音楽と出会うー21世紀的つきあい方 (教養みらい選書)

著者 :
  • 世界思想社
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本棚登録 : 79
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790717300

作品紹介・あらすじ

人生を変えるような音楽と出会うには?ネット動画、AIによる自動作曲、カリスマ不在、癒し音楽ブーム…近代西洋音楽史を専門とする著者が、21世紀固有の音楽現象を挑戦的にとりあげ、規格外の音楽とつきあう楽しさを自在に語る。著者おすすめの音楽も紹介。

――はじめにより
私は本書を、「前世紀に生きていた音楽好きが、この三十年くらいをすっ飛ばして、いきなりタイムマシンで二一世紀の現代に連れてこられたとしたら、今の音楽状況がいったいどんなふうに見えるだろう?」という、少々SF的な好奇心でもって書こうと思った。それは、「今」において「当たり前=永遠に変わらない」と思われていることが、数十年もたてば一変するということを、思い切り強調したかったからである。しかしまた、どれだけ音楽を取り巻く環境が激変しようとも、人間が人間である限り変わらないだろうことがらもあるだろう。そういうものを私は大事にしたいと思う。

感想・レビュー・書評

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  • 全編に筆者の音楽への深い愛が溢れる。「癒しの音楽」だのと言われ、まるでサプリメントのように扱われる音楽、またAIによる作曲・演奏など、自らの身体を通さない音楽など「音楽」ではないとする作者の主張は一貫している。
    ともすれば、安易に「消費」されようとする「音楽」への警鐘を鳴らし、音楽本来の姿を追い求める。

  • ネットで音楽の聴き方,あり方が変わったが,音楽は そこに足を運んで体感することが 大切 ということがテーマかな?

  • 音楽を明け透けに癒しとして求めることの気色悪さ、ひたすら消費されていくことのしょうもなさへの苛立ちには共感できる。

    では、ちゃんと音楽を聴くということに対して、隅々まで、映像的に、ピントを合わせてという説明は分かるような分からんような。

    癒し系への批判が、音楽を聴くことにおいて感情を介すること全般の否定にまで、拡張してしまっているように思える。
    癒し系の記号的な反応ではなく、単なる悲しいとか、嬉しいとかではない音楽にしか伝えられない感情を旋律から聴き取ることも音楽を聴くことだと思う。モーツァルトを聴いていた長嶋茂雄が語った、音楽の二重性で触れたところだが、ここの話をもっと聞きたいと思った。

    ピントを合わせ構造的に理解して、作者のメッセージを読み取ることは、、そのように音楽を楽しみたいと思うが、この本の説明だけでは実際難しいなと感じた。

  • いまひとつうまくいってないような気がする。

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著者プロフィール

1960年京都生まれ。京都大学人文科学研究所教授。専門は近代西洋音楽史。著書に『リヒャルト・シュトラウス 人と作品』(音楽之友社、2014)、『音楽の危機』(中公新書、2020、小林秀雄賞受賞)、『音楽の聴き方』(中公新書、2009、吉田秀和賞受賞)、『西洋音楽史』(中公新書、2005)、『オペラの運命』(中公新書、2001、サントリー学芸賞受賞)、共著に『すごいジャズには理由がある』(アルテスパブリッシング、2014)など。

「2023年 『配信芸術論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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