生命、微動だにせず ―人工知能を凌駕する生命―

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791770427

感想・レビュー・書評

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  • 雨ばかりなんで本を読みました。移動のせいか歳のせいか腰痛が悪化してます。本当は運動しないといけないのでしょうが雨なんです。そんななかなんとか読み切った郡司ペギオ幸夫の新刊、「生命、微動だにせず」は、素晴らしい本で、いきもの全てへの賛歌です。AIが辿り着けるかもしれないシンギュラリティは、生命にとってはいささかも恐れる必要のない、生命の圧倒的な凄みを思い知りました。全ての数学的知識と、メイヤスー、ドゥルーズ、ベルクソン、マラトゥーナ・バレーラなどの巨人たちが総動員されて、「わたしたち」の「わたしたち性」が解読されていきます。たった一度読んだだけで分かったつもりになれるような簡単な本ではありませんが、ガツンと16トンハンマーで殴られた衝撃がここにはたしかにあります。現代の科学・哲学・文学を縦横無尽に駆使して書かれたこの本は、これからのAI時代にいきものとして読んでおくべき本はなのは間違いありません。著者は早稲田大の先生なので、私の友人で早稲田の教職の方、トークイベントとか勉強会とかもしあったりしたら参加したいのでどうか情報よろしくお願いいたします。

  • なんとか読み終えました。
    11章の直感と直観の違いとその役割のあたりは読み応えあるのだけど、やはり理解できないところが多かった。将棋を喩えにパターンが有限であれば決定論となる、というあたりはとてもおもしろい。

  • 人間の脳は外部との無際限な逸脱の連鎖を前提とするが故に、双対空間が基礎付ける再帰的情報処理装置としては同じである人工知能とは、〈わたし〉の体現において異なると言う流れは示唆に富む。

    ただ、全体のストーリーの繋がりを見出すまでにとにかく後ろまで読まないとならないのでキツい。本書も終わりという第10章まで読んでようやく筆者の言わんとしていることが理解できる構成になっており、郡司氏の書籍に慣れていない読者は放り出してしまうかもしれない。私も初めて氏の書籍に触れたためイライラしたところは否めないが、最後まで読み通すことで、ミステリーを読み切ったようなある種のカタルシスを感じることができる一冊であった。

  • 途中でどんどんほかの本に抜かされて、やはり中断したまま。いつも最後まで読めない。だれか中身をわかりやすく解説してください…

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著者プロフィール

郡司ペギオ幸夫(ぐんじぺぎおゆきお):1959年生まれ。東北大学理学部卒業。同大学大学院理学研究科博士後期課程修了。理学博士。神戸大学理学部地球惑星科学科教授を経て、現在、早稲田大学基幹理工学部・表現工学専攻教授。著書『生きていることの科学』(講談社現代新書)、『いきものとなまものの哲学』『生命壱号』『生命、微動だにせず』『かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか』(以上、青土社)、『群れは意識をもつ』(PHP サイエンス・ワールド新書)、『天然知能』(講談社選書メチエ)、『やってくる』(医学書院)、『TANKURI』(中村恭子との共著、水声社)など多数。

「2023年 『創造性はどこからやってくるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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