- Amazon.co.jp ・本 (609ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791765621
作品紹介・あらすじ
宗教は人類至高の精神的所産なのか?それとも不幸な軋轢をもたらす躓きの石なのか?現代哲学の重鎮デネットがついに宗教の謎と矛盾に取り組んだ。指向的構え、ミーム、信念の思考など諸科学の概念を駆使し、人類史の精神過程をあくまで科学的・論理的に解明する、瞠目の書。
感想・レビュー・書評
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宗教は性選択とも異なるものであり、進化論ともかけ離れている気がします。
宗教は拠り所的側面も大きく、科学だけではなく感情も入るものだからです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18451
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB03094828 -
哲学的なアプローチが成功しているとは思えない。ところどころに面白い発見があるので★四つ。筆者のミームに対するこだわりも、文脈的に腑に落ちなかった。
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160723 中央図書館
分厚すぎて、片手間では通読不能。宗教的なるものに対し「ただ感じろ」という受容のやり方については、批判するスタンス? W.ジェームズの基本は押さえてから読むべきだったか。 -
原題:Breaking the Spell: Religion as a Natural Phenomenon
著者:Daniel Clement Dennett(心の哲学、科学哲学)
翻訳:阿部文彦(フランス哲学)
【目次】
はじめに
第1部 パンドラの箱を開ける
第1章 どの呪縛を解くべきか
1 何が起こっているのか
2 宗教の定義を試みる
3 解くべきか、解かざるべきか
4 深淵をのぞきこむ
5 自然現象としての宗教
第2章 科学に関する諸問題
1 科学は宗教を研究できるのか
2 科学は宗教を研究すべきなのか
3 音楽は体に良くないのだろうか
4 無視した方が良いこともあるのだろうか
第3章 なぜ良いことが起こるのか
1 良いところを引き出す
2 コレカラ利益ヲ得ルノハ誰カ
3 何が宗教のコストを回収するのかと問うこと
4 火星人の理論一覧
第2部 宗教の進化
第4章 宗教のルーツ
1 宗教の誕生
2 宗教の原料
3 自然は他者の心の問題をどのように扱うのか
第5章 宗教、その黎明期
1 多すぎる行為主体――リハーサル空間をめぐる競争
2 利害関係者としての神々
3 神々に語りかけてもらうこと
4 催眠術師としてのシャーマン
5 口承文化における記憶工学装置
第6章 管理運営の進化
1 宗教音楽
2 実践的専門知識としての民俗宗教
3 ゆっくりと進む反省と宗教における秘密の誕生
4 宗教の飼い慣らし
第7章 団体精神の発明
1 善意で舗装された道
2 アリの群生と企業体
3 宗教における成長市場
4 語りかけることができる神
第8章 信じることに価値がある
1 もっと信じた方が良い
2 指向的対象としての神
3 神を讃える分業制度
4 最小公分母
5 信仰告白するようにデザインされた宗教
6 レバノンの教訓――ドゥルーズ派とキム・フィルビーの奇妙な事例
7 神は存在するか
第3部 今日の宗教
第9章 宗教選びの手引き
1 神への愛のために
2 学問的世界の煙幕
3 何を信じているかがなぜ重要なのか
4 宗教はあなたのために何ができるのか
第10章 道徳と宗教
1 宗教は私たちを道徳的にするか
2 宗教は人生に意味を与えるだろうか
3 神聖なる価値についてどう言えば良いのだろうか
4 我が魂に祝福あれ――精神性と利己性
第11章 今何をすれば良いのか
1 理論にすぎない
2 探求されるべきいくつかの道――どうすれば宗教的確信に至ることができるのか
3 子供たちに何を語るべきか
4 有害なミーム
5 忍耐と政治
補論A 新しい自己複製子
補論B 科学に関する諸問題
補論C ベルボーイとタックという名の女性
補論D 根底的解釈の不確定性の実例としてのキム・フィルビー
原註/訳註/訳者あとがき
参考文献/人名索引/事項索引 -
宗教を進化論を軸に自然科学的アプローチで分析評論しようと
した本。どんな事柄であろうとも原理主義的態度は忌避されるべき。