「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで

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  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (778ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788506480

感想・レビュー・書評

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  • 若いながらなかなか素晴らしい著者です。著者の博士論文が出版されたものです。日本人であって日本人でない人たち。戦前の朝鮮・台湾人がそうでした。日本帝国の勝手な理屈により、都合が良い場面では「日本人」とされながら参政権が与えられなかった人たちと、逆に日本に同化しようと努力し、完全に日本人になった琉球人(沖縄人)との差を生んだ理由は?戦前の在日朝鮮人が選挙権を獲得するに至った歴史、また在日唯一の衆議院議員になった人物のアンビバレントな悩みを書いた章も複雑な気持ちにさせられます。彼は完全な日本人になろうとして逆に不幸な最後を迎えます。沖縄復帰を巡る沖縄県民の複雑な心理の動き(薩摩藩による琉球処分以来の日本帰属は短期間であり、しかも20世紀までは通常の参政権もなかったのにも関わらず、また戦中の沖縄戦の悲惨な経験もありながらなぜ日本に復帰したいという運動があれほどまでに盛り上がったのか)にも詳しく、ちょうど沖縄戦役終了60周年の記念日(6/23)に相応しい読書になりました。これまた790㌻の長大論文で読むのに1週間を要してしまいすっかり疲れましたが、靖国問題が焦眉の急を告げていることもあり、そういう観点からも大変興味深く読むことができます。アイヌ問題は沖縄と異なり、完全に日本に取り込まれてしまった歴史ということもあり残念ながら詳しくありません。

  • 風船に息を吹き込んで膨らましたりそれがへこんだりってのににていると思った。

  • だってウチナンチュだもの

  • 『「日本人」とはどこまでの範囲を人々を指す言葉であったのか。』,『その「日本人」の境界はどのような要因によって設定されてきたのか」』ということが本書の主題であり,近代日本の境界領域にあたる沖縄,アイヌ,台湾,朝鮮などに関する政策論を検証することにより,「日本人」のナショナル・アイデンティティの問題を考察したものである。

  • 実は全部読んでいません…時間ができたら再チャレンジします。

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著者プロフィール

慶應義塾大学総合政策学部教授。
専門分野:歴史社会学。

「2023年 『総合政策学の方法論的展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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