さよならドビュッシー (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 6-1)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796679923

感想・レビュー・書評

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  •  ミステリー2割、他芸術の音楽と人生論という感じ。疑問や腑に落ちないところもあったけど、ステージでの孤独な戦士(ピアニスト)の闘いにはウルッときたし、ラストの終わり方締め方が良かった。
    犯人は中頃からわかるものの完全にラストドンデンは不意打ち喰らいました。

     ハイリゲンシュタットの遺書や岬さんの生き方などドビュッシーよりは楽聖ベートーヴェンの方が印象に残る。
     作曲家への敬意を感じられたのも良かった。
    ウラディミールホロヴィッツを例に出していましたけど私も尊敬するピアニストです。ちょっと曲に関する作者の感想が長い気もしますが
     クラシック音楽の捉え方(時代背景や作曲家への理解、読譜の重要性)なども共感できるし、言葉を超えた言葉。映像を超えた映像。こういう音楽を味わったことがあるので、その演奏の多幸感をを思い出したりした。

    ・疑問点
    ①足を怪我したことないので分からないが、松葉杖つく人にペダルを操作できるか。
    月の光はソフトペダルも使う。
    あと発表会じゃあるまいし、月の光は戦うつもりのコンテストでは普通弾かないですよね。

    ②榊間刑事が、死亡確認前の息のある状態を死体と言ったこと。母親が死んだのは救急車の中
    ③曲の難易度の違和感
    https://twitter.com/zomurai_reading/status/1606925496385949696?t=iqV5tyOw_JqYYIvgI7PJcA&s=19

    ④医学的な問題についてはよくわからないが、無傷で別の顔に顔面皮膚移植できるものなのか


    こういった違和感もさておき、良かった。

  • 一気に読んだ。少女がピアニストを目指して成長していく様は楽しんだんだが、ミステリーとしては予想通りだった。タイトルや従姉妹の存在が…ね。中山七里さんだし、やっぱり…。中山さんの作品はこれから読むべきだったかも。

  • クラシック音楽✖︎遺産争い✖︎殺人。本書で取り上げられた曲を聴きながら読んで目でも耳でも楽しめた。ただ私自身は猫ふんじゃったも弾けないくらいのピアノ音痴なので演奏シーンはやや冗長だと感じた。全身火傷、リハビリ、身内争い、差別、コンクール、校内いじめ等要素もりもりでも胸焼けを起こさず最後まで読めた。ラストはどんでん返し。

  • ここまで音楽に没頭できたら過酷だろうけど快感だろうなぁ。
    演奏シーンの語彙が凄い、という語彙のない言葉でしか表現できないけど、とにかく凄い!
    事件に何かしらルシアが絡んでくると思っていたけど張本人かぁ。二重人格とか、イマジナリーフレンドかと思っていたら…。
    中山七里さん、ハズレ無し。

  • ピアニストを目指す主人公<香月遥>と、スマトラ島沖地震後の大津波で両親を亡くした従姉妹<片桐ルシア>のミステリアスな物語・・・ 祖父と従姉妹を火災で亡くし、全身大やけどを負った主人公、巨額の遺産相続(信託財産)が絡む不吉な出来事の連続・・・。コンク-ルでの優勝を目指し、ドビュッシーの旋律にのせて響きわたる異色の音楽ミステリは、意表を突いたエンデイングまで読者を鷲づかみにする。(第8回『このミス』大賞受賞作品)

  • なんでこんな小説が書けるのでしょうか?笑
    小説家だから…かもしれませんがこんなのはじめてです。刹那さも、最後に感じさせる清々しさも、こんなミステリー、あるですね。ただただ感嘆、です。

  • 面白かった!
    最後は予想していなかった結末だった。

    演奏するシーンの描写が細かくて、自分も聴いてるかのような感覚に。
    主人公の女の子にはたくさんの苦難が降りかかるけれど、ピアノには最後まで向き合う執念が感じられて読み応えがあった。

  • 読むと、その音楽が気になって
    音楽を掛けながら、読みました。
    描写と音楽とビア二ストが重なって
    更に面白くよめました。
    普段あまりクラシックは聞かないけど
    興味が湧き、普段触れない物の面白さに気づかせてくれる一冊になりました。

  • 私はピアノをひかないのでわからない部分もあったけれど、すごく面白かった。最後の展開は予想も出来なかった。

  • 怒涛の展開だったーー息をつく暇もない読ませっぷり。音が聴こえてきそうなピアノ描写。生きる上で、演奏に何を、どんな思いをかけるか、という命題でもあるなと感じた。スピンオフなども読んでみたくなるキャラ立ち。筆致やストーリー立てなど、圧巻やなぁ

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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