- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794917614
感想・レビュー・書評
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津村の読み直し世界文学の1冊である。ほとんどが会話で話が進行している。挿絵も豊富ではあるが、その挿絵と内容が合致しているかがすこしわからない。米国文学の特徴として、内容が淡々と進んでいき、あまり哲学が感じられないことがいいのかわるいのかよくわからない。
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本自体は12歳の男の子の視点でまとめられた長編だが、そこに挟まれるお年寄りとの話一つ一つが独立した一編の感がある。感傷的で詩的。
自分の若い頃の思い出の品々を女の子にみんなあげてしまう、年取ったベントレー夫人の話が好き。 -
なんとなく今まで手を着けていなかったブラッドベリさんの本。
図書館で見かけ、SFではないものも書いているのだと興味を持ったので読んで見ました。
なんだろう。池澤夏樹?ガルシア=マルケス?星新一?みたいな本。伝わらない??
じんわりと来る読後感が好きでした。
自分の本棚にコレクションしたいなと思える本です。そのうちまた読みたくなりそうだから。
でも、図書館の表紙の版はもう無いらしく。本屋では、新装のなんだか字の大きい、余白の多い本にされていました。
あの手の文字組は本の内容まで密度が低そうで嫌なんだよなあ。
古本屋で探そうと思います。 -
6月に訃報を聞き、夏になったらいちばん好きなこの本を読み返し追悼すると決めた。夏がきた。言葉をひとつひとつ噛み締めて読む。風の音や夏の光と匂いが満ち満ちてくる。生が横柄に闊歩する。やがて夜の闇が押し寄せ死への恐怖が迫りくる。少年の孤独。ここの描写はブラッドベリならではのダークファンタジー。込み上げてくる。死の誘いに打ち勝ち少年の夏は終わる。素晴らしい読後感。ノスタルジックだけど中枢の哲学はまったく古びていない。何度読み返しても新しい発見がある。ブラッドベリに出会えてよかった。私の大事な一冊。永遠に。
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子ども時代の夏は特別な季節だった。
失われた物がもう二度とかえってこない事など知らなかったはずなのに、なぜあんなに悲しかったのか。
中学生くらいのときにブラッドベリにはまっていろいろ読んだけど、これは大人になってから読んで良かった。 -
10代でブラッドベリに出会えたのは幸せでした。(★の数は当時の感想)
大人になって再読した時、ときめき感が薄れていてショックでしたがファンタジー小説にはまるきっかけになった大事な1冊。 -
物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、目をつぶれ。そんな、昔あった歌の題名を思い出しました。全てに永遠はなく、どんなに美しく強い存在だったとしても時が経てば、いつしか朽ちていきます。形を失ったもの、もう感じる事はできない感触や感覚よりも、今、目の前にある物。それだけが重要なのかもしれません。けれど、人間には思い出があります。それはどんなに美しくても触れることはできないし、誰かに見せる事はできないけど、とても大事なもの。美しい思い出を残すためには日々、色々と感じて生きる事が大切。この物語に触れてそう感じました。
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ブラッドベリの「SF」は何の略なんだろうと思う。
通常ならば「サイエンス・フィクション」である。
しかし、藤子Fのように「すこし、不思議」なのか、「サイエンス・ファンタジー」なのか、「スペース・ファンタジー」、「スペース・フィクション」…いくらでも形容する言葉が入るようで、それらはすべて何かが欠落しているような物足りなさを感じる。
むしろ包括されているのだろうと思う。