対称性とはなにか (サイエンス・アイ新書)

著者 :
  • SBクリエイティブ
3.67
  • (2)
  • (2)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797362800

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み

  • 様々な理論で出てくる対称性ですが、宇宙構造における対称性の破れの基本が学べました。

  • 物性系の「対称性」の話じゃなくて、素粒子・宇宙系の「対称性」の話だったので少し拍子抜け。
    素粒子物理の話を噛み砕いてわかりやすくまとめてくれているので、高校の時にこの本に出会っていたら、素粒子・宇宙大好き高校生になっていたかも。

    物性系での対称性について買いてある本がないか探したくなってくる。

  • 最近「自発的対称性の破れ」という言葉が気になっていて、それを理解するためには、まず対称性とは何かということを理解しなければならないと思い、この本を手にとって読み進めました。
    本の内容としては、身近なものの対称性の話から順を追って、物質、粒子、力などの対称性についての話へと進んでいきます。1ページずつ短くまとめられた文章の解説と図解でテンポよく読み進めて行けました。物理学で言う対称性のイメージが少し掴めて、もやもやしていた部分が理解できた気がします。

  •  2008年の小林・益川博士のノーベル賞でも話題になったCP対称性の破れ。宇宙の仕組みを理解する上で対称性という概念・性質が非常に大きな意味を持っていることが理解できた。

     素人の浅い理解で言えば、規則性とは対称性が破れることによって生じるもので有り、対称性が破れなければ規則性は表れない。そして対称性とは場のエネルギーが減少することで破られる。ということは、宇宙を理解する上では対称性が破れていない状態と破れている状態の両方が考えられる。

     例えば、学校を比喩としてみれば、休み時間が対称性が守られている時で有り、そこでは生徒がどの教室のどの席に座っているかを区別できない。授業中は対称性が破れた状態で、そこでは生徒が特定の教室の特定の席に座っていることが区別でき、ということはそこに生徒の席の並び順について規則性が生じると言うことである。

     現在の宇宙は十分に冷え切っており、様々な物質レベル、ゲージレベルで対称性が破れている。それがビックバン直後では莫大なエネルギーによりあらゆる対称性が守られていた。この対称性の破れがなければ、物質と力は区別できないし、強い力、弱い力、電磁気力、重力も区別できず、したがって星も存在せず、我々も存在しない。

     また現在謎とされている、ダークエネルギー、ダークマターも対称性の破れから存在が説明できるかも知れないというのもよく分かった。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

広瀬 立成
1938年、愛知県生まれ。
首都大学東京名誉教授。理学博士。

「2015年 『もったいない社会をつくろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

広瀬立成の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×