- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794217486
感想・レビュー・書評
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大本教弾圧の話は衝撃的だ。まったく知らなかった。また資金提供する人々がいたところを見ると、クーデターには民意が反映されていたと考えてよさそうだ。
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今までの二・二六事件の印象は、青年将校のクーデターで内閣が軍を恐れてそのまま戦争へというものでした。
そのイメージが変わりました。まだまだわからないことはたくさんありますが、とにかく人事がすごく重要ということはわかりました。
あれがなければ戦争はなかったとか、いろいろな見方・説等はあるかもしれませんが、たらればを言うのでなくきちんと事実に目を向けるためにこれからも歴史(特に近現代)の本を読んでみます。 -
2.26事件を軍部を中心に追った本。
著者の憶測もかなり混じっているような気がする。
それでも、政界や財界、あるいは社会運動といった、昭和史の通史で重視されがちな部分をいさぎよく削っているおかげで、クーデターの主役たる軍の動きを注視できて面白い。
当時の政治を変革するために多くの兵を借り出して日本の中枢を占拠したまではいいものの、クーデターが理想とした天皇親政という建前に縛られて政権を掌握することを考慮せず、一度はクーデターに成功しながらなすすべもなく鎮圧されてしまう。
元老、重臣、軍閥、財閥、官僚、政党等の”国体破壊の元兇”を機能停止させて、本来権力を持つべき人に権力を戻せば日本は良くなる、という青年将校たちの考えは信じられないほど浅はかに見えるけど、最近の政権交代だって大して変わらないものだったことを考えると、あまりあきれてばかりも居られない。
軍隊内の人事など内輪の話が多いので、そういうのに興味が無い人には楽しめないかもしれない。