桜のいのち庭のこころ

  • 草思社
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本棚登録 : 43
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794208156

感想・レビュー・書評

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  • 私たちが愛でているのは“本物の桜”なんだろうか。「桜守」の佐野藤右衛門さんの語る桜や庭への想いを聞いてそんなことを思った。終わり方がまたばっさりというかあっさりというか、希望がない感じで。ただでさえこの本が出たときから時が経っているのに、さらにこの先の日本はどうなってしまうのだろう、と。

    私自身は「これはいい桜だ」とか「趣のある庭だ」とか見て分かるような目は持っていませんが、ひとつひとつの言葉が沁みました。見える部分だけ、形だけを取り繕う人間にはなりたくないと思いましたね。いつか私が庭を造るほど立派になれたら(ないと思うけど…)、心の宿った、人とともに成長していけるような、ずーっとのちも気にかけてもらえる生きた庭を造ってくれる、このような方にお願いしたいです。

  • 十六代目・佐野藤衛門。
    桜道楽の桜守としては三代目。

    こう書くと重厚な歴史もった由緒ある家柄のように思えますが、
    軽妙な語りの効果もあり、印象は「かるい」です。

    しかし軽いのは十六代目が、
    「おじいさんや、おやじのしとったことを、わしもしとるだけ」
    と特に気構えていないだけであって、その仕事ぶりや経験・知識はまったく軽くありません。

    むかしからやってきたことを、やるだけ。
    たんたんと、やる。
    そのうちわかってくる。
    やっぱりいろいろ、理にかなっとる。

    造園業がこんなにすばらしい仕事とは。
    浅学でした。

  • 実生で育つ、古来の桜はヤマザクラ、ヒガンザクラ、オオシマザクラ
    めしべかおしべが退化してしまっていて、これ以外の桜は接木で増えるものばかり

    ソメイヨシノはこれらに接木して増やす
    寿命は150年くらいかと思われていたが、今は100年くらい。
    関西にもっていくと、花びらが白くなってしまう

    何代目っていう名前を継ぐときには、役所に「親戚中の誰もが、この人が名前をつぐのに反対しません」という書面をもっていかないといけない

    桜を育てるのは、その時期だけ見るのではない。
    常に見て気遣っておいてやる。それは過保護ではなく、常に見ていてやれば、調子がおかしければそこで気づける

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