ゲームウォーズ(下) (SB文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797373820

感想・レビュー・書評

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  • 脚本指南の本にストーリー構成の例として掲載さていたので読んでみた。

    環境問題や貧富の差が深刻化した、悪い予想があたったような近未来を舞台にしている。人々は仮想空間に入り浸り、現実から目をそらしている。その仮想空間を設計した人物が、ネット上に隠した「エッグ」を発見した者に莫大な遺産を贈ると言い遺して亡くなった。そのエッグ探しをめぐる物語である。

    脚本論に取り上げられるくらいに正統派のエンタメストーリーで、次の展開やラストはなんとなく分かる。主人公は貧しいいじめられっ子だが、ふしぎと賢く、やたらとIT技術に長けている。ライトノベルの一種なのだと思うが、外国語に翻訳されるだけあって、素人が趣味で書く「なろう系」(ちゃんと読んだことはないのでイメージです)とは一線を画すクオリティで、読者を最後までわくわくさせてくれるのはさすが。80年代のオタク・ギーク趣味がてんこ盛りで、分かる人には分かるネタもきっとあるのだろうが、そこまでゲームや特撮映画に明るくないので、素通りしてしまったところもある気がする。一定程度の歳のオタクなら懐古の情をかき立てられるのではと思うし、推理ものとして主人公と一緒にエッグ探しを楽しめたりするのかもしれない。また、ギーク系のアメリカ人が持つ日本へのイメージも興味深かった。

    この本に出てくるようなゲームの達人は現実にもいる。私がプリクラに興じる横で、信じられない速さに達しているビートマニアやコラムスなどをワンコインで延々とプレイしており、幼心に感心した。彼らを見なければ、セーブもできない昔のゲームをノーミスでやり切るなんて、都合のよい物語としか思えなかったと思う。どんな経験がどこでどう活かされるか分からないものですね。

  • これはこれ、映画は映画で全く違う楽しみ方ができるなー。もう一回映画を観たくなった!

  • 上巻から引き続き面白い。
    ゲームが終わった後も想像がかき立てられるいいお話だったな。日本へのオマージュに溢れてて最後まで良かったです。

  • 映画、レディプレイヤー1が思ったより面白かったので原作読んで見た。

    原作より、面白い。

    オタクによるオタクのためのSF。ヴァーチャル空間でのアバター。その世界の最高の力を得るための戦い。

    日本だとラノベっぽくなるのだろう。

    問題は、そう言うことに全く興味ない人にも面白いかどうかなのだが、余計な心配なのだろうな。

  • ゲーム世界から現実世界に入っての逆襲劇が多少混じりつつ、王道な恋愛とか青春とか。
    物理的にも動き始めているのがオンライン讃歌だけでは、ないのが商業的に売れて、さらになろう系にはないものかも。

    でもやっぱりギーグな元ネタを楽しみながら読めるのが一番好きかも。

  • 久しぶりに楽しい本を読んだ。
    とても良かった。
    エンディングも最高でした。
    随所に日本のキャラクターも登場していて誇らしいです。

  • うーん、面白かった!
    気分爽快、誰かれ構わずハイタッチしたい気分になれるエンディング。
    私自身はゲームは全くわからないのだけど、作中で出てくる映画や本、アニメの名前にずっときゃーきゃー言いっぱなし。
    ものすごく意外性があったわけではないけれど、だからこそ楽しめる限定エンターテイメント。
    映画にもなっているので、ぜひ観たいもの。

    それにしても、日本で生まれた作品のすごいこと。
    それを母国語という形で理解できる幸運を噛み締めるよ。
    英語のほうもそうなれたらどんなに楽しいことか、と思うよ。

  • ゲームにハマるってことはなかったので、ゲームのことは判らんかったけれど、10代の時にドップリとハマって夢中になった映画がゴロゴロ出てきたのは楽しかった。

  • 全編を読み通して、とにかく著者のメガ・ギーク度に圧倒されます。メカキャラやヒーローへの重すぎるほどの愛!その分世界がしっかり構築されており、ある意味全てがフェイクである仮想世界の中でも安心して読み進められます。

    網の目のように張り巡らされた巧妙な仕掛けを抜け、ライバルを出し抜きながら、頭を絞って目指す宝へと近づいていく主人公たち。初めは単体で戦っていたのが、巨大な敵に対抗するために協力し合います。顔も知らない相手を信頼して胸を預ける彼らの友情がまた胸アツ。

    最終決戦に臨み、実際に対面することになる仲間たち。ずっと仮想空間の中で、本名を名乗らずに理想的なかっこいいアバターを自分として動かしてきた彼らだけに、素の姿を見せることへの抵抗と葛藤はすさまじいものでしょう。

    初めからハリウッド実写化するために書かれたのかと思われるほど、ハリウッド的な流れに乗ったサクセスヒーローストーリー。十分楽しませてもらえます。上巻で気になった、現実社会のひどい状況も、最後にはきちんと回収されます。

    映画はヒットしましたが、原作の方はどうでしょう。私のように、タイトルが違うのでうっかり気づかないままのいる人もいるかもしれません。原作と違う箇所があちこちにあると言われる映画版はまだ見ていませんが、この本だけでも十分テンションが上がって楽しめました。

  • the giant robots made in Japan. the japanese spiderman has it. the nobel isn't the movie.

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著者プロフィール

簡単料理専門コック、魚さばき職人、ビデオショップのエリート店員、テクニカルサポート・ロボットなどを経験するも、それら前途有望なキャリアをすべて投げ打ってギーク(おたく)活動に専念することを決意。以来、ポップカルチャーへの愛を映像と文字に注ぎ続けている。脚本を担当した映画『ファンボーイズ(2008年)』(『スター・ウォーズ』のパロディやオマージュが随所に盛り込まれている)は、公開されるやいなや熱狂的な支持を受けた。他にも、ゲームをテーマとしたドキュメンタリー・フィルムの制作のほか、俳優としても活躍している。小説は本書がデビュー作。現在は妻と娘、クラシック・ビデオゲームの膨大なコレクションとともに、テキサス州オースティンに暮らす。

「2014年 『ゲームウォーズ(上)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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