実践!「元気禅」のすすめ」

  • 宝島社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796642811

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んで最大の収穫は
    冒頭に書かれている
    学校のクラス全員が「心」
    教室が「からだ」
    担任が「自己」
    という話だろう。
    すごく分かりやすかった

    だからP36の
    「三千人の生徒が求める自己とは?」は
    心に刻まれた

    個性とか、アイデンティティ、あるいは
    パーソナリティなどが気にならなくなる

    誰もが似たような三千人を内部に抱えていると
    すれば、「個性」なんてものは
    よく顔を出す生徒の顔ぶれにすぎないのでは
    ないか

    私の人生への態度は
    「集中」から「拡散」へ、
    頭や思考を重視することから
    「からだに訊く」方向へ
    また「やみくもな自己実現」から
    「ご縁を生きる」態度に変わったといえる

    思ってもみなかった「ご縁」というのも
    これまでよく知った自己を拡散してくれる。
    なにか目標を立て、そこに向かって集中的に
    進むことは、自分勝手に選んだ自己だけを
    実現しようとする欲なのだし、
    それが実現したとしてもそこには
    予想通りの自分しか見出だせない。

    三千人の自己を総動員して向き合ってみる。
    そうすれば必ずや今まで働いていなかった未知の
    自分が発動し、なんとかしてくれるはずである。

    禅は自由だという本当の意味が分かった気がする。
    そして自分の命が輝き出すのがわかる。
    なんて解放感があり、素晴らしい人生論だと思う。

    P37
    坐禅によって無数の自己を体験してしまうと
    今度はこれまで輪郭づけてきた自己のボーダーを
    破ることこそ興味深くなる。
    それはフロンティア・スピリットとも言えるだろうし
    「集中」から「拡散」への転換かもしれない

  • 私の教室へのたとえが分かりやすかった。

     先生=自己意思
     生徒=心=煩悩無尽⇒お悟り
       =無意識=潜在意識
         ↓
       座禅でみる 生徒がいなくなった教室
             ただ味わい、感じる
             寂滅=ニヴァーナ=涅槃

        憶い⇒思い⇒懐い⇒想い⇒さらに想いすら意識しなく


    目次
    第1章 煩悩を知り、煩悩を飼いならす
     たかが煩悩、されど煩悩
     人類を救う鍵は、鼻歌と体操と瞑想にあり! ほか
    第2章 坐禅をしよう
     坐禅をすれば人生観が変わる?!
     決定版!玄侑式坐禅 ほか
    第3章 瞑想と呼吸で元気になる、健康になる
     「思い」を「想い」に変える瞑想術
     理想の呼吸法は人それぞれ ほか
    第4章 立つ、歩く、坐る、眠る、食べる、生きる
     生きることは、所作の連続
     立って、中心を知る ほか
    第5章 禅からの処方箋
     「風流」とはなにか「知足」とはなにか
     ゆらぎで腰痛を治す ほか

  • 「必要な時に必要なものが与えられる」というのをこの本で実感した。
    実際手に取ってから、読み始めるまで時間がかかり、読みかけのまま中断していたが、それは最終的に私がすっぽりと理解するまで、待っていたとしか思えないタイミングだった。
    瞑想は怖くないことがわかった。さて、禅の生活を始めてみようと思う。(2007.2.23)

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著者プロフィール

一九五六年福島県生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒業。八三年、天龍寺専門道場入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。花園大学仏教学科および新潟薬科大学応用生命科学部客員教授。二〇〇一年「中陰の花」で芥川賞を、一四年「光の山」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に、『禅的生活』(ちくま新書)、『荘子と遊ぶ』(ちくま文庫)、『やがて死ぬけしき』(サンガ新書)、『竹林精舎』(朝日新聞出版)などがある。

「2020年 『なりゆきを生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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