日米開戦の人種的側面アメリカの反省1944

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制作 : Carey McWilliams  渡辺 惣樹 
  • 草思社 (2012年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219114

日米開戦の人種的側面アメリカの反省1944の感想・レビュー・書評

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  • 戦間期から大戦中の日系アメリカ人排斥を指摘、糾弾するノンフィクション。
    著者は弁護士、カレイ・マックウィリアムス。
    彼は、この本を書くまでに搾取的な農場や、メキシコ移民に対する不平等を告発し、またカリフォルニア州移民・住宅局長の職務経験もある移民・労働問題のオーソリティ。
    カリフォルニア州の政界や農業マスコミ移民政策に関する豊富な知識を裏付けにして、勤勉な日本人の移民を擁護し、不当な移民排斥政策が日米関係を悪化させてきたかを非難する。
    日系移民がどのように仕事を奪われ、仲間はずれにされ、敵視されたかを詳細に描き、さらに海を隔てた日本側の憤激まで記載しているので、戦間期における日本の対米世論の硬化について考える上でとても興味深い本になっている。
    そして、日系アメリカ人の強制収容に関しても、その不当さ、不手際、それに耐える日本人の声を詳細に伝えている。

    さらに驚くべきは、この本の出版が二次大戦たけなわの1944年に行われていること。
    それも、マハンやリデル・ハート、チャーチル、キッシンジャーといった軍事・政治系の大物の本を出版しているリトル・ブラウンアンドカンパニーという大手出版社から出版されている。
    彼が非難するのは母国の政治家、ジャーナリズム、対日排斥を訴える政治結社や業界団体で、日系アメリカ人と日本人に関しては、一貫してその節度、勤勉さを讃えている。
    どの国でも、総力戦ともなればパトリオティズムが猛威を振るい、アメリカもまたその例外ではなかったはずだけれども、正義を押し通すその理性には感服させられる。

    単に勇気がある人間が一人いた、というだけでは、このような本は完成しない。
    著者が義侠心に応じて知識と経験を積む場、勇敢な主張を振るえる場がアメリカにはあったからこそ、この本は完成した。
    これこそアメリカの偉大さ。

    ちなみに、原著は電子図書館に収録されていて、Webページで読めるほか、テキストやKindle形式でダウンロードもできる。これもまた偉大。
    https://archive.org/details/prejudicejapanes008160mbp
    こんなアメリカの偉大さを、第45代アメリカ大統領は大事にしてほしいものだ。

  • カレイ・マックウィリアム『日米開戦の人種的側面 アメリカの反省1944』草思社、読了。悪名高い戦時下の日系人捕虜収容所の経緯と内実を実証的に語るドキュメント。日露戦争後に澎湃する排日世論から強制収容への道のりを必然と捉え、その人種主義的政策の臆断を指摘する。収容所での生活も詳しく紹介されており貴重な内容である。。

    著者は1938年から4年間、カリフォルニア州の移民・住宅局長を勤めた。日系人収容の経緯をつぶさに見た人物である。著者はアメリカ民主主義の未熟さ憂い、強く反省を促すが、これは他人事ではない。アメリカの懐の深さは、まさに反省できる点である。日本のそれとは対照的である。

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日米開戦の人種的側面アメリカの反省1944の作品紹介

最も悪質かつ根本的な開戦原因。カリフォルニアにおける凄まじい日本人排斥の歴史と、それが国家間の戦いへと拡大していくプロセスをたどり、1944年の時点で米国人同胞に強い自省を促した著作。

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