- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794220882
感想・レビュー・書評
-
時間をテーマにした書籍は多く見られますが、大概が時間を短縮する術的な内容かと思います。こちらは、時間そもそもの概念とはを軸に話の展開となっています。
過去から現在に於いて、時間の有効性とそれに伴う人の行動形態。そして、その先に考えられる社会と企業の行方。これから、個々も時間に流されないように、考える事が重要と感じる。
経済が変わるのは、お金だけではなく、時間の使い方も関連するのではないだろうか。そんな印象を持つ内容。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なぜこの本を選んだのか
時間価値ということを学びたかったから
この本を読んで新しい学び感想
―かたまり時間とすきま時間
産業構造が変わり付加価値型のサービス業とりわけ、クリエイティブ産業、金運産業の生産性が上がり、かたまり時間とすきま時間の価値価格が急激に減少している。
ようは隙間時間で稼げるようになってきた。
―時間資本主義の経済学
1その物やサービスを使うことによって、時間が短縮でき有意義な時間が生み出される。 時間の効率化
2そのものやサービスを利用することによって有意義な時間が生み出される。 時間の快適化
―選ぶ時間の二極化。快適化と効率化
資金力を使って圧倒的なマーケットシェアを背景にした、大企業やグローバル企業を志向するのであれば、時間の効率化という切り口で戦略を考えるべきだし、小資本で独立的に事業を成長させたければ時間の快適化。
時間価値の増大の方法として、効率化と快適化という方向性があります。
―時間の奴隷になるという罠
超過利潤というのは、イノベーションやクリエイティビティから出てくるもの。
マインドセットを変えられない限り、周りよりも仕事量を増やすことで、給料をあげようという発想から逃れられない。
時間を増やして給料上げることは、時間価値を上げることにはならない。
―クリエイティビティのヒエラルキーでトップにいる人は、むしろ、時間の効率化に捕らわれていない。キュレーションメディアに頼るのではなく、原書に当たる。自ら体験しに行ったり、話を聞きに行ったりしている。クリエイティブなものサービスを生み出す人と、それを享受する人は別の時間の使い方をしている。
時間の効率化をしているかぼーっとしたり楽しいことをしたりする時間に充てている。
―その人に会いたいと思う人が多い人
その人に何かして欲しいと思う人が、多い人の勝ちは相対的に高まる。
こういった人たちが、自分の時間を細切れにして売るタイムセールを本格的に始めたとき人材の評価の仕方は変わってくる。
―一人の人間に労働も想像も含まれている
私たちが取るべき行動は、クリエイティビティに価値があることを認めること。
あらゆる仕事にクリエイティブな側面を見出し、改良、改善して付加価値を出して行こうとすることはすべての人が今後やっていくべきこと。
様々な自らに起こっている事象を、どのように自分で認知して定義するかによって、誰でも自らの人生の幸福度を変えることができる。
-
タイトルから想像してた内容と全然違ってた。いい意味で裏切られた感じ。
マーケティング的には「より安く・便利に」と「あなたにより合っている」は等価であるはずなんだけど、どうも最近の成功例は後者ばっかり出てくるなあと思ってたんだよね。
その現象の説明を、時間資本主義という概念はうまく説明してくれる。
あと公私混同の話とか、都市への集中化の話とか、僕が漠然と思っていたことをうまく言語化してくれていて、納得するところが多かった。
凡百のビジネス書とは一線を画す重厚な内容で、満足っす。 -
正直期待していた切り口ではなかったが、しかし題名から想定していた内容だった。
特に納得したのが、今後時間資本主義では「公私混同」がキーワードとなる。そして、自由に使える時間とお金を軸にしたマトリクスを表すなかで、多くのサラリーマンは、時間プア、マネーリッチの伝統的エリートだが時間資本主義では、時間もマネーもリッチはクリエイティブクラスが勝ち組となると言っている点。
自分はこのクリエイティブクラスの事を読みながら糸井重里さんが頭に浮かんだ。
そして、IT技術が発達する前は、ITが発達したら連絡がすぐできるから直接会う必要はなくなる。と言う人もいたが、現実は発達すればするほど交流範囲も広がると共に、直接会うと言う価値が大きくなるため、以前よりも多く人と会う為に時間が割かれていると言う話も自分の体験からも納得。 -
人気作だったので、読んだが内容は薄い。言葉遊びのように感じられる内容も多くあり、中身については「新しい切り口だ!」という感覚では無い。効率的、といわれる考え方が時代と共に変化している、ということを歴史を紐解きながら解説している内容。少し頭でっかちの印象なので、日常に何かこの本の要素を用いれるかというと疑問。再読不要。以下抜粋。
-------------------------------------------
・今後は時間価値を意識的に商品にしお金をとる、というビジネスが増えてくるだろう。(アマゾンの当日発送など)
・時間主義に則れば、時間を消費するサービスを選ぶ時は、失敗しないようにテッパン型のサービスに頼ろうとする人が増えるだろう。これは時間の効率化でもあり、節約時間価値の追求でも有る。
◎時代の変化により、クリエイティブな行為がコモディティ化することもある。その時我々が取るべき行動は、クリエイティビティに価値があることを認めることだ。あらゆる仕事に、クリエイティブな側面を見出し、改良、改善、刷新して付加価値を出していこうとすることは、全ての人が今後やっていくべきことになる。
(家事を単なる雑務と捉えるか、愛する家族のために貢献できる楽しみの時間、と捉えるか -
堺屋太一氏がその東大講義録で述べていた 「知価社会」とは即ち、本書の述べるとこ ろではあるまいか。
商品やサービスそのものより「アクセスコスト」あるいは「その利用による時間コストの低減」これが商品やサービスの対価を決めるキーになってくる。
かなり実感を伴って腹落ちする主張だと感じました。 -
IT進展に伴い「すきま時間」の価値が急速に高まってきた。時間価値には、効率化による節約と快適化による創造がある。勝ち組は時間とマネーリッチなクリエイティブ・クラス。ワークライフのバランスではなくブレンドを行って、人生を色彩豊かにせよ。
複雑な世の中に時間という補助線を引くことで、霧が晴れるように本質が見えてくる、とのことですが、期待したほどスッキリは見えませんでした。 -
「節約時間価値」「創造時間価値」の2種類の時間価値の到来する。ビジネスにおける時間の価値が重要度が高まっていることを認識できた。
-
これからの時代の時間の使い方について。2014年の本だが、今でも十分通じる。クリエイティブな時間を過ごし人生を豊かに過ごしたい。
-
リモートワークの定着化に伴い状況が変わったので内容のアップデートが必要と感じました