食べることの哲学 (教養みらい選書)

著者 :
  • 世界思想社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790717119

感想・レビュー・書評

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  • ・「自己純化」というワードを拾えただけでも意味のある素晴らしい本。

    ・『よだかの星』再読必須。

    ・よだかが過剰に擬人化されている話。興味深い。宮沢賢治自身の信仰の話と擦り合わせてもう少し深掘りする。

  • 食べることは本質的に自己の中に他者を取り入れる汚染である、という観点は今まで自分の中になかったので面白く感じた。Pちゃんの話、イルカ漁の話などニュースでは見つつもあまり詳しく知らなかったことについての詳細な解説もあり全体としてわかりやすかった。ただ、拒食と絶食に関してはピンと来ない部分があった。

  • 『食べることの哲学』
    2022年9月20日読了

    「食」という私たちにとって欠かすことのできない現象を、
    味の文化論から始まり、宮沢賢治の文学、近年話題となった映画、カニバリズムや拒食症といった様々な事象などを切り口に論ずる。
    これらを扱う目次がフルコース仕立てになっているのも憎い演出だ。

    「食べる」という行為は、必ず「命を奪う」ということと結びつく。
    日本の現代社会では「命を奪う」ことがより隠され、意識されにくくなっている。

    作中でもあった通り「食べる/食べない」の境界や「食べる/食べられる」の関係など、曖昧であるしかない節もある。
    わたしたちが矛盾をもった存在あると自覚し、じぶんの中で折り合いをつけることが大切なんじゃないだろうか。

  • タイトル通りに食べることに関する哲学が繰り広げられる。全体的に論点は提示するし著者の主張も記載はあるものの議論はそれほど深まっていないか。わりと話が前後し、議論の軸が定まらない印象を受ける。豚のPちゃんの章は読み応えがあるかな。

  • 読みやすく、内容も深い

  • 生きるために、生きるものを食べること。
    生きつづけることは、この矛盾をのみこむことである。
    ただ、そののみこみ方はさまざまだ。

    自分が動物の肉を食べないようになってから、
    『食べること』について考える事が多かったので、
    多方面からの『食』についての考察が本当に面白かった。ただ、哲学というだけあって、自分の気持ちにゆとりがある時に読まないと、考え過ぎてしまって疲れる…かも。

    というわけで、面白かったけど消化できていないので、もう一度、ゆっくり読みたい本になった。

    あと宮沢賢治の作品を、ちゃんと読んでみたくなった。
    特に『なめとこ山の熊』での食べる側と食べられる側の対峙が興味深かった。

  • レヴィ=ストロースの食の三角形。生であり焼いたものであり腐敗したもの。我々もまた食べられる側になる存在であり、他を食すとはそれを意識すること。人間も自然の中の命なのだ。

  • われわれは何かを殺して食べているというフレーズに惹かれて読んだ

    カニバリズムからアンパンマンにつながって、臓器移植の話に続くところが面白かった

    ザ・コーヴは観たことがなくニュースで見たことがあるくらいだったけど、オリバーの悲しみのくだりは興味深かった(食べることとは直接関係のないような気もするが)

    宮沢賢治きちんと読んでみようと思った

  • 宮沢賢治の章は興味深かったが、全体的に勉強不足かも

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著者プロフィール

檜垣 立哉 1964年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。大阪大学名誉教授、専修大学文学部教授。哲学・現代思想。著書に『生命と身体』(勁草書房)、『日本近代思想論』『ヴィータ・テクニカ』(青土社)、『バロックの哲学』(岩波書店)、『日本哲学原論序説』(人文書院)、『ベルクソンの哲学』『西田幾多郎の生命哲学』(講談社学術文庫)、『哲学者がみた日本競馬』(教育評論社)、監訳書にN.ローズ『生そのものの政治学』(法政大学出版局)ほか。

「2023年 『ニューロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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