筋肉女子 なぜ私たちは筋トレに魅せられるのか

著者 :
  • 秀和システム
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798059259

作品紹介・あらすじ

近頃、筋肉を鍛える女子が世間を賑わせている。シックスパックと呼ばれる腹筋が割れているお腹、引き締まった二の腕や太もも。従来の女らしいカラダとは異なる「ナイスバディ」が、女性たちを魅了してやまない。もはや、現代の最強のアクセサリーはジュエリーでもバッグでもなく、美しい筋肉なのだ。なぜ、筋肉は女子たちを魅了してやまない最強のアイテムになったのか。そもそも、いつから、女子の間でカラダを鍛えることが流行しはじめたのか。

本書は、女子学(ファッション文化論、化粧文化論)を専門とする著者が、昨今の女性の筋トレブームを、女子の美意識の変遷から捉えなおす異色の社会文化評論である。増殖する筋肉女子への考察を深めていくと、そこに見えてきたのは、単なる一過性の流行ではなく、女性の身体感の劇的な変化、おそらくコルセットからの解放以来の身体感の大転換期である。女性たちが、男性に支えられる身体を捨て、自らの力で立ち、どんな困難も乗り越えられる身体を手に入れはじめたのだ。

やればやるだけ、結果がついてくる筋トレには、自分の意志で自分の身体をコントロールし、私の体は私のものだと実感できる喜びがある。努力がきちんと報われる快感がある。それは、現実のなかで努力が必ずしも報われるわけではないことの裏返しでもある。社会では、頑張っても努力が報われないこともある。信じていても裏切られることもある。だけど、「筋肉は裏切らない」。社会は裏切る、男も裏切る、だけど、筋肉だけは裏切らない。女性たちが筋トレに飛びつくのにはわけがある。

筋肉女子は、ただ単にカラダを鍛えるだけではない。ただ単にカラダが変わるだけじゃない。筋肉女子は、一つの「生き方」なのだ。食生活を変え、意識を変え、そして人生が変わる。ライフスタイルが変わってこその筋肉女子だ。自分の人生をこの筋肉でつかみとる。「運」を「動」かしてこその「運動」なのだ――

クロスフィットトレーナーAYAとの特別対談「筋肉女子の原理原則」を収載!

感想・レビュー・書評

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  • この先の時代の女性はますます自分萌えに移って行くと確信した。
    豪奢を極めたCanCamエビちゃんOL旋風を経て、マテリアルがそろったから、次は自分のボディだ、という動きは当然だと思った。どんなに可愛いお洋服も、カッコイイ肉体やスタイルがなくては生きてこないし、持続して自分萌えできないから。
    自分萌え。これは男性にはない、ジェンダーレスと言われて久しい今の気風に残った唯一の女性性かもしれない。男性は、むしろ推し萌えが強いでしょうから。
    しかし、近々男性にだって、自分萌えが当たり前の日がやって来ると、私はここに予言しておく。

  • 米澤泉 著「筋肉女子」、2019.10発行。筋肉女子・腹筋女子、爆発的に増えてるとか。インスタグラムなどでも、確かに多いですね。ボディビルの様になると、ちょっと引けますが、ほどほどの筋肉女子は健康的できれいだと思います。著者は、この本で「筋肉女子は一つの生き方(ライフスタイル)」だと。栄養~トレーニング~スポーツ、確かにやらないと気持ち悪くなるぐらいに習慣化してるんだと思います。また、筋肉は裏切らないし、可視化されやすいし、努力が報われる快感がなんとも言えないでしょうね(^-^)

  • 筋肉女子はなぜ筋肉に魅せられたのか、そのような女子が増えたのはなぜなのか、女性学の観点からその背景を分析し解説。
    筋肉女子は、ビジネススキルの一つである男性の筋トレとは異なる健康志向・ジェンダーレス志向の一つの到達点とし、おもに2000年代の女性のライフスタイルや美意識の変化を背景として挙げている。
    説得力がありとても面白く、あっという間に読んだ。

  • 文字通り、日本の女子がどのような過程を経て筋肉美を追求するようになったかを書いた一冊。

    筋トレの方法などではなく、文化人類学的に勉強になった。

  • 確かにブランドバッグや宝石で飾られるより、健康的で意志を感じるボディのほうが魅力的です。著者の名前より帯のAYAのほうが大きくて著者も複雑な気持ちだろうなあ。

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著者プロフィール

甲南女子大学教授。専門はファッション文化論、女子学。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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