未来のセックス年表 2019-2050年 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797399264

作品紹介・あらすじ

2050年ロボットとのセックスが当たり前に!?

未来の性を語る上でのキーワードはは「テクノロジー」と「人口減少」

セクサロイドは誕生するのか?
VRで本物のセックスが体験できるか?

新しい「性の公共」をつくるNPOという立場から、
障害者・高齢者の性・不倫・性教育・性風俗・売買春・JKビジネス・パパ活など
性にまつわるあらゆる社会課題の現場に足を踏み入れ、問題解決に取り組んできた
著者のこれまでの知見をいかした集大成。
AI研究者による最新の研究事例もふまえて、
日本人の性の未来予想図を描き出す!

感想・レビュー・書評

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  • 「テクノロジーの進歩」「人口減少」という確約された未来を前提に、性にまつわる社会問題に取り組む著者の集大成。

    ‐‐年表‐‐
    2019年‐「パパ活女子大生」がキャンパスに溢れかえる
    2020年‐単身の高齢女性が「ジジ活」を始める
        ・40歳の壁の突破
        ・「閉経女子」が過半数を突破
    2021年‐「アダルトコンテンツ難民」の高齢者が街をさまよう
        ・決済難民に陥る高齢者が続出
        ・ヌードローンの魔の手にかかる融資難民が増加
    2024年‐未成年の「フェイクポルノ」がネットで拡散される
    2025年‐セックスレスの夫婦がマジョリティになる
        ・女性向け風俗店の増加
    2027年‐女性嫌悪VS男性嫌悪の戦争が泥沼化
    2028年‐緊急避妊ピルが薬局で買えるようになる
    2029年‐同意のないセックスが犯罪になる
    2030年‐地方都市からデリヘルが消える
        ・デリヘルが成り立つ人口規模は約8万人
    2031年‐Vtubaerが全国の学校で性教育の授業を行う
        ・バーチャル花魁 由宇霧=顔出しのない生身の人間だからこそ伝えられるリアル
    2032年‐障がい者、高齢者のセックスをテクノロジーが補完する
    2033年‐県庁所在地の沖縄化が進む
    2034年‐VR風俗がキャズムを超える
    2035年‐選択的夫婦別姓が認められる
    2036年‐「無料風俗店」「無料ラブホ」が登場。日々の性行為のデータが吸い上げられる
        ・2017年ノルウェー国営放送局が「普通のセックス」を放送。ポルノを「教科書」にしている現状に対する問題提起
        ・データを制した企業がビジネスを制する時代→無料ラブホ(データ収集が目的)
    2038年‐同性婚が認められる。同性カップルも特別養子縁組が可能に
    2040年‐自動化・無盡かの果てに、セックスの「再魔術化」が起こる
        ・ハンドル操作から解放された私たちが、車内ですることは
        ・サービスの提供場所そのものに
    2043年‐AVがシンギュラリティを突破する
    2045年‐「ロボットデリヘル嬢」が街を闊歩する
    2050年‐不倫という概念が無くなる
        ・自家用車の稼働率は5%=過剰所有
         日本人の平均性行為回数は1~4回/月
        →月の85%以上は「空車」状態=過剰所有
        →シェアリングエコノミーの視点では大きなビジネスチャンス

    • panpurupinさん
      凄く参考になりました。

      ロボットデリヘルができたら
      子供ができてしまうリスクや
      不倫ではなくなるため

      性生活が開放的になりそう。

      承認...
      凄く参考になりました。

      ロボットデリヘルができたら
      子供ができてしまうリスクや
      不倫ではなくなるため

      性生活が開放的になりそう。

      承認欲求vs性欲

      人間はどちらを優先するのか
      気になります。
      2024/03/10
  • 一見セックスについて書いてある本と嫌厭されがちですが、僕はテクノロジーの進歩について書いてある非常に興味深い良著だと思います。
    テクノロジーは線形的ではなく幾何学的に進歩していくなかで、今後20年後の2040年頃にはひと昔までは夢物語(例えていうならドラえもんの不思議道具)が一部実現しているようです。たった20年後、です。
    技術革新についての本を読むたびに、今のうちにチームビルディングを徹底的にやっておく重要性をヒシヒシと感じます。今ある仕事がAIに置き換わられた時に残る仕事は何なのか。「10年後の仕事図鑑」でも書いてあるとおり、「あなただから」と言われるような、自分をブランディングしていく時代はもう来ています。
    この本を読んで、人や本からのインプット以上に、ブログなどをとおして情報発信を継続していくことを決めて実行していきます。

  • さすが坂爪さん。性の未来予測をここまでかというほど勢いよく書いていて、読んでいて気持ちがいい(著者本人もワクワクしながら書いたのが伝わる)。面白いあまり止めることなく一気に読んでしまった。

    どの予測もSF的でありながらも、実例を交えながらいかにして浸透していくかまで圧倒的な説得力で書かれている。特に「性のバリアフリー化」「AVシンギュラリティ」は、キャッチーなフレーズであるだけでなく、しっかりと考え尽くされていて、テクノロジーが性生活をポジティブに変えるいい例だと思う。性というものがより自由に、明るくなっていくことが感じられて、早くその時代来ないかなぁ、といった感想。

    ただ、ちょうど今日(2020年10月)緊急避妊薬が薬局で買える発表がされていて、良い意味で予測が外れている(2028年と予測していた)。これは著者自身も「予測が外れた」とツイートしていた(悔しがりながら嬉しそう)。もしかすると、思っている以上に性の進化は早いのかもしれない。これからに期待。

  • 考えたこともないような観点が多数散りばめられていて、とても興味深かった。性の話をタブーとする人も多いと思うが、人生に密接に関わっている事項であることは事実であり、この本で述べられているように、もっと多様な考えを持ってもよいのではないだろうか。本棚に飾りづらいのは難点だが、ニュートラルな気持ちで真面目な本として読んでみたら面白いと思う。

  • タイトルだけをみるとフィクションものかと思ったが
    読んでみるとそれなりの裏付けがあるように感じた。

  • 日本の未来予測は何はともあれ人口減少、高齢化による社会構造の変化をどう読むか。そこにすでに始まりつつある性の変化の萌芽を組み合わせることで見えてくる未来の性。単なるエロのための技術革新という話ではなく人間関係、家族、アイデンティティという概念をも変える変化。あとがきの「自ら目的を設定できる能力が「知性」であり、目的を実現するための手段を探す能力が「知能」である。」という言葉が重い。

  • 傑作。テクノロジー・貧困・差別など話が多岐にわたり、人類の未来や社会制度設計について哲学的な問いを投げかける一冊。

  • 日本人の性行動がどう変わるか。人口構成の変化(少子高齢化)と無縁ではいられない。

    パパ活、ジジ活はうなづける。

  • 読了。セックスと言う言葉は、46才になるが、ドキリとする。平静なふりをして、レジに持って行くが動揺する。2050年の話があった。30年後は、さすがに関係ないかなと思ったが、自分の年齢が76才と考えるとそう遠くない未来なのかなと思った。読み終えるのに結構なエネルギーが必要だった。

  • <目次>
    第1部 日本人の性 未来予測カレンダー
    第2部 テクノロジーを変えるセックスの未来

    <内容>
    第1部が数年刻みで、セックスを中心に未来予測。第2部が松原仁、藤井直敬との対談からなる。
    基本的に、セクサロイドやVRなどの技術により、男女がまぐわい合うことなくセックスが成立する、などの予測や、日本では遅れている夫婦別姓や同性婚などの法制化が遅ればせながら進むなど、書かれている。まあ、恐ろしいというか、恋愛や生身のセックスはどんどん退化していく様子が書かれ、それでも欲望としての性愛をどうしていくか、考えている人がいるのだなと感じた。

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著者プロフィール

坂爪真吾(さかつめ・しんご)
1981年新潟市生まれ。NPO法人風テラス理事長。東京大学文学部卒。脳性まひ・神経難病等の男性重度身体障害者に対する射精介助、風俗で働く女性のための無料の生活・法律相談窓口「風テラス」の運営など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。著書『性風俗サバイバル』『情報生産者になってみた』(共にちくま新書)、『「許せない」がやめられない』(徳間書店)など多数。Twitter @whitehands_jp

「2022年 『ツイッターで学ぶ 「正義の教室」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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