- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794968692
感想・レビュー・書評
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文明が築き上げてきた巨大な組織の中で生きる現代人から、小さな村で活動する原始人に先祖帰りさせた。10〜100人の沢山の小さな村に属し、コンテンツをバラバラに消費する。背後の文脈を読み解いていく力が必要とされる。
無力な原始人ではなく、コミュニケーションの規模が個別判別できる人間サイズになったということでした。皆が同じマスメディアを消費する時代の、その次の情況。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代のコミュニケーションが、意外に少ない数から、構成されるようになった事で、メディアや経済が変わってきた事について対談の形で書かれている。対談本の割りには読みやすかった。引用されている本も読んだ物も含めて、わかりやすい本が紹介されていた。
キーワードいくつか
・体験を含めた製品が生き残る
・誰でもメディア、誰でもメーカー、誰でもアイドル
・アートとサイエンス
・デザイン、デザインの意思。商品、ロゴ、オフィス、販売店、制服、カタログ、包装、WEBページ、統一。製造業もサービス業。商品を通じての体験エクスペリエンスを売っている
・天才、デザイナー(例えばジョブズ)とマネージャー、実務者、翻訳者、編集者
インターネットが
普及したら、
ほくたちが
原始人に
戻っちゃったわけ
目次
まえかき
第1章 ウェブとSNSで世界は「原始時代」に戻った?
SNSの発展でいまや世界は「ギャートルズ」の時代に
雑誌や新聞よりも"高感度な友達"
友達力は「情報伝達の作法」から
メディアや広告は、こう変わる
最強のロールモデルは「池上彰さん」
新時代の広告=企業のオウンドメディア化
リキッド化するコンテンツのブランディング
コンテンツとテクノロジーの交差点
マインドウェアとしてのコンテンツ
メディアはこれから劇場型、体験型に突入
第2章「誰でもメディア」から「誰でもメーカー」へ
〈メーカーズ〉たちの「新産業革命」
遍在化・流動化する"ものづくり"
〈体験〉を含めた製品が生き残る
大企業が再び活性化するために必要なものは・・「愛だよ、愛!」
第3章 ハイテク・バーバリアンだけが生き残る
新時代のゼネラリスト=ハイテク・バーバリアンへ
新しい「野性の思考」が必要な時代
ビッグデータ以前にスモールデータを活用せよ!
「二ーズ(人気)やウォント(欲望)」を科学する時代
妄想力と暴走力のバランス感覚
ローカルアイドルと街の「スナック」に学ぶ
スーパーユーザーの視点を持つこと
「一人一芸」から「一人スナック状態」
「人に好かれる」のが営業の肝
第4章 デザインを制する者が市場を制す
デザインと物語のマッチング
優れたデザインは、ロジックを紡ぎだせる
デザイナーと翻訳者のパートナーシップ
ユーザー体験をデザインする
第5章 未来を予見できない時代の組織論
会社はすべからく「属人化」すべし!
変化に合わせて迅速に対応できる強靱さを持て
「マジック」と「ロジック」をつなげるために
「フラット化する世界」は、実はエリア限定
株主中心型企業ガバナンスの限界
会社の垣根を越えた横のつながりも大事
第6章 フリー/シェア以降の新ビジネスモデル
書店は究極のフリーモデルだ?!
多様性なき時代の販売戦略
クルマも家も「中古市場」が熱い!
中流以上全員「別荘持ち」の時代が到来すれば
「シェアリング・エコノミー」の時代へ
既成概念に縛られずに、どう世界に出て行くか?
第7章「SF力」で未来を編集せよ
テクノロジーに先んずるのが人間の妄想力=「SF力」
千人のコアなファンをつかめ
「わざわざ」を商品化すること..
「SF力」で未来を編集する
出品者のストーリーを売る
あえてウェブを「遅く」すること
自己発言を「デザインする意志」
あとがき -
◯インターネットとソーシャルメディアの発展でパッケージは崩れ、個々のコンテンツがばらばらに消費される。(33p)
◯「ダウン・トゥ・ジ・アース」じゃないけど、そういうアーシーな感じの方向がトレンドになっている(234p)
◯あらゆる商業的なものは、それこそエッツィー的な物語のやり取りに収斂するんじゃないかな(270p) -
知識層向けの解説と大衆向けの解説のハイブリッドがこなせる人がスーパースターになる。営業 力があれぼ一芸しかなくても食えていける。デザインを制するものが市場を制する。変化に合わせて迅速に対応できる強靭さを持て。などまとまりはないがこれからの時代を生き抜くヒントになった。
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軽いタイトルと装丁で、砕けた口調の対談形式で読みやすいのですが、内容はなかなか重たいものでした。
ソーシャルネットワークの進化や、物余りの社会の中で、これから稼いでいけるようになるためにはどのようなスキルが必要となるのか、それはなぜか、というテーマを、幅広い事例を挙げながら解き明かしている本だと理解しました。
「編集」の力を理解し、一芸に秀でつつ、同時にジェネラリストの幅広さも身につけられるようにする、情熱を持ち、自分の物語を語る。これからの時代、生きていくのはなかなか大変です。 -
インターネットが普及した今後、やってくる社会について対談した本。
・コンテンツ流通形態はショッピングモール型から行商型へ。
・「誰でもメーカー」。
・ハイテク・バーバリアン(新時代ゼネラリスト)だけが生き残る。
・「課題解決能力。そして、気合いと熱いハートをへこたれなさ」(p128)。
・スーパーユーザーの視点。
・「写真(映像)+コピー」が最強のウェブ言語。
・デザインを制する者が市場を制す。
・会社の属人化。
・人に好かれる能力。
・変化に合わせて迅速に対応できる強靭さ。
・「巨大な法則と、瞬時の詩」(p190)。
・科学と情熱。アート&サイエンス。マジックとロジックの連結。
・エリア限定。
・株主中心型企業ガバナンスの限界。
・横のつながり。
・「シェアリング・エコノミー」の時代。
・熱さ×スピード。
・文化のゾンビ化。ネット・ゾンビ化。
・僕らが目指すべきは、(中略)「SF力」=妄想力を備えつつ、150人の自分の村をいくつも持った「スマホを持つ原始人」(笑)。さらに言うと、ぼくらは一方で、半径100メートル内のアイドルを目指す必要がある。自分が「村の中心人物=アイドル」として人が魅了される「何か」を発信していく必要がある」(p259)。
全体として興味深いが、論点があちらこちらへ飛ぶ。何よりカタカナ多い。 -
情報がコモディティ化してしまうと、もうそこに価格をつけて持ち上げるのは難しい。情報は撒き餌になって、お金を取れる仕組みは情報提供以外に設ける
cf. ワイン紹介サイトとワイナリー
ノンパッケージになってリキッド化したコンテンツの時代
読解力と再構築力
文脈や視座を提供する
そのコンテンツの意味や社会的な文脈を解き明かしてくれる解説者や論評者、編集者のような能力が問われる cf. 池上彰、ガーディアン
アートとテクノロジーの両方必要
本来は属人性が高いと困る業種やビジネススキームに、いかに人間っぽさを持ち込むか -
インフォバーン代表の小林氏と日経ビジネスプロデューサの柳瀬氏との放談を覗き見る本であり、結局は何を言いたかったのか何の本なのかは良く解らなかった。
文化系ラジオのテンションで読み続けると良さげ。
ラストの章
『SF力で未来を編集せよ』で語られていることは完全に同意。こんな事いいな♪できたらいいな♪のドラえもん思考が大事な時代が幕を開ける。 -
ハイテクバーバリアン!
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インターネットが普及したことにより現代人は様々な村に所属する原始人になったとして、その村の中でどのよう生きるかを、メディア、マーケティング、様々なビジネスから趣味・生活に至るまで、縦横無尽に行き来して小林氏と柳瀬氏が熱く緩く議論する。その場で聞いているように楽しくページを捲りかつ成る程と知見の得られる好著です。
原始人とは言いつつもスマホを持った原始人であり自らメディアになる必要があるとも説き、そのメディアの編集者に向けての一冊でもあるとも。
驚いたのは、車離れが叫ばれているが登録台数は増えているとの話、音楽がCDからiTunesなどによるDLに移り替わったり、ITでのクラウドの普及のように、パッケージングされた商品ではなく実質的な価値が注目されているのを改めて認識。