「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797390575

感想・レビュー・書評

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  •  情報は死んだ(固定した)もの。そして人は、生きている。その違いを認識しておくべきなんだろうな。でも人は人に対してすら、情報を求めがち。なぜかって、その方が楽だから。

     人間なんてそうそう変わるもんじゃない、というのもひとつの真理なんだろうけどさ。でも、生きている以上、実はいっしょじゃないよ、という面も気づいていかないとね。

    「納得せず疑問を持ち続けることが大切」「実際にどう当意即妙に対処するかというのは、その人の知識の量ではなくて、人としての厚みのようなものに表れます」など、響くことばがいくつもあった。

    今の世界の見方というか進み方について、グローバリズムという言い方がある。それに対して、市場は間違えないみたいなノリで、グローバリズムは正しいとか、反対にグローバリズムは悪だなんて見方もあるけどさ。養老氏や名越氏がいうのは、グローバリズム一辺倒で来すぎたものだからフラストレーションがたまるんだ、ときに一般則から離れることも必要。でも、あんまりローカルばっかりだと全体が壊れてしまう、という悪くいえばどっちつかずの言葉を出す。でも大枠で正しいことって、案外どっちつかず、っていうかスパっとわりきれるものではないのかもしれない。だからこその、納得せずに疑問を持ち続けることが大事、になるのだろう。

  • 養老孟司さん、名越康文さんの対談集『他人の壁』

    「他人」をわかりたがる現代人。前提が違うのだからわからないのに、通じるはずだという思い込みがストレスになっている。というところから話が展開。

    なるほどと思いながらも、お二人のような達観した境地に至るのはまだまだ程遠いかなと。

  • 久しぶりの対談本。
    こういう本は単純に1冊で2人の意見が聞けるから面白い。
    あの人はいつも話が通じない。
    自分がなかなか理解されない。
    現代人はわかりたがろうとする。
    議論して通じるはずと思い込んでいる。
    前に読んだ友達幻想に似ているなと思いました。
    なんでも意味で満たすところがありますよね。
    最近家にテレビはないんですが、たまにどっか行った時についてるテレビからのニュースやワイドショーを見ていると感じるところはあります。
    トランプがまたこんなことを言っている。
    じゃあそもそもトランプがなんで大統領に選ばれたんだとか、選ばれたってことは今世の中の人はどういう考え方の人が多くて、何を求めようとしてるのかとか。
    根源に持っておかないといけないのは疑問だと思いました。
    「意味」とか「結果」ではなく「疑問」とか「違和感」を持つこと。
    誰かと会話する時もその人に直接言わないにしてもそういうもんだと片付けるより疑問や違和感を持って考えれば人生という長いスケールで考えれば大きく変わってくるでしょうしね。

  • # 現代の誤解
    人の脳は無意識が大部分で、意識は氷山の一角
    やってみる前に、ダメだという時代
    子供は自然、管理ではなく、手入れをする
    世の中の仕事の8割は、全体像が見えると面白い

    # 同じになる世界
    民主主義は、同じという意識で成り立っている
    お金はものを同じにする道具
    AIは、滅びない世界を一神教で作ろうとしている

  • 対談本。自分のことさえ実はよくわからないのに、他人をわかろうなんておこがましいよな…と考えさせられる。日頃、言語化できないけどモヤモヤする感覚は、いらないと排除してしまわずに持ち続けたほうがよさそう…。なかったことにしなければ、いつか解決されるかもしれない。

  • 命、対話、色々な話題があります。しかし、こういった対話形式の本が多いな

著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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