と千尋の神話学 (新典社新書38) (新典社新書 38)

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  • 新典社
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787961389

作品紹介・あらすじ

異郷訪問説話の中でも高い人気を誇る、スタジオジブリ映画『千と千尋の神隠し』。なぜ、こんなにも魅力的でおもしろいのか。日本古代文学研究の第一人者である著者が、数ある異郷訪問型のストーリーと比較しつつ、神話学の観点から千と千尋を読みとく。トンネルの向こうの、不思議の町に仕組まれた神話の構造とは。

感想・レビュー・書評

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  • 他の神話と比較しつつ千と千尋の神隠しを分析している本。
    おきまりの神話スタイルにある程度当てはまっているのが分かり、とても興味深かった。

    ただ、「こういうお決まりの型があるから、『千と千尋〜』にその型を当てはめると、ここはこんな意味になる」というアプローチの部分は納得できなかった。
    『千と千尋〜』を普遍的な型に無理に当てはめて解釈する必要はあるのか?作品の個性をもっと尊重して、無理な解釈ではなく、作品からそのまま読み取れる解釈を進めても良いのでは、、?

    以下、「異郷訪問説話の法則」メモ:
    ① 異郷に入るときは、偶然にいく。
    ② 異郷での体験は、異常体験である。
    ③ 異郷から出るときは、自分の意志で出る。
    ④ 異郷から出た後、主人公は変化する。

  • 千と千尋の神隠しの謎について深く追求するよりかは、異郷訪問を千と千尋の神隠しを読み解く本だった。異郷訪問についてで、銀河鉄道999やオズの魔法使い、ピーターパンといった作品と照らし合わせた内容でわかりやすく面白かった。

  • 異世界訪問に関するあらゆる物語の法則を読み解く、というのが本書の趣旨。題名そのままに受け取り期待して読み始めると「ん?」となるかもしれません(^^;

  •  子供が小さかった頃、布団の中で毎晩他愛のない「お話」を作ったものだ。

     地下の別世界。
     恐竜が生き残る世界。
     猫が話せる国。
     龍に乗って飛び回る。

     たくさんの財宝や、迷路。
     逃げ延びた先にあるのは・・・また別の世界。


     沢山読んだ話の組み合わせや、拡大に過ぎないけれど、子供と繰り広げる世界はとても楽しかった。

     スタートは「今日はどこへ行く?」


     私たち親子の体験に限らず、どんな物語に夢中になるだろう、と考えて思いつく典型は、

     ・日常とは違う別世界の訪問
     ・そこで起きる異常な体験。冒険
     ・体験前の自分からの成長

     ではないだろうか。どこへ行こうか、何をしようか。というバリエーション。


     おなじみの映画を基に、神話時代からの典型的パターンを読み解く。

     気が付けば、このパターン沢山あるよなあ。

  • 題名の割に、あんまり千と千尋に触れられてない気がする。他の物語と比較に比較を重ねて…って感じ。
    あまり面白くはないですね。

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著者プロフィール

1950年生まれ。専修大学教授。著書に「古事記の文字法」など。

「2001年 『書くことの文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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