- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794217462
感想・レビュー・書評
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個人個人の目標を設けている中でも、がんばらない経営とは何か?よく理解できました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
茨城県出身者として、ケーズデンキについて、一通りのことは知っておきたいと以前からも思っていました。最近出版された
『正しく生きる: ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯』
https://amzn.to/43H6I2I
を読む前に、10年ほど前、同じ著者がケーズデンキについて書いていた本書を予習的に読んでみました。
ちょっと理想的な会社のように書かれすぎている気もしますが、僕が水戸に住んでいたころの印象、店内に入ったときの何となく感じるヤマダ電機やコジマとの違いなどを思うと、大筋書かれた通りの良い会社なんだと感じました。
結局企業文化は、創業者の想いが反映する部分が大きいと思います。あらためて『正しく生きる: ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯』を読みのが楽しみになりました。 -
蒲田實氏 推奨
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読後に感じたのは、「あー。こんな人についていきたいなあ」と
従業員に思わせることができる経営者っていいなあ、と。
今の世の中の厳しさを踏まえた加藤さんの考え方には、とても温かいものを感じます。
▼加藤さんの考えその①
会社の経営には、終わり(ゴール)があるわけではありません。
ですから、どこかの時点でトップになっただけじゃ意味がないんです。
もしトップになった時点で、会社を解散するんだったら、表彰式をしてトップになって良かったね、で終われます。
だけども、現実には会社の経営が終わるわけじゃないですよね。
だから、私は『経営は終わりのない駅伝競走』と言っているんです。
会社は経営者がバトンタッチ(交代)しながら、続いていくわけです。
私は2代目ですが、父から引き継ぎ、次の経営者にバトンタッチするために『終わりのない駅伝競争』を走っているのです
つまり、加藤社長の「がんばらない経営」と「経営は終わりのない駅伝競走」は、
同じ内容を別の視点から違う言い方で表現しているのである。
▼加藤さんの考えその②
社員に無理をさせてある区間だけトップに立つことにほとんど価値を見出さない。
社員に数値目標を押し付けたりノルマを課すなど、いわゆるプレッシャーによって社員を働かすのではなく、
社員の自らの能力を引き出し開花させる環境を整えてやることで、自主的かつ継続的に働けるようにすることが肝要だと考えているのである。
▼加藤さんの考えその③
私は、考えられる中で1番いい方法でやっているつもりなんですが、
『がんばらない経営』とか『無理はしない』とか言うものですから、何か隙があるというか、のんびりやっているように見えるんですね。
でも私としては、それ以上は出来ないことをやっているつもりなんですが、いろいろ教えても、
『そんなの甘いよ、こうすればもっと儲かる、もっとうまくいく』と考えてしまう人がいます。
私が成功してきたことと違うやり方で、もっと儲けようとするわけです。
でもそういう人は、みんな失敗しています。
つい、欲が出てしまうのです。無欲が1番の欲張りだと私は思います。
▼加藤さんの考えその④
米国では、安売り広告を出せば、その価格で購入を希望する消費者全員に販売することが法律で義務づけられているという。
もし在庫を切らせば、購入希望者の予約を受け付けて売らなければならない。
ところが、日本では違う。
安売り商品は、いわば客寄せのための「目玉」商品で、販売価格も個数も販売時間も店側が自由に設定できるのだ。
加藤社長の言葉を借りるなら、「(安売りは)やったもの勝ちになってしまう」のである。
そのうえ、マスコミがそれを取り上げ、安い店として「宣伝」までしてくれる。
しかしそんなやり方が、消費者にとっても店の経営にとってもいいはずがない。
それゆえ加藤社長は、1円セールなど原価無視の安売り合戦に参戦したのは、むしろそれを止めさせるためだったと主張する。
▼加藤さんの考えその⑤
「ポイント制とは、20パーセントのポイントが付く10万円の商品を買えば、さらに2万円使えますというサービスですが、
本当はポイントが付かなければ、8万円、つまり2万円安く変えている可能性があるんですよ。
だから、ポイントが付く分だけ高く買わされているんじゃないですか。
それをお客さんは、他店と同じ値段で2万円分のポイントが余分についていると勘違いしている。
そこが問題なんです。
現金値引きのうちなら、8万円で買えますので、布から10万円出さなくても済みます。
でもポイント制の他店では、10万円出して2万円のポイントを貰うわけです。
でもその2万円は商品を購入したその店でしか使えませんし、ポイントで購入したら次のポイントは付きません。
だから、10万円で12万円分の前売り券を買っているようなものなんです。
これは、お客さんのためになっているでしょうか。
それゆえ、実際の販売価格は、ケーズデンキが他店と比べても1番安いはずと加藤社長は胸を張る。
しかし残念なことに、加藤社長の指摘するポイント制の問題点や、ケーズデンキの現金値引き販売のメリットが、多くの消費者に理解され、そして消費者に広く浸透しているとは
言い難いのが現実である。
口にこそ出して言わなかったものの、加藤社長には「もっと賢い消費者になって欲しい」という強い思いがあるように感じた。
どの店が1番安いのか、どの店が消費者のことを1番考えて商売しているのかを、よく見極めて欲しいというわけだ。
ある意味、ここにこそ、コ激しい価格競争を繰り広げる加藤社長とケーズデンキの最大の悩みがあるのかも知れない。
▼加藤さんの考えその③
「将来も何も、いまやっていることをやっているだけだよね。それは、地域で1番大きな店で品揃えが良くて、お客さんが来たら値段も安くて社員が親切で、またおの店で買いたいなと思うお店を作っていくだけだよ。」
うーん、素敵なひと! -
著者は立石泰則氏。家電量販店の知識が欲しくて購入。ケーズ電機の話。
感想。背景理解に助かった。
備忘録。
•加藤電機商会として創業。当時は松下電機の系列店。
•きっかけはダイエーの家電製品の安売り。
•大規模小売店舗法改正が1979年。その適正化(出店抑制地域廃止)が1990年、改正が1992年。
•北関東のYKK戦争(ヤマダ、コジマ、ケーズ)
•ケーズの特徴、ローコスト経営。あと、ポイント制を採用しないこと。
•ヤマダの全国展開→地域家電量販店の苦境→ケーズの傘下入りという流れ。
そんなとこ。 -
定時退社に週休2日。数値目標で縛らない。従業員が安心して長く勤められる環境づくり、会社が従業員を守り、従業員が会社を支える。そんな理想論としか思えない経営手法で実際に実績を生んでいるケーズデンキの秘密。
顧客、取引先、従業員の三者を大切にする「三位一体の方針」
損して得取れ -
知らないうちに、栃木県でも戦争が起きていたのにビックリ
頑張らないってのは何なのか、わかったようなわからないような
今度家電買うときは今までと違った視点で買えると思う -
ケーズデンキがドリフターズでCMをやっている家電量販店だとは思っていたけど、こういう経営だとは知らなかった。
家電量販店にはいいイメージがない。長時間労働の上に成り立つ、屍を上に築いた城郭という感じで、システム業界と同じだと。
定時に帰れる家電量販店。それは定時に帰れるシステム業界と同じぐらいに奇跡的なことに思える。
たぶん家電業界もそうだろうけど、システム業界も別に長時間労働を支度しているのではなくて、早い話が労働生産性が低いからだ。
たしかにケーズデンキは労働生産性が高い。それだけに、「なぜそれが可能なのか」をもっと具体的に知りたかった。この本は面白いし読みやすいけれども、分析が表層にとどまっていて、つまりツッコミが足りないのが残念。 -
上司に薦められて。