男の子の「自己肯定感」を高める育て方:世界を生き抜く力は思春期に伸びる!

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  • 実務教育出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788919617

感想・レビュー・書評

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  •  開成中学、高校の校長である柳沢幸雄さんの著書。2冊目です。以前読んだ『思春期男子の正しいトリセツ』が思いがけず良かったので、楽しくない読書ですが…読んでみました。

     第一章の[なぜ、日本人の自己肯定感はこれほど低いのか]が特に興味深かったです。 

     ☆盆栽が日本社会の特質を端的に表している。日本人は自分が所属している集団の安定を一番に求め、外側の事はあまり気にしない。

     ☆日本ではアイディアを否定する人がスマートに見える。提案の一部を否定することによって全体を否定しようとする。そして、代案は出さない。
     
     日頃、私も確かに感じていることでした。

     子育てに関してためになったアドバイスは、

    ☆まず褒めてから、1点だけアドバイスをする。(認めて、その上で向上できるように)
    ☆ママは手を出さない。口を出さない。目で見ている。をモットーにする。
    ☆成功体験は、単純に「勝つこと」「うまくいくこと」ではない。負けたり、失敗したりした状態から、「立ち直ること」こそが成功体験。

    などありました。

    特に珍しい事は書かれていなかったですが、今の日本の問題点を的確に捉えて、それを踏まえた上でのアドバイスが役に立ちました。
    アメリカナイズされた考え方は個人的には苦手ですが、子供達世代は世界中の人と同じレベルで発言し、働けるようになる必要が高まってくるでしょう。日本文化で美徳とされる謙遜とか調和のスタイルに捉われすぎると、子ども達は世界を上手く渡れないでしょう。そこを意識した教育の必要性を改めて感じさせてくれる一冊でした。

  • 思春期の子育てで大事なのは、親自身が自己肯定感を高めて、上手に子離れすることだと感じた。
    子どもから離れてできたすき間を「親自身の自己肯定感をアップさせるもの(=生産)」で埋めるということを意識していきたいと思う。


    [覚えておきたい事]

    ☆日本人は同調圧力が強く、予定調和の中で生きている。謙遜の文化、否定の文化で自己肯定感が育ちにくい。「とりあえずやってみる」ができない。

    ☆親が子どもに不満に思う部分は親自身の足りない部分と合致している。

    ☆親離れという本能はあるが子離れという本能は備わっていない。思春期になると親が意識的に子どもから離れるという引き算のアクションが大事。
    引いた分の隙間をお母さん自身の自己肯定感をアップさせるもの(買い物などの消費行動でなく生産的な活動)で埋める。

    ☆「ダメ」と言わない。「ダメ」が思考と関係性を閉ざす。
    ダメ出しする時には、提案の良い部分を認めて、代案を出す事。

    ☆子育ても夫育ても「7割で満足する」。
    まず良い部分を褒めてから、1点だけ短くアドバイスする。

    ☆負けたり失敗した状態から「立ち直ること」こそ成功体験。

    ☆子どもとは「子2:親1」で話し、意見はしない。

    ☆18歳になったら一人暮らしさせる。(低い生活水準から)

    ☆親は自分が子供の頃の話を逆に盛って話す。

    ☆好きなことを見つける為に多くの経験をさせ、好きなことを消費から生産に繋げられるようにする。

    ☆親が伝えられるのは「自分の甲羅の大きさ」まで。親も子も自分の甲羅のサイズを知っておくことが大事。

    ☆まずは知識を詰め込むことで創造力を発揮できる。

    ☆思春期で大切なのは「手は出さない、口は出さない、目では見てる」。子どもには「自由に振る舞っている」と感じさせ、しっかり見守る。

    ☆ゴールは変わって良いが、常に「30歳になったらこういう仕事をしていたい」というイメージを持っておく事が大事。

    ☆子どもの自己肯定感を高めるには、親自身が自己肯定感を高める!

  • 思春期男子の「自己肯定感」を高めるための実践本

    うちの長男が思春期に差し掛かろうとしているので図書館で見つけて読んでみました。

    たまたま手に取った本ですが、良書です。
    文化的側面により自己肯定感が低い日本人、ただグローバル化が進むこの世の中では、外国に飲み込まれない為にもそうは言ってられないのが現実。
    日本の未来を担う若者たちの、自己肯定感を上げ、世界と戦っていくにはどうしたら良いのか考えさせられる本。
    とはいえ、子育て本なので、未来を担う自身の息子たちにどの様に接すれば良いのか具体的に記載されている。

    特に共感したのが、『18歳になったら1人暮らしさせる』と言う点。
    何やかんやで親のスネを齧り生きて来た今までを生活を当たり前では無いと理解し、自分で稼ぐことによって自身の自己肯定感を上げていくと言う意味で記載されているのですが、自分の親父が『家の居心地が悪く早く出て行きたいと思わせるのが男親の役目』と言っていたのを思い出し、まさにコレだと合点が行きました。

    自分の父親がしてくれた様に、自分も、子供達に対して分かりませんが、骨太な人生を送って貰いたいものだと思います。


  • Amazon Audible にて。開成の校長先生が書いた思春期男子の教育論。
    自己肯定感の高い子にするためには、親自身がそうでないといけない、そのためには消費するだけでなく、生産的な活動をすべきだ、という点は大事にしたいと思った。

    序盤は自己肯定感が高いことの重要性、自己肯定感が低いのは個人の責任ではなく、日本人の文化環境面から仕方がないところもある、ただしこれからの時代はそれでは済まされない、という、特に異論のない内容。我が子というか、最近の新入社員もそうなんだよね、と思いながら聞いた。
    あとは開成の先生らしく、当然中学受験をする前提で話が進む場面が多く、ちょっとnot for meの印象。中学受験が終わったら子離れしましょうね、とか、第一志望に受からなくてもガッカリしないこと、とか…。この本の想定読者も息子を持つ母であること、という気配を一部で感じて、まあ実際そうなんだけど、ちょっとモヤモヤ。

  • 手を出さず、口も出さず、目で見ている。
    思春期は親よりも周りの人の影響を受けやすい。
    「自分で」色々なことにチャレンジをするとき。 
    大切なのは環境設定。チャレンジすることに意味がある。それを認めること。
    好き勝手はさせないが、多様な価値に触れ、失敗も含めてたくさんの経験をさせること。それが自己肯定感につながる。周りにも同じように接することができる。
    前に立って「教える」、ではなく、後ろから見守るスタンスかな。

  • 開成の元校長が書いた本。面白かった。

  • 柳沢先生の本はたくさん出品されていますが、だいたい似た内容です。
    しかし、何度読んでも良い内容です。
    子育て中のお父さんお母さんにとてもおすすめの本です。

  • 子どもは周りと比較するのではなく、垂直比較で良い点を具体的に褒めること。子どもと親は2対1くらい子どもに話をさせ、親は聞くこと。18歳で自立させること。30歳になったときの職業イメージを持つこと。消費から生産へ、親も子離れの努力をすること。
    示唆に富むお話で、何度も反芻したい。

  • ◎「これはダメ」より「これがいい」
    ◎子供は垂直に比較する
    ◎加点法、「イエス、バット構造」でアドバイス
    ◎負けるために上へ上へチャレンジさせる
    ◎家事をしてくれたらきちんと褒める
    ◎子2対親1でしゃべる
    ◎18歳になったらひとり暮らしを視野に
    ◎子離れしたら生産に自分の時間をあてる
    ◎思春期息子には「手は出さない、口は出さない、目では見ている」

  • 30代の男として読んでみて、自分が20年前に感じてたであろう、考えたであろうことを書いてくれている本。そう言った複雑なことを自分も考えてたんだなと思った。2児の息子の父として、自分が感じたことは、思い出して理解してあげたいな。

    ケネディ『米国民のみなさん、あなたの国があなたのために何ができるか問わないでほしい。あなたがあなたの国のために何か出来るか問うてほしい』

    『子育てしている皆さん。子供が自己肯定感を確立できるかは問わないでほしい。あなたがあなた自身の自己肯定感を確立できるか問うてほしい』
    なるほどーー

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著者プロフィール

柳沢幸雄 工学博士。東京大学名誉教授。元ハーバード大学大学院准教授・併任教授。シックハウス症候群、化学物質過敏症研究の第一人者。現在、開成中学・高等学校校長。

「2019年 『空気の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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