メッセンジャー 緑の森の使者

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794809773

感想・レビュー・書評

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  • 『ギヴァー』と『ギャザリング・ブルー』の登場人物が一緒に活躍する第3部。
    前二作は閉鎖的で冷酷な社会だったが、こちらは多様性を受け入れ、教育もある理想的社会である。1作目は近未来、2作目は原始的社会、これは、理想的なのでこういう社会が成立したことは人類史の中でほとんどないのではないかと思うが、技術レベルなどからは2作目よりは後の社会のような気がする。青がこちらの世界からもたらされたことを考えても。
    ジョナスが指導者となり、平和で幸せな村ができるが、トレード・マスターという人物がトレード・マーケットを支配するようになってから暗雲が立ち込めるようになる。
    これも読み終わって、まだ謎が残るのだが、4作目で明かされることを願う。前二作はそれぞれ単体で読めるが、これは前二作を読んでいないと楽しめない内容。
    前二作同様、寓意に満ちている。
    YAだから、思春期の子どもたちが共感できるように書いてあるが、満ち足りた暮らしをしていても、欲望の無くならない人間の弱さや、他者への不寛容がどのように生まれるかが描かれていて、子ども向けだからと言って甘くはない。
    やもめながら、立派な教師として尊敬されていた中年男が、寂しさ、人恋しさから、自分にとって大切なものを手放してしまうところが若くない者としては、リアルでゾッとした。

  • 怖かった

  • 「ギャザリングブルー」の記憶が薄れないうちに。
    といっても必要なところで説明してくれるので傍らになくても大丈夫だった。
    話の展開が大きくて、どうしてこうなった?の連続。理論的に説明してほしいわけじゃないけどある程度は原因と結果の流れがないと追うの疲れる。このモヤモヤは四作目で解決するんだろうか。

  • 『ギャザリング・ブルー』の6年後、前作の脇役マティが主人公。
    後半で前作の主人公キラも出てきます。
    さまざまなコミュニティから弾かれた人々が作った村。
    助け合う理想のコミュニティだったはずなのに……
    なかなか救いのない感じです。
    ギヴァーが一番衝撃的でしたが。
    一応長年これでギヴァ―三部作と言われていましたが、3年ほど前に本国では四部作完結編が出たとか。
    本邦未訳なのでできれば出してほしい……。

    装訂 / 山田 英春
    原題 / "MESSENGER"(2004)

  • いいお話なんだろうけど、わたし的に納得いかない。不条理じゃないですかって言いたいです。どう終わるのかと思ってたら。
    寝る前に読み終わったのでなくて良かった。悔しくて眠れなかったかもしれない。

著者プロフィール

1937年ハワイ生まれの児童文学作家。アメリカ陸軍の歯科医だった父について各地を転々とし、11才から13才までを日本で過ごした。現在はメイン州在住。1990年に『ふたりの星(Number the Stars)』(童話館出版)、1994年に『ギヴァー 記憶を注ぐ者(The Giver)』(新評論)で、ニューベリー賞を二度受賞する。「ギヴァー」は大人気シリーズとなり、世界累計1200万部を超える。他にも『モリーのアルバム (A Summer to Die)』『Windeby Puzzle』など多数。

「2023年 『水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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