ペットが死について知っていること: 伴侶動物との別れをめぐる心の科学

  • 草思社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794225405

作品紹介・あらすじ

動物の感情世界をめぐる科学はこのところ大きな進歩を見せていますが、
彼ら彼女らが死をどう認識しているのか、また飼い主との別れについて
どう思っているのかという、私たちを悩ませる最大の問題については、
いまでも明確な答えは出ていません。
また、飼い主が動物との別れにどう向き合えばいいのか、喪失の悲しみを
どう捉えたらいいのか、という「最期のとき」にまつわる問題も、難しい課題です。
それらの問いについて、『ゾウがすすり泣くとき』などの著書があり、動物の心の問題を
ライフワークとしてきた著者が、動物と人間の交流の多種多様な事例を通して、
その核心に迫ります。ペットと人間の絆を考えるのに最適な書です。

【項目より】
伴侶動物の死について考える/ 人間以外の生物の感情を探求する/犬とともに進化した人間/人との絆にも劣らない動物との関係
/動物に愛はあるのか/猫が人の死を見分ける?/命の恩人と生きたクロコダイル/帰宅を迎えるフグ/人間と仲良くなりたかったシャチ
/自分の心に従って悼めば良い/買うのではなく、引き取ろう/様々な追悼のあり方……

感想・レビュー・書評

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  • 私は小学生の時から共に暮らしている愛犬がいる。今年で14歳になる。彼が死についてどう捉えるのか、家族が彼の最後に何をしてあげれば良いのかを知りたくて、本書を手に取った。

    この本を通じて、犬は特別な動物だと知った。2万5000年前から人と共に生き、共に進化してきた動物同士。人間に最も忠実なのは、そこに理由がある。私の愛犬は、とても犬らしいと思った。家族が出かけるフラグをすぐに察知し、狂ったように泣いて待っている姿を見て、理解できなかった。置いてどこかへ去るわけがないし、なぜ帰ると信じてくれないの?と思っていた。愛犬は、私たち家族のことが大好きで、片時も離れなくない存在であること。常に、愛を感じていたい生き物なんだとこの本で理解できて良かった。

    動物の倫理問題を真剣に考え、活動している作者なので、知りたくない事実について触れている箇所がいくつかある。本書で、自分の動物好きを再確認できたが、動物のためのことは何一つできていないと思った。動物の命について考えさせられるきっかけにもなった。

    本書では、様々な伴侶動物との最後の時について書かれている。自分の愛犬をどのように送るのか、深く考えたことがなかったけれど、少しイメージできた。最も、その時に必ず側に居てやれるようにしたいと思う。また、旅立ってからもずっと忘れず、感謝していたいと思う。

    このように、最後の時をどう過ごすかだけでなく、愛犬の気持ちや動物と過ごす人生について、知ることができた。しかし、筆者も言うように、動物についてまだまだわかっていないことが多い。ただ、犬についてはどの動物よりも人間との間に「愛」を育める存在であるのは確かだ。この先の自分の愛犬との日々をもっと大切に過ごそうと決心した。

  • 飼っているペットが高齢になり、まだまだ元気ですが少しずつ心構えが必要かなと思い、こちらを手に取りました。
    ペットの死にまつわる実際のエピソードがたくさん収録されていました。日本では安楽死賛成やヴィーガンについては、かなり少数だと感じますので、筆者の考えとのギャップは少しあるかとおもいます。参考になるというよりは、お守りとして持っておこうと思う本です。

  • 先生おすすめ本('22.4 ビブリオバトル教員大会)

  • 「あなたの愛する動物と過ごす時間を祝福しよう。そして、さよならを告げるときが来たら、自分なりのやり方でいくらでも時間をかけて見送ってあげよう。彼らが生きたこと、彼らが贈ってくれたギフトを心から讃えよう。」

    動物(主に犬)の死について、人間側から、また動物の側から考察しています。さらに、それに至る接し方やその後のことにについても。

    この本では多くのことが書かれています。例えば、筆者がヴィーガンになるのは渡欧当然の帰結ですし、他の点でも納得できます。
    ただ安楽死については、そのタイミングがわかりません。今まで私が見送った犬たちのときは安楽死は頭にありませんでしたしね。

  •  副題に「心の科学」とあるため、動物行動学などの最新の実証結果が盛り込まれていることを期待したが、そうではなく、本書では主として定性的データ、つまり個人的経験・エピソードにもとづき筆者の主張が展開されていく。
     多くの経験・エピソードがまとまりなく、また個々に掘り下げられることなく次々と列挙されていく。同様の主張の繰り返しも多く、全体として煩雑で秩序に欠け、冗長な印象を与えている。その一方で、動物とヒトとの死別の描写はさすがに力が入っており、しばしば足元にいるわが家の犬に目をやりつつ先が読み進められないということもあった。また犬食の現状や安楽死の多さなど興味深いトピックを学ぶこともできた。
     とくに疑問に感じたのが、本書で紹介される動物たちの安楽死の多さであった。なぜ西側文明国ではこれほど多くのペットたちを安楽死させる(せざるを得ない)のだろうか。人間と同じように、医療の進展によって本来の寿命以上に延命が可能になった結果、犬や猫も穏やかで静かな死を迎えることが難しくなっているのだろうか。安楽死をめぐる日本との比較など、筆者の指摘に対する理解を助けるような解説が、たとえば訳者あとがきなどであったらなお良かっただろうと思う。

  • ちょっとタイトルに沿った内容とは言いづらい。
    著者の主観的な話を延々と聞かされる感じで、文章も冗長。どこかに明快な事実が書かれているかと読み進んでも、時間ばかりが過ぎてゆく。
    タイトル詐欺には厳しくいきたいが、
    まあ人と動物の関わりに対して思いを巡らせる時間というのも悪くないかな、ということで☆2

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著者プロフィール

ジェフリー・M・マッソン(Jeffrey Moussaieff Masson)
1941年、シカゴ生。ハーヴァード大学でサンスクリット学、トロントの大学で精神分析学を学ぶ。『ゾウがすすり泣くとき』(河出書房新社)は世界的ベストセラーに。『猫たちの9つの感情』『犬の愛に嘘はない』(河出書房新社)など、動物の感情世界に関する著作多数。

「2021年 『ペットが死について知っていること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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