ギヴァー 記憶を注ぐ者

  • 新評論
4.10
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本棚登録 : 857
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794808264

感想・レビュー・書評

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  • 感情の起伏も許さない無彩色の生活とは物質だけが実態する。それが読み手に乱反射して日常の幸せとは何かを思い出させた。終幕のすすり泣くふたりが忘れられない。児童文学がこんなに哲学的なことを切り拓き魅了させるとは圧巻。

  • 設定とてもいい。もっと長く濃くできるのに…

  • 自由がない世界、全てが同一化された世界、私が生きている世界とは違いすぎて今がいかに幸せか知ることができた。確かに記憶をなくし、自由を制限してしまえば戦争という概念も生まれず、幸せに暮らせるという意見もあるだろう。しかし、自由があることで人はその人らしく生きることにつながる。戦争は起きてはいけないが、起きてしまったことを忘れずに生きていくことで人が発展していくことにつながるのではないか。
    この本を読んで忘れてしまうこわさを知った。
    過ちを繰り返さないために記憶をなくすのではなく、対策を考えていく方が幸せになるのではないかと思う。
    一方で知らないこわさも知った。この本の世界では害であるものを「解放」している。主人公は記憶を得て、事実を見ることで「解放」は殺人であることを知る。殺人をする人は殺人という概念がないため罪悪感も抱かない。私も知らないが故にのうのうと生きていることがあるのかもしれない。それは他の人を傷つけてしまっていることかもしれない。できるだけそのようにならないように、歴史を知り、ニュースを知り、他者の意見を知ることで私の中にはない情報を集めることが必要だと考えた。

    映画化されている本で映画化されるほど価値のある本だった。制限された世界を知り、今生きている時に何も感じていないことが幸せであると考えることができた。

  • 再読

  • SL 2022.4.10-2022.4.11
    あらゆることを管理されている世界。生まれることも、成長も、日々の過ごし方から感じ方まで。
    なんと恐ろしい世界でしょう。

  • 読み始め、???となる。ハテナ?だらけのストーリーに普通嫌になるところが、どんどんハマっていってしまう。何か絵本のような見たことのない世界へ引き込まれてしまいました。

    人は与えられた、苦痛の無い人生が幸せなんだろうか?
    無駄のない人生が最高何だろうか?
    そうなると無駄な人間は排除されてしまうのだろうか?
    それは飼われてるのと同じなんだろうと思う。
    裏を知らずに表かはわからない。
    ただ暖かい気持ちになる方向はわかる。気持ちいいではない。
    それを信じて進みたいと思う。

  • 4.1/674
    内容(「BOOK」データベースより)
    『いかなる不便もない。争いやもめごとは起こらない。飢餓も貧困もない―生活からすべての苦痛がとりのぞかれたコミュニティは、まさに理想郷に見えた。しかしその成立の秘密を知った時、少年は故郷を脱出し、世界を「より完全な姿」に戻すための旅に出る…緊密かつシンプルなプロット、とぎすまされた簡素な筆致、心ふるわせるストーリー展開、人間の生への深い洞察によって全世界を魅了しつづける近未来SFの傑作、待望の新訳!1994年度「ニューベリー賞」を受賞。』


    原書名:『The Giver』
    著者:ロイス・ローリー (Lois Lowry)
    訳者:島津 やよい
    出版社 ‏: ‎新評論
    ハードカバー ‏: ‎270ページ
    受賞:ニューベリー賞

    メモ:
    一生のうちに読むべき100冊(Amazon.com)「100 Books to Read in a Lifetime」


  • 前へ、前へ、果てしなく前へ

  • 幸福とは何か、争いが無ければ幸せと言えるか、考えさせられる作品。

  • SF?
    未来世界。人々は痛みのない世界で生きている。ギヴァーとレシーバーを除いては。

    ジョナスの父のやっていること。ジョナスがそれを知ったこと。ギヴァーじゃなかったら味わうことのない痛み。管理された安全な世界。それがどんなに不気味で怖いことかなと。

    最後、どんどん引き込まれていきました。
    ジョナスとゲイブリエルの無事をねがう。

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著者プロフィール

1937年ハワイ生まれの児童文学作家。アメリカ陸軍の歯科医だった父について各地を転々とし、11才から13才までを日本で過ごした。現在はメイン州在住。1990年に『ふたりの星(Number the Stars)』(童話館出版)、1994年に『ギヴァー 記憶を注ぐ者(The Giver)』(新評論)で、ニューベリー賞を二度受賞する。「ギヴァー」は大人気シリーズとなり、世界累計1200万部を超える。他にも『モリーのアルバム (A Summer to Die)』『Windeby Puzzle』など多数。

「2023年 『水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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