文庫 増補新版 よくわかる慰安婦問題 (草思社文庫 に 1-1)

著者 :
  • 草思社
4.14
  • (6)
  • (5)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 73
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219428

作品紹介・あらすじ

かつて日本は朝鮮半島の女性たちを「強制連行」して「性奴隷」にしていた!?-九〇年代に突如として巻き起こったこの「慰安婦問題」は、さまざまな検証を経て、真実ではなかったことが明らかにされている。にもかかわらず、繰り返し日本非難の火の手はあがり、日韓関係の根幹をゆるがす事態にまで発展しつつある。なぜこのようなことになったのか。そもそも「慰安婦問題」とは何か。日韓・日朝関係の専門家が問題の核心と真実とを明快に解き明かす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 吉田証言や朝日新聞によって慰安婦問題が問題化するまでの経緯、そして国連のクマラスワミ報告に代表される韓国の国内外での批判活動や河野談話、アジア情勢基金に代表される日本政府の対応、韓国側の主張の問題点など、本書が書かれた2012年までの慰安婦問題に関する必要な情報がほぼすべて網羅されている慰安婦問題の必読書。

  • 外務省は恥を知れ!
    この本は外務省新人研修の必読本にすべきであるし、高校の歴史教育でも副読本として読まれるべきである!
    我々の子や孫の世代のために!
    日本の外交下手を教訓として活かすべき!

  • 嘘は百回言っても嘘であり、情緒的な議論は無益である。本書は事実を丹念に追った力作である。外務省の奮起に期待する。朝日新聞は、今や国際的となりつつある慰安婦問題の誤解を解く活動をしなければ存在価値はないと思える。日本人の必読書。

  • 南京大虐殺関係の書物を読むと、次に出てくるよくわからないことが、慰安婦問題である。なので、よくわかる慰安婦問題という書物を読んだというわけだ。

    元慰安婦であるといって名乗り出た、金学順さんだが、彼女は強制連行されたというのではなく、家が貧しく売られたと言うことだ。これは本人もそう認めており、間違いないことである。また、金さんは、金さんの兄も、日本国内の軍需工場に徴用されて働かされた被害者だが、当時、労働者にするための男狩りは行われたが、女狩りはなかったとも証言している。権力による強制連行はなかったが、金さんのように貧困による悲劇はあり、それはみなが知っていた。だが、強制連行ではなかったので、戦後は問題にされなかったが、突然、外交交渉のカードとして、また、韓国国内の政治に対する不平の目を外にそらすための道具として、近年の韓国政府が反日を国家スローガンとして出したのである。韓国を建国した李承晩大統領も、反日を国家スローガンとしたが、外交交渉において、慰安婦については一切言及していない。慰安婦がいたことは知っていたが、それは自国の貧困ゆえの悲劇であり、外交交渉カードにはなりえなかったと、当時のみんなは思っていたからであった。

    また、慰安婦問題をでっちあげた吉見義明教授に対し、著者は権力による強制連行があったという証明ができているのか、と問いただしたところ、それは証明できていない、と言う回答だったという。官憲による直接的な強制連行は立証する文書はいまだ発見されていないのだ。

    最後に、著者は、日本政府が出すべき反論案を記している。まとめられているので、忘れないように記しておく。

    日本政府が1930年代から第2次世界大戦までアジアと太平洋諸島を植民地とした期間、世界が「慰安婦」として知るようになる若い女性を性奴隷としたという事実は存在しない。1990年代以降、この点については日本国内でも激しい論争がおき、韓国との間でも外交問題となり、政府も過去の公文書などを網羅的に調査しましたし、民間の学者らの調査研究も進みました。その結果、「日本政府が慰安婦を強制連行した」という事実は全く確認されていません。1993年に日本政府が発表したいわゆる河野談話で「本人達の意思に反して集められた事例に官憲が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」とされている部分は、インドネシア・ジャワ島での出先の数人の軍人による犯罪行為です。彼らは軍本部の許可なく約1ヶ月オランダ人捕虜女性を同意なく売春婦として働かせ、連合国により軍人5人、民間人4人が戦争犯罪人として裁かれ、死刑、懲役刑などに処されました。談話は、民族の自決と尊厳を認めない帝国主義時代に多くの女性達が戦地での日本軍人を相手とする売春行に従事せざるを得ず、苦痛を受けたことに対して遺憾の意と道義的責任を認めたものです。日本政府は、日本が朝鮮を植民地支配し朝鮮人に苦しみを与えたことに関して「遺憾であり、二度と繰り返さない」と認識し、慰安婦として苦しみを受けた方々へのお詫びと反省の気持ちを表明してきました。これにはいささかも変化がありません。北朝鮮の金正日政権が自分達の行った民間人拉致の責任から逃れるために、国連などで「戦前日本政府は20万人の朝鮮人女性を強制連行して性奴隷とした」という政治宣伝を精力的に展開している中で、これに同調することはおろかで、何の根拠も無いことは周知の通りです。

    なぜ、根拠もないことが、世界中で話題になり、あたかも本当にあったことのように、日本人までもが信じるようになっていったのか。それは、アメリカ人が反日的だからとか、日本のことを知らないからとか、自分達の東京裁判史観を正しいと思ってそれを押し付けようとしているからではない。そうではなくて、声を大にしていいたいのは、それは日本がきちんと反論してこなかったからなのだ。世界では、狭い意味での強制連行はあった、性奴隷がいたという北朝鮮の言い募る主張が広まっているのだ。国連の報告書にも出ている。これに対し、日本の外交当局がやるべきことは、それは違うと反論することだ。日本は狭い意味での強制連行は認めていない。事実ではない。「当時は貧困による身売りがあり、女性の人権が侵されていた。今から考えれば、その犠牲者は同情に値するから謝ったのだ」という日本政府の立場をはっきりというべきなのに、それは言わずに、「日本は謝っています。アジア女性基金を作ってお金も渡しました」といった宣伝ばかりをしている。きちんと反論をしないから、北朝鮮の言う性奴隷が本当なのか、と言う風におもわれてしまうのだ。

    狭義の強制=権力による強制連行の事実は立証されていないという点を強調しつつ、河野談話が広義の強制=意思に反して慰安婦となった方々への同情と遺憾の意を表明したことは変化がないこともきちんと述べていくことが必要である。

  • 軍隊主導の慰安婦としての強制連行があったかどうか?というシンプルな問題であるにもかかわらず、様々な思惑のお蔭で複雑な問題に発展した。朝日新聞の犯した罪は、いったいどのようにして償うのであろうか?この本は、謝罪の発表以前の本であるので最新情報ではないが、問題点や資料、時間の流れなど、大変よくまとまっていると思う。201409

  • 2014-64
    ややこしいことになっている慰安婦問題をわかりやすく解説してる本。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所: 3階開架
    請求記号: 210.75//N86

    【選書理由・おすすめコメント】
    きわめて丁寧に検証し、知らなかった事実を発信している書籍です。ぜひ読んでみてください。
    (現代政策学部 真殿仁美先生)

  • 本当によく分かる。「慰安婦と戦場の性」も併せて読むとなお可。

  • 事実がどうだったかというより、さくしゃの意見がどれだけ正しいかを証明することに躍起になっているいんしょうを受ける作品

  • 日本人、及び誤解が広まってしまった世界中の人に読んでいただきたい!

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

西岡 力(にしおか・つとむ)
1956年、東京都生まれ。国際基督教大学卒業。筑波大学大学院地域研究科修了(国際学修士)。韓国・延世大学国際学科留学。1982年~84年、外務省専門調査員として在韓日本大使館勤務。東京基督教大学教授を経て、現在、(公財)モラロジー道徳教育財団教授・歴史研究室長、麗澤大学客員教授。「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」会長。歴史認識問題研究会会長。最新刊に『韓国の大統領はなぜ逮捕されるのか』(草思社)、ほかに『わが体験的コリア論』(モラロジー道徳教育財団)、『日韓「歴史認識問題」の40年』(草思社)、『増補新版 よくわかる慰安婦問題』(草思社文庫)など多数。

「2022年 『文庫 増補新版 でっちあげの徴用工問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西岡力の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×