動機づけ面接〈第3版〉下

  • 星和書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791110032

作品紹介・あらすじ

いまや世界標準となっているカウンセリング技法のひとつである動機づけ面接(Motivational Interviewing:MI)。本書は,動機づけ面接の開発者が著したガイドブックである。本書は改訂版ではあるが,90%以上書き下ろされており,前版とは重複する部分はほとんどない。MIは当初想定されていたよりも幅広い領域に応用されるようになり,研究の結果,重要な新知識が追加されつづけている。MIをすでに学んでいる方でも,本書を読めば新しい学びを発見できることだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 初版から多くの点で進化、いや深化が見られるように思う。
    とはいえ初版の記憶が曖昧なので、あくまでいま私がそう読んだということかもしれないが。

    いくつかの点を挙げておく。
    第一に、動機づけという名称ながら、根本精神はロジャーズのクライエント中心であるということ。変えようとせずに徹底受容することこそが、人を変える力になるというロジャーズの画期的発見の偉大さに対する深いリスペクトが、繰り返し語られていることは重要である。
    具体的な技法として、間違い指摘反射と名付けてわれわれを諌めてくれていることは、繰り返し思い起こしたい。
    第二に、しかしその上で、セラピストがクライエントの話の何をリフレクトするか、がセラピーにおいて決定的に重要であることを認識し、クライエントの成長を促す媒体になる方法を模索する。それが聞き返しであり、チェンジトークへの着目である。
    第三に、変化から遠ざかろうとするクライエントの動きを抵抗と呼ぶことにクライエントを責めるニュアンスを嗅ぎとって、不協和と呼ぶことへと変更したということ。クライエント中心スピリットと、関係性を重視するスタンスがよく発揮されているエピソードである。

    今さらながら、ロジャーズをしっかり読み直すことの必要性を感じさせてもらったことも、私には大きな収穫だった。

  • 世界的なカウンセリング手法である動機づけ面接法の提案者による書籍です。
    上下2巻に分かれており、下巻は、動機づけ面接法の4つのプロセスのうち4つ目の「計画する」と、動機づけ面接法の現場への適用、および評価方法について書かれています。
    とくに評価方法について語ることができるのが、世界的に広く使われている動機づけ面接法の強みであると感じました。多くの実証と技法が正しく機能しているかの評価方法が確立しているのは他の技法ではほとんど見ないように思います。
    提案者により書かれた本書は最新の事情を反映しつつ丁寧に説明されているため、手元に置きつつ自身の試行錯誤とともに読み返すような本になると思います。

  • 下巻では計画する。動機づけ面接の学び方、そして研究について解説。ワークショップは現在3版に基づいて行われており、復習としてよかった。個人的にはDRANとCTAsについての理解が深まった。何よりも経験者が訳者であり、訳がこなれて読みやすい。日本の実例を学ぶには「医療スタッフのための 動機づけ面接法 逆引きMI学習帳」を続けて読めばなおよい。

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著者プロフィール

ニューメキシコ大学の心理学および精神医学の名誉教授。1983年学会誌Behavioral Psychotherapyに掲載された論文と1991年にステファン・ロルニック博士と共著した Motivational Interviewing初版で動機づけ面接を紹介した。嗜癖の予防と治療を研究のターゲットとして成果を積み重ねてきた。なぜ人が変わるのかを明らかにし,その知見は幅広く応用されるようになった。多くの受賞歴があり,ISI(Institute for Scientific Information,科学情報研究所)は世界で引用回数が最も多い研究者のひとりにミラー博士を挙げている。

「2019年 『動機づけ面接〈第3版〉下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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