エンド・オブ・ライフ

著者 :
  • 集英社インターナショナル
4.25
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本棚登録 : 3207
感想 : 271
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797673814

感想・レビュー・書評

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  • 近々につれあいを亡くした身としては頁をめくる度に心が痛み中々読み進めないでいたが漸く読了。
    かつて本を読んで経験した事が無いぐらいに感動しました。
    このタイミングでこの本に出会えた事もまた何かの縁では無いかなと思います。
    「死んでいく人は、自分だけでなくみんなにとって一番いい日を選びます」
    つれあいもまたこの日しか無いと言う日を選んでくれました。
    散る桜残る桜も散る桜。
    先人から教わった様に自分もまた自分らしい命の閉じ方を出来れば良いなと。
    この先まだ転々とするかもしれませんがこの本は手放さないでおこうと思います。

  • QOL(クオリティーオブライフ)の重要性は自分や配偶者が少しづつ死に近づいていると思うごとに、重要性を増し続けています。
    人はいつか亡くなるし、体が動かなくなることもあります。その時に文字通りの生命体としての機能維持のみに力を費やすか、自分との重要なつながりとの思い出を大事にするか考えることはとても重要です。
    本書では、命を縮めることは分かっていても、家族との思い出作りを優先する人々が出てきます。病院に縛り付けられず自宅で死を迎えることを選択する人。
    自分に余命が告げられた時、どういう選択をするんでしょう。出来れば家族と楽しい想いでを作って、悔いなく最後を迎えたいものです。

  • 病気で少しづつ死に近づくのは痛みもあり、不安もあり、この作品のように在宅介護は家族の負担にもなるので本人は申し訳なかったりするのだろうが、死にゆく準備をできることは幸せなのかもしれないとも思う。この方の父上の献身する愛と強さにも頭が下がる。自分はそんな愛を受ける価値のある人物だろうか…。何度も読み返したいノンフィクション作品。

  • 本書のあとは村上春樹の猫を棄てるを読んだので、どちらも、亡くなる人がいて、確かなつながりを感じる人が、納得した形で残されていく点が似ていると思いました。

  • ノンフィクションはあまり読まない。描かれている人々のすごさに圧倒されるから。
    この本もおなじ。余命をしっても、この生き方。到底まねできるものではない。
    まだまだ自分こととは思えないが、少しずつ、また時々、自分や家族の死について思いをはせていくことにしよう。

  • 読めて良かった。
    佐々涼子さんは今はご自身が脳腫瘍で闘病されてるってNHKで見て、そんで読んでみようと思った。ノンフィクションって今まで読んだことなかったけど、読みやすくてノンフィクションなのにドラマを感じるというかスルスル読める。もちろん涙が自然と出る場面もあるけれど。

  • 読みながら参考になる箇所にふせんを貼っていたら30程にもなってしまいました。いつか自分が死に至る病になった時に参考にしたいと思います。

    在宅医療での“命の閉じ方”を、著者の笹さんが7年の歳月取材してまとめたものです。

    プロローグは、訪問看護師の森山文則さん(40代)の身体の異変に気付くところから始まります。彼は京都の西賀茂診療所で在宅医療に携わっていて、真夜中でも早朝でも電話したらいつでも患者さんのお宅にすぐに来てくれる頼もしい看護師でした。しかしCT診断の結果、すい臓がんステージⅣであることがわかります。

    この 森山さんのことを主軸に、数人の方々の在宅医療での看取りまでを追いかけていきます。

    時に、思わず嗚咽してしまうほど感動的な死に方の患者さんがいらっしゃったり、激しい痛みを伴いながら苦悶の死に様を迎える患者さんがいらっしゃったり、怯えてページを捲る手が止まってしまうこともありましたが、いつか自分にも、大切な人にもやってくる「死に際」を予行演習 させてくれるような内容に、しっかり胸に刻みつけておきたいと心してページを進めました。

    死期が迫った人の在宅医療という重い内容であるにもかかわらず、スルスルと胸に染み入るような筆致がいいです。

    特に、著者である笹さんのお母様を、献身的に介護したお父様の究極の介護の描写は、神々しいとすら感じました。

    読み終わって強く思ったのは、在宅であれ、病院であれ、病状が悪化して最後を迎える時、激しい痛みに苦しみながら死を迎えるのは辛い、ということです。

    「医師は助からないとわかると興味を失う」ので「苦痛を取り除くことに関心がない」という言葉が心に突き刺さります。

    緩和ケアの専門医、蓮池史画先生の痛みを抑える末期医療、京都の西賀茂診療所のように患者の側に寄り添う訪問医療、これらは朗報として心に深く残りました。

    ※2020年 Yahoo!ニュース/本屋さん大賞 ノンフィクション大賞 受賞

  • 在宅での終末医療に取材したこの本を読んで、生きることは死に向かうことだし、死を考えることは生を考えることだと、つくづく思った。「生きてきたように死ぬ」という言葉に、まずは今、今楽しく生きよう、やりたいことをやろう、意味のない我慢はやめよう、感謝は言葉にしよう、なんてことを思う。
    病を受け入れられず病にがんじがらめになる人もいる(身近にもいた)。介護に苦しむ人もいる(「ロストケア」を思い出した)。でも、死期が迫ってなお、病人としてではなく、個人として生を全うしようとする人、それを支える人を知ることができて、よかった。
    肉体が死を迎えたあとも、誰かの記憶のなかで生きていられるように、生きよう。

  • こんなにサクサク読めるとは思わなかった。
    死よりもどうやって生き終えるのか、言葉にするのは難しい。自分だったら?病院?家?多分その時にならないとわからないのだろう。

  • 2023.3.31読了
    4.5
    切なくて、泣けて、読み進めるのがしんどかった。
    著者が今現在、脳腫瘍で闘病されているという事を記事で読みました。
    ご自身のご病気と、どう向き合っておられるのか残酷かもしれないけれど、教えて欲しいです。
    やはり緩和ケアを最大限受けても、苦しむのだなぁ、と改めて考えさせられたし、大切に生きていきたいと思いました。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。著書に『エンジェルフライト』『紙つなげ!』など。

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