- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797673739
作品紹介・あらすじ
私は本書執筆で「友」を喪う覚悟を決めた──著者
リベラルで知られる政治学者が書き下ろす警世の書。
いつまでも「オトナ」になれない日本の野党勢力を痛烈に批判する。
〈本書のもくじ〉
プロローグ オトナになれない私たち
第一章 なぜリベラルは「友だち」が増やせないのか
第二章 善悪二分法からは「政治」は生まれない
第三章 なぜ「支持政党なし」ではダメなのか
第四章「議論のための議論」から卒業しよう
第五章 すべての政治は失敗する
第六章「お説教」からは何も生まれない
第七章「ゼニカネ」の話で政治をしたい
第八章 議員には議員の仕事がある、ということ
第九章 なぜ私たちは「協力」しあえないのか
第十章 現実に立ち向かうための「リアリズム」
エピローグ 政治に「未来」はあるのか
〈作者について〉
1962年東京生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了(政治学博士)。専修大学法学部教授。専攻は現代デモクラシー論。
著書に『権利としてのデモクラシー』(勁草書房)、『言葉が足りないとサルになる』、『静かに「政治」の話を続けよう』(共に亜紀書房)、
『ええ、政治ですが、それが何か?』(明石書店)。インターネット・ラジオ「路地裏政治学」他(ラジオデイズ)など各種メディアにて発言・寄稿。
私はこれまで本を書くことで、たくさんの人たちと友人になることができました。
思いを共有できるとは、本当にうれしいことです。「思っていたことを代弁してくれた」と言われれば、物書き冥利に尽きるというものです。
しかし、今回は、ひょっとすると、これまで友人だと思っていた人たちから「さよなら」をされるかもしれません。「よく言ってくれた」ではなく、
「そんな人だと思わなかった」という言葉が返ってくるかもしれません。
でも私はこの本を書きました。見たいものだけを見て安心し、もう決めてしまったことを再確認することを続けていても、これ以上に友人を増やすこともできませんし、それでは世界は変わらないと思ったからです。
友を失い、そしてまた新しき友を得るための「安心しにくい」答えと、それを導くきっかけを、身もだえしながらこれから示そうと思います。(「はしがき」を再編集)
感想・レビュー・書評
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現在の政治状況の貧困の中、言いたいことはわかる。しかし、伝わるか。
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nonoさん
こんにちは。
いいね!有難う御座います。
『タスキメシ』の1作目です。
額賀 澪さんの本は、色々出ていますが私が読んだ...nonoさん
こんにちは。
いいね!有難う御座います。
『タスキメシ』の1作目です。
額賀 澪さんの本は、色々出ていますが私が読んだのは、競歩王とタスキメシの2冊を読んだだけです。
タスキメシは、私はとてもスッキリしたものでは無かったです。
次作のタスキメシ箱根で、スッキリするのかもわかりません?
皆様のレビューを見てみると、私とは少し違うようです。
やま
2019/12/09
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野党からの予算委員会の開催要求を徹底的に拒否し、国会が閉幕間近だった先週末のこと。Twitterでは採決を棄権した山本太郎議員を巡り、激しい意見の応酬。いくつかを辿ってみるだけでも『なぜリベラルは敗け続けるのか』その具体的なケースを目のあたりにして、まるでデジャブのようなふしぎな感覚をおぼえた。
みなさんひとりずつの言いたいことは間違ってない。だけど…それだけでは来月に控えた参議院選挙で勝てる気がしない。
本書にはわれわれ有権者が今度こそ敗けないためのヒントがたくさん詰まってる。
合言葉は「オトナになろう!」野党陣営の候補者本人はもちろんのこと、選挙対策の責任者だとか、支援者、ボランティアをするつもりの皆さんに何か気付きがあると思います。必読の書。 -
【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566607 -
私自身はリベラルの考え方は好きですが、左派のやり方は苦手です。
(「保守」政党も革新政党も支持していません)
岡田さんは比較的まともなほうだと思いました。ただ、こんなに難しく書く必要はなくて、「リベラル」の人たちは、ちょっとでもスタンスの違う人とは一緒に行動できないからと「異分子」を排除して、細分化してきた。ある組織で「排除」をしていくということは、そこにいてもいつか自分が「排除」されるかもしれないという不安が常につきまというということ。「保守」支持でなくても、リベラルを支持しない人たちは、それに気がついているんです。
共産主義もある種性善説に基づいていると思いますが、戦後日本の民主主義も結局、どちらかというと性善説に基づいているから、今の政治腐敗につながっているような気がします。「人間は悪いことをするもんだ」という前提に立たないと、民主主義ってうまくいかないのかな、なんて、ちょっと落ち込んだりもしました。
あらゆる「政治」は、共生のための落としどころをさぐっていく、特に民主主義は非常に面倒なシステムです(そういう意味では、戦後昭和の保守政党は、わりと本当の意味での保守だったような気がします)。白黒ハッキリすることは人間社会ではほぼなくて、だいたいがグレーなのです。そのグレー、「清濁併せのむ」ことができるかどうか。面倒事が嫌だというなら、どうぞ全体主義になってください、ということだと思います。われわれ有権者には、その面倒事を引き受ける覚悟が必要なんだと思いました。 -
利権優先の思考が肌に合わない、教育・福祉・人権の平等を訴えて弱き立場の人々との助け合いを求めるならば、現在の社会を望む境地へどうすれば近づけるのか。政治を理念を貫く手法でなく、泥臭いゼニカネの話で運営しようではないかと説く。飯食うのだからカッコつけないで徒党を組む、"持続可能" は "自然に優しい" 以前に "人間に優しく" なければ持続できない。"そうじゃない" と反論すれば、その優しくない理念は、人の心に届かない故に空論へと陥る。誰も助けようとしてないもん、あなたが忌み嫌う "分断" を煽ってどうするの。リベラル諸氏ここで歯止めをかけられるか。変わるのは社会ではなく、まず私たちからなのだ。
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衆院選がある今年読まれるべきタイムリーな一冊。朝日新聞のオピニオン記事で、かねてからリベラル勢に募っていた思いがほぼそのまま述べられていて、本書も是非読んでみたいということになった。
わずか2年とはいえ時間が空いてしまったことと、現状総裁選の前に書かれたことで文脈が先鋭化してるせいもあってか短いながらも記事の方が伝わったように思う。
本書で述べられているのは結局考えの違いを述べるのは上から目線ではなく相手のことも慮って言葉を選ぶべきだということと、選挙に票を投じないのはそのまま多数派へのメリットを与えるだけだとする、それほど目新しくないオピニオンで終始してしまった。
生地のテイストはそのままなれどそれを薄く引き伸ばして経験的なエピソードを入れ込んだぐらいのもので少々残念。 -
これは身につまされる1冊だったなぁ。
選挙の際にどんな理由であれ投票しないという行動が結果的に与党にとってプラスに働く、そっかぁ。
ある種の高潔さ(ナイーブさ)に魅力を感じてはいるがそこに縛られることで物事が前に進まずに、数の理論で押しきられることが果たして望んでいる未来に繋がるのか、それならば最終的に目指すところは同じでなくてもまずはそれを達成できる土台(仲間)作りをして、力を持った状態でいる事。
いきなり正解だけを連発することはできないだろう。育つのを待つ必要だってあるはず。それでもたぶん組織や権力は硬直し腐敗への道に寄っていきやすいもの。そうなった時に自浄できなければ、またその時点での自分の政治的スタンスを考えながら進めばいい。 -
すっぱりと単純化して書かれているおかげで分かりやすい。政治の世界に必要なのは満点を狙うことではなくて及第点をとることなんだと訴える。その通りなんだけど、日本人は100点でなければ0点と同じとする心性なんだよね。純粋というか気っぷがいいのかもしれないけど、粘り強さとふてぶてしさに欠けるわけだ。外交が下手なのもこのせいだね。もっと大人になれってことか。