禁断の科学

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794967015

作品紹介・あらすじ

かつては自然の謎を読み解くことが科学者の仕事だった。だが、20世紀にはいり、科学的発見は技術と直結し、軍事的に、産業的に、大きな力をもつようになった。世紀の前半には、原子爆弾やロケット=ミサイルの開発、後半には、IT技術や遺伝子操作や人工化学物質の合成など、戦争と技術革新の時代に、国家の命運をになった科学者たちの生きかたを検証し、科学の暴威をくいとめるには何ができるかを考える。

感想・レビュー・書評

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  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA78524160

  • 第1部 戦争と科学者
    戦争への科学者の関わり―真理と倫理のジレンマ
    第一次世界大戦―国家が科学者を戦争に駆り立てた
    マンハッタン計画―これで我々は全員悪党だよ
    日本の戦時科学者―歪められた愛国心
    ロケット開発―宇宙への夢とミサイルの悪夢
    冷戦下の科学―歯車としての科学者
    科学者の「ノー」―平和運動のひろがり
    科学者の社会的責任―求められる倫理規範
    第2部 現代科学の光と影
    原子力の現代―原発を巡る諸問題
    ITがもたらすもの―情報化社会と監視社会
    人工化学物質―食の科学
    遺伝子操作の論理―神の代役をする科学者
    未来技術の明暗―ロボットとナノテクノロジー

  • 『科学は今どうなっているの?』(晶文社)、『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書)などで知られる池内了さんによる、科学者の社会的責任を過去から現在、未来にわたって考察したのが本書です。自らの好奇心を追究する「真理」の側面と、それをつきつめてしまうことのデメリットを考えて理性的にやめようとする「倫理」のはざまで、科学者はどう動いて、今後どう動くべきといえるのか。特に、理系を目指してみようと思う人や文系だけど科学に関する本を読んでみたいと思う人には良書になるのではないでしょうか。第I部の第7,8章あたりは特に印象に残りました。

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著者プロフィール

1944年姫路市生まれ。名古屋大学・総合研究大学院大学名誉教授。1967年京都大学理学部卒業、1972年京都大学大学院理学研究科博士課程修了、1975年京都大学理学博士。京都大学理学部助手を皮切りに、北海道大学理学部・東京大学東京天文台・大阪大学理学部・名古屋大学理学研究科を経て、総合研究大学院大学教授・理事の後、2014年3月に定年退職。九条の会世話人、世界平和アピール七人委員会委員。著書に、『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書、1996年)、『寺田寅彦と現代』(みすず書房、2005年、新装版2020年)、『科学者と戦争』(岩波新書、2016年)、『物理学と神』(講談社学術文庫、2019年)、『江戸の宇宙論』『江戸の好奇心』(いずれも集英社新書、2022年、2023年)、『姫路回想譚』(青土社、2022年)他多数。

「2024年 『新潟から問いかける原発問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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