改訂新装版 テレジンの子どもたちから: ナチスに隠れて出された雑誌『VEDEM』より
- 新評論 (2021年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794811844
作品紹介・あらすじ
20年前、チェコの「テレジン・ユダヤ人強制収容所」の中でナチスに隠れて子どもたちが出していた雑誌『VEDEM(ヴェデム)』は、日本ではまったくと言っていいほど知られていませんでした。それを知って日本で本書旧版を出版してからの20年の間に起こった出来事は奇跡の連続でした。
『VEDEM』の編集長だったギンズ君が残した60年前の日記や絵が発見され、妹さんの手で出版されたり、ギンズ君の顔がチェコで切手になったり(詳細は本書で)、副編集長だったコトウチュさんと寝起きを共にしていたブラディさんの妹さんのスーツケースが日本に渡ったエピソードが本になったり、収容所内で55回も上演された子どものオペラ『ブルンジバール』の日本語公演が東京で実現したりしました。そして、悲しいことにコトウチュさん、ブラディさんが亡くなられたことも、20年という歳月を感じさせます。もっとお話をお聞きしておけばよかった、と後悔するばかりです。
しかし、『VEDEM』を収容所内の土塁に埋めて、ナチスから守ってくださったタウシクさんは、90歳で今もご健在です。私は5年ほど前にフロリダのご自宅に3泊し、テレジンの1号室の仲間たちと作った『シュキド共和国』という歌をタウシクさんに歌っていただきました。もちろん、その様子をビデオに録画してきました。
改訂新版となる本書では、この20年間に起こったこれらの出来事も紹介しています。テレジンの子どもたちが望んだ民族差別のない世界平和は、まだ実現していません。悲しいことに、ナチスが示した非人間性は、今もあらゆる場所に潜んでいるようです。雑誌『VEDEM』で人間の心の強さや優しさを確認し、平和で誰もが自由に生活できる世界を創るため、私も微力ながら努力を続けていきたいです。(はやし・さちこ)
感想・レビュー・書評
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チェコの強制収容所で、14歳の少年たちが秘密裏に作った文化|あまのさくや / はんことことば|note
https://note.com/sukimajikan/n/nd71718046d8d
改訂新版 テレジンの子どもたちから 林幸子(著/文 | 編集) - 新評論 | 版元ドットコム
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794811844詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リトムニェジツェ(Litoměřice)に逗留したことには訳がある。それは、ここから5キロほど離れた街テレジーン(Terezín)を訪問するためであった。テレジーン(ドイツ語名 テレージエンシュタット)は名前の通りマリア・テレジアの名にちなんで命名され、ハプスブルク家が構築した要塞都市。かつては立派な街だったようだが、今は史跡関連施設以外は寂れていて宿泊施設もこころもとない。そこで、宿泊は隣接するリトムニェジツェにして、そこから通うことにした。
テレジーンは第二次大戦時にナチスドイツによってユダヤ人ゲットーや収容所として使われ、多くの方がこの地で亡くなった。その中には多数のユダヤ人の子供がおり、これに関する施設や2冊の本の紹介にも重点をおいた。
テレジーンについて詳しい日本語サイトや書籍は少ないので、丁寧にまとめてみた次第である。
● テレジンの子供たち / 『テレジンの子どもたちから―ナチスに隠れて出された雑誌「VEDEM」』
テレジーンに収容されていた子供たちがこっそり発行していた雑誌「VEDEM」の存在がこの子どもたちの酷い収容生活の実態を有名にしている。また、秘密裏に子どもたちの為に絵画教室を開いていた先生もおり、その絵画が記録として多く残されている。林幸子さんの書いた『テレジンの子どもたちから―ナチスに隠れて出された雑誌「VEDEM」』に古書店で出会い、これらのことを初めて知った時は衝撃的であった。
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テレジーン テレジン(Terezín) 観光ガイド / 『テレジンの子どもたちから―ナチスに隠れて出された雑誌「VEDEM」』と『プラハ日記 アウシュヴィッツに消えたペトル少年の記録』を読む
https://jtaniguchi.com/%e3%83%86%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%83%bc%e3%83%b3-%e3%83%86%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%83%b3-terezin-vedem/ -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055834