MITチームの調査研究によるグローバル企業の成功戦略

  • 草思社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794215253

作品紹介・あらすじ

デル、HP、ZARA、トヨタ、松下電器、ソニーなど、世界の主要企業500社を面接調査して徹底解析する。世界的ベストセラー『Made in America』から16年、MITのチームが新たに挑んだグローバル経済における企業競争力の独創的な分析である。グローバル化の急激な進展によって、世界の企業環境は大きく変化した。生産の外部委託や生産拠点の海外移転が頻繁に行われ、企業活動はもはや一国の領域に留まらず全世界を舞台にきわめて多様かつ複雑に展開されつつある。このようなグローバル環境において、成功する企業と失敗する企業との命運を分かつものとは何か?『Made in America』の主要メンバーであったバーガー教授とMIT産業生産性センターは、5年の歳月をかけて米・日・欧・アジア諸国の主要企業約500社を訪問し綿密な面接調査を行った。そのデータをボトムアップの手法で積み上げて解析し、グローバル経済における企業活動の実態と問題とその解決法を考察する。本書は、きわめて高い評価と信頼性をもつ研究レポートの全訳である。

感想・レビュー・書評

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  • 時間があれば

  • 企業の成功なんて十社十様,どの企業にも有効な特効薬なんかないってことらしい. ただ,明確な意志を持って判断することがが重要だそうで.

  • 発展途上国の一部を「先進国っぽく」見せることはできても、「似ている」と「同じ」との間には大きな差がある。
    殆どの製造業で、事業の総コストに占める労働コスト(人件費)の割合は平均で2%にすぎない。たとえ労働コストが安くても、日本からのマネージャの渡航費、家族手当、新興国は電気不足が深刻だから自家発電装置の導入、道路が悪いための交通渋滞で生じる諸コスト、治安が悪いための私設警備員の採用、役人に支払うツケトドケのコストなどを勘案すれば、たとえ10倍の賃金差があったとしても、国外移転の利点を示す単純な数字は机上の空論でしかない。

  • 2011/10月
    MITのしっかりとした現地インタビューした研究で、日本企業とか、アジア系の企業もちゃんとアメリカ贔屓なしに分析されていて、なかなか面白い。かえって日本の批評家の本を読むと、日本はここがだめ、外国のここを見習うべき。ばかりで、なかなか日本企業のいいところが見えにくいが、ある意味で、フラットに見られていると思う。海外からみれば、日本のここがいいんだということが認識できる。

  • MITが700件以上のインタビュー、500社のボトムアップ方式による聞き取り調査を5年間(1999~2004)にわたって調査した集大成。
    21の戦略事例を6つのテーマに分類して説明している。



    <CONTENTS>
    第1部 好機と危機の世界

     第1章 誰がグローバル化を恐れるのか
     第2章 MITグローバル化研究の概要

     戦略1:伝統的なアメリカ産業の手法:L・W・パッカード(紡績、米国)

    第2部 レゴブロックのように
     第3章 企業を分割する
     第4章 新しいアメリカ・モデル

     戦略2:統合により製品の統合性を保つ:トヨタ自動車

    第3部 世界中で作る
     第5章 残るべきか、行くべきか
     第6章 少しでも安く作る

     戦略3:イタリアの気質を教え込む:エミリア・マーリア(衣料品、イタリア)
     戦略4:安い賃金の実コストを計算する:ルクソティカ(眼鏡、イタリア)

    第4部 モジュール化時代の競争
     第7章 企業戦略の起源
     第8章 ブランドかノーブランドか

     戦略5:EMSの専門知識を利用する:シスコシステム(コンピューター機器、米国)
     戦略6:流行の創造:ラッキー・ジーンズ(衣料品、米国)
     戦略7:私たちは顧客を知っている:デル(コンピューター、米国)
     戦略8:自ら競争相手を作らない:ソニー
     戦略9:スピードがものを言う:ZARA(衣料品、スペイン)
     戦略10:外注か、自社生産かの選択:ヒューレット・パッカード
         hpのMade in Tokyo
         アジアからの輸送、保管の費用、移動によるトラブル
         長期でみた時の製造品質の低下・・サポートコストの固定費増を考えるとオフショアリングが低コストとは限らない。
     戦略11:所有せずに、工場をコントロールする:大手アパレル企業
     戦略12:ウォルマートとの仕事:大手スポーツウェア企業
     戦略13:誰が支配権を持つか?:ティミションアラ・ウェア(衣料品、ルーマニア)
     戦略14:度を超した楽観主義の危険性に気づく:シスコシステム

    第5部 国内で作るか、国外で作るか
     第9章 メイド・イン・アメリカ
     第10章 日本企業を支える『遺産』

     戦略15:クリスマスに間に合わせる:WWノートン(出版、米国)
     戦略16:自動化+優秀な労働者:スピードーアナグラム社(風船製造、米国)
     戦略17:調整の複雑さを解決する:衣料製造業者
     戦略18:自社製品でより速く、より良く、より安く:松下電器産業
     戦略19:国内熟練労働者を手放さない:ケンウッド
     戦略20:日本にとどまる:ケンウッド

    第6部 グローバル経済化での成功戦略
     第11章 現場からの教訓
     第12章 企業の枠を超えて

     戦略21:自らの力で成長する:テラダイン(検査機器、米国)

  • MIT(マサチューセッツ工科大学)がデル、ZARA、トヨタなどの世界企業を解析した研究レポートの全訳版です。英語の原文は読むのがたいへんなので・・・
    たかたに

  • グローバル化の絶対的な答えは無い。というのが答え?
    集めた情報を並べただけの様な印象もある。
    様々な企業の取り組みについて紹介。
    何か翻訳がいまいちな感じ。

  • デル、HP、ZARA、トヨタ、松下電器、ソニーなどをMITの調査チームが徹底解析した結果をまとめあげた本。
    生産の外部委託や生産拠点の海外移転が頻繁に行われ、企業活動はもはや一国の領域に留まらず全世界を舞台にきわめて多様かつ複雑に展開されつつある。
    この本のなかで特に印象にのこっているのが発展途上国において先進国の企業を誘致することに大切なことがインフラや公共サービスだということ。
    ゼミの課題書として仕方なく読んだ本ですが、一般的に言われていることだけではなく、独自の見地を多く提示してあり、また、その根拠も明快なためおすすめできる本のひとつです。

  • ゼミで扱った本。

  • グローバル企業と一口に言っても様々な業種があり、それらの成功事例を分析している。

    最初では日独型vs欧米型で比較し、後半では業種ごとに分けて、それらの中でも成功している企業の戦略を分析している。

    利益を出すには単純に考えると売上を伸ばすか、コストを削減するかにわけられる。コスト削減の時にまず第一に頭に浮かぶのが人件費削減。労働力が安い地域にアウトソースすることが必ずしもコストダウンになることはないことについて興味深く事実のデータを用いて述べている。数字があるから納得感がある。

    本当に様々な業種について書いていて分析が詳しいので読んでいて飽きてきますが…最初の1章、2章は読む価値ありかと。

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