現代思想 2022年11月号 特集=ヤングケアラー ―家族主義的福祉・貧困の連鎖・子どもの権利……―

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791714384

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしくよかった。
    ここ最近の現代思想で最もよかった気がしてます。
    現実的な問題に直面したところからスタートした議論となっている点はフェミニズムと類似性を感じますが、より現実との折り合いをよりつけようとしている印象を持ちました。
    個人的な要因としては、子供という第三者の権利を守ろうとするものである(主観じゃないからこそゴール設定にも慎重になる)、という点が挙げられるのではないかなと思った。

    貧困含め現実に複雑な問題を抱えており、保護という結論を素人としては考えてしまいがちだが、必ずしも常に最適解なのかはわからない。
    他者から見たら崩壊した関係でも保護した先に愛着を寄せられるものがなければその子供の発達に大きく影響をしてしまうと想像する。しかしながらそのまま放っていいはずもないので、個別対応をするしかないのだろう。
    また、高齢家族への介入などは当方もするが、子供においては大きく異なる点もあるのだろう。つまりは現在の不利益に加えて未来での不利益についても考えなければならない上に、自分の未来への決定が必ずしもできるわけではないだろう。
    なにせ、子供が子供らしくあれるように、一般論でなくその場その場で考える他ないのだろうと想像する。

    斎藤真緒さん、鷲谷花さん、李東輝さんの文章が中でもよかった。

  • 【特集】ヤングケアラー

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著者プロフィール

1970年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程満期退学。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第7大学)。現在は、大阪大学人間科学研究科教授。専門は現象学、精神医学。著書に『治癒の現象学』(講談社メチエ)『レヴィナス』(河出ブックス)『摘便とお花見-看護の語りの現象学』『在宅無限大』(医学書院)『仙人と妄想デートする 看護の現象学と自由の哲学』(人文書院)などがある。

「2023年 『客観性の落とし穴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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