数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー (数学ガールの秘密ノートシリーズ)
- SBクリエイティブ (2019年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797391398
作品紹介・あらすじ
数学ガールの登場人物が、楽しみつつコンピュータを支える原理について学ぶ数学読み物です。抽象的な解説でなく、具体的な実例を使って解説していますので、中学生から楽しんでいただける内容になっています。プログラミング教育の必要性が叫ばれる現代において、重要な一冊となるでしょう。
●本書の構成
第1章「冒険ビット」では、コンピュータ内部のデータ構造を支える「二進法」について学びます。十進法と二進法の関係、二進法が作り出す0と1のパターン、マイナス二進法などを観察しながら、普段私たちが使っているものとは異なる数の表記法を発見的に楽しみます。
第2章「変幻ピクセル」では、コンピュータグラフィクスの基本である「ピクセル」について学びます。数が生み出すパターンによって画像を構成する原理を、小さなスキャナとプリンタによって具体的に体験します。また、ひとつひとつの手順をコンピュータに実行させるというプログラミングの基礎も実例を通して学びます。
第3章「ラティス・サラダ」では、「束」という代数学について学びます。ビット列が生み出すたくさんのパターンをどのように整理するかを調べていくうちに、代数学の考え方の基本に触れます。
第4章「コンプリメント・コンプレックス」では、コンピュータで用いられる「ビット演算」について学びます。ビット演算と数との関係を考え、計算について自由に発想を広げる経験をします。ルーラー関数を調べながらフラクタル構造を発見する体験も魅力です。
第5章「フリップ・トリップ」では、フリップ・トリップという楽しいゲームで遊びながら、そこに隠れている数学的な構造を理解します。仲間同士で議論しながら、新しい問題に立ち向かうおもしろさを味わいつつ本書を終えます。
どの章も、中学校や高校ではあまり学ばない題材を扱いつつも、決して難しい内容にはならず、登場人物といっしょになって遊びながらコンピュータの原理を学べる内容になっています。
本書を読むことで、決して古びることのないコンピュータの原理を誰でも楽しみつつ学べるでしょう。
感想・レビュー・書評
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真と偽のパターンでここまで考察が深まるとは・・面白い。 記号やプログラム表記に慣れなければ
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2020-07-13 結城浩「数学ガールの秘密ノート ビットとバイナリー」読了
一応プロ(だった)ので、前半はほぼ復習。
ルーラー関数あたりから知らない事がでてきたが、最後にビット演算/論理演算/集合演算の等価性に繋がって納得。
ただ、面白いのはその先じゃないかともおもう。 -
たかがビットされど0と1と言ったところでしょうか。スキャナとプリンタの話に始まって、ビット演算、フリップトリップの話になり、数学のパズルを解いている感覚に近いです。
業務ではここまでは考えないなと思いながら、数学はセンスだと改めて思い知りました。 -
高校生が数学を語り合う小説シリーズ。
今回はビットとバイナリーということで、どちらかというとコンピューター(情報科学)に近そうな話のように思った。
指折りビットについては、個人的には指を上げてるほうが1のイメージだけど、上げてる時は0のほうが一般的なんだろうか。もちろん、上げているほうを1にしてもいいという話にはなったけど。
今回は第2章が珍しく、テトラ視点の話。主人公以外の視点の話は初めてだったかな?
なぜテトラ視点になったかというと、主人公がインフルエンザだからとのこと。同じくミルカさんもインフルエンザらしく、後の方では主人公のミルカさんへの言葉に、「先日だって、僕にうつったんだよね。きっと、あのとき――」といって言葉が途切れたのだけど、何かインフルエンザをうつされるような話なんて、本編か過去の秘密ノートシリーズにあったんだろうか。全く覚えてない。それか、また半径0の円にでもなったのだろうか。
それにしても、その時のミルカさんの「顔が赤いな。またインフルエンザか」という言葉は、『からかい上手の高木さん』を思い出した。
グレイコード、というよりルーラー関数については、再帰で求める感じで、ハノイの塔を思い出すな。と思ったら、そのまんまハノイの塔の解になるようで驚いた。全然違う問題に見えるけど、一つだけ変化するということは同じだから、共通してるといえばしてるのか。ちょっと衝撃だった。 -
高校数学というより、高校の情報寄りになってて、しかしそういうのに集合とか、論理学とか、数列とか、関わってるのが、手で考えながらわかってやはりこのシリーズはよき。次巻も楽しみ。
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指折りビットは大学のときに普通にできてて今もできる。
ので、普段は使わないもののビット演算に関する本書はとくに詰まることもなく一気に小説のように読めた。
いくつか気になる問題があり、あとから少し手を動かして確認しようと思えた。 -
2019年9月10日読了。Cakesにも連載のある「数学ガール」シリーズの1冊、2進法の概念からビット・バイナリにおける表現・プログラミング説明までを網羅し、初心者向けに易しく説明しようとするごっつい本。有識者と初心者の対話、登場人物は女の子、という構成で学問を解説する本は色々あるが確かに効果的だと思う、数学は現実を正しく捉えるためのツールであり先人が「使いやすいもの・正確なものを」と色々工夫して産み出してくれたものだと考えるとありがたみも増すというもの。ただイラストがないのは相当にストイック。まあイラストがあるとイメージも固定されてしまうし、本書の狙いとはずれてしまうものなのかもな…。
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https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/516532