よくここまで恋愛感情の機微を持続させて描けるなあ、恋愛のSDGsだなあ、と感心しながら読んだ。面白い

2024年2月26日

読書状況 読み終わった [2024年2月26日]

①②巻読了。凄く良い。ヒロインのまっすぐなキャラクターも、箱入り娘ゆえの不器用さも、すべて萌えとかきゅんと切なくなる要素として際立っていて、本当に、良い。
絵も綺麗だ。

2023年12月30日

読書状況 読み終わった [2023年12月30日]

正直、『アオハライド』『思い、思われ、ふり、ふられ』と続いてラストの締めが上手くなかったという印象だったから今作も納得できないんだろうなと思ったら、綺麗に収まっていて見直した。
相変わらず自己啓発本的なテキトーな哲学というか、そういうのはありつつも少女漫画としては、非常に面白かった

2023年12月26日

読書状況 読み終わった [2023年12月26日]

聖性とは、むしろ卑近なところにこそ存在していて、決して遠いものでもないと思えてくる……言葉より行動で沈黙の神の言葉を示すこと。行為や行動こそ、祈りと等価の雄弁さを持つということ。
満たされているところに神は入ってくれない。私は先日、ホームレスの方々に声をかけながら炊き出しの食事を配るボランティア活動をしたが、なんと清らかな体験だったろうなと思い返す。たしかに、満たされてない貧しい方々は、そう、聖性に最も近しい方達である。

2023年12月11日

読書状況 読み終わった [2023年12月11日]
タグ

自分と相手との間=距離を愛することがその相手を愛することなんだというきらめき。それが詰まっている話。いいな、本当に勉強になるわ笑。

2023年9月29日

読書状況 読み終わった [2023年9月29日]

私は『ベルセルク』という物語を、他人から見れば嘘や偽物、はては思い込みと言われるような出来事を、しかし自分にとっては人生で起こり得た事実であるという、ベルセルクに出てくる言葉を借りて言えばそういう"幽界"の出来事を炙り出す、生きにくさを感じているアダルトチャイルドのためのファンタジーだと個人的には思っている。
今回は原作者不在なんだと思わずにいられなかった中で、なかなか面白く読むことが出来た。
欲しいものは必ず手に入れる……グリフィス。1太刀でもあいつに……ガッツ。ここからまた安寧を喪った2人の因縁対決が始まろうとしている。楽しみ。

2023年9月29日

読書状況 読み終わった [2023年9月29日]

やや凡庸。しかし、性善説を貫く姿勢は真摯でとても聖(きよ)らかだ。
最後に収録されている『茨の蔭に』は、漱石『こころ』の続編とも、アンチテーゼともいえる作品だと思った。

2023年9月16日

読書状況 読み終わった [2023年9月16日]

咲坂伊緒は男子のモノローグの見せ方も上手いんだよな……

2023年8月24日

読書状況 読み終わった [2023年8月24日]

言葉の瓦礫、というワードが浮かび上がってきた。読めば読むほど、ひとつの事実が生じるともうひとつの逆の事象が取りこぼされるということへの飽くなき嫉妬、とでもいおうか。欲張りでありながら、ミニマムにそのふたつを現したくて、掌握したくて、「また終わるために」始める。
ベケットのこのテクストは、終わってしまうことへの予感でもなく、描写でもなく、奔流なのだろう。で、その奔流のまま建設しようとしているのではない、ベケットにとって、始まりは、常に既に「終わり」なのであるから。テクストは、定点をひとつ定めたら(前述の通り)ひとつ取りこぼすことへの、いわば世の理への嫉妬か?と疑ってしまうほど横溢している。言葉の瓦礫。この本は、まさにベケットの言葉の瓦礫であり、そこから「また終わるために」また、始まる。

2023年8月13日

読書状況 読み終わった [2023年8月13日]

①~⑤読了。久しぶりに正統派の少女漫画を読んだな、という気分。ベーシックだが、さり気なく嫌味なくときめきが散りばめられている。こんなに上質な少女漫画はもう絶滅したかなと思っていたんだけど。
タイトルに「日記」、というワードを入れるくらいには日常のときめきとさり気なさや何気なさが輝いている

2023年7月2日

読書状況 読み終わった [2023年7月2日]

これこれ!これだよ!こういうの!……という少女漫画のいい所が全詰めされているのに、どうしてこう時代に逆行せず描けていけるのかとまるで神を見た気持ちになった。咲坂伊緒という少女漫画家の奇跡。素晴らしく良い。

2023年1月5日

読書状況 読み終わった [2023年1月5日]

三浦先生が亡くなられたことが本当に悔やまれる……。惜しいところで惜しい方を亡くした……。胸を焦がすような展開、血湧き肉躍る画力……この先を知りたい、この続きが永遠にあるといいのに、でも気になる、というエンターテインメントに今のところベルセルク以上のものはない。圧倒的だ。

2023年1月3日

読書状況 読み終わった [2023年1月3日]

「悪役令嬢」「婚約破棄」「溺愛」「鬼畜orヤンデレ」というのが最近の少女漫画のテーゼみたいになってんね。これもそうなんだけど、絵が綺麗だよ。あと、凄味/凄む、というコマンドーでキャラをたたせるのがうまいね。ちょっとその一辺倒な気もしたけど。まあ面白かったです。

2023年1月3日

読書状況 読み終わった [2023年1月3日]

毛のネタはいつまで引っ張られるんだ?笑

2022年12月16日

読書状況 読み終わった [2022年12月16日]

③④読了。厚かましくなくて、控えめな性格の女の子で、ちょっと薄幸な感じならモテるんかな、とか考えた笑。

2022年11月23日

読書状況 読み終わった [2022年11月23日]

(身体的·知的)障害者の性について実態を知るための良書。感動ポルノのような手つきや筆致は全くないので読みやすい。
たしかに、障害者の性生活や性問題について考えた事がなかった、なので、ある意味そういった事実を取り扱う商売や団体の存在に私はとても安堵したのだった。そして、「対等に」「なんてことないように」「普通に」暮らしの一部、生活費獲得の為の当然の手段としてそれらに携わる人々が眩しくて仕方ない。優しさとは、相手を普通に、特別でなく取り扱うことこそ基本的な然るべき態度なのである……言うは易いが、それを軽業師のように成し遂げる人々がコレクションのように登場する。

2022年11月17日

読書状況 読み終わった [2022年11月17日]

「悪役令嬢」「婚約解消」「溺愛」「契約(偽装)結婚」モノは、最近の少女漫画の潮流になりつつある。
この作品もそのうちの一つだが、とくに目立って悪い所も無いものの、珍しいほど良い所もない。素朴なヒロインにほっとする、ヒロインの相手役の男性。これも王道だ。
要するに、王道なのである。

2022年11月15日

読書状況 読み終わった [2022年11月15日]

藤本タツキの漫画に賛否両論があるのは、きちんと哲学がある証拠だと思ってる。
美化されがちな別れにとりつかれるくらいなら、そんなさよならは爆発させてしまえ!今回はそんなメッセージがあった。
さよならには、相手や思い出を浄化する作用があって、人は時にその美化から動けなくなることがある。
そんなさよならすら人生には存在する。
ラストは主人公の人生に対する、何としても前を向いて歩くという覚悟だと思った。
私は別に、さよならできないなら、それでもいいと思ったのだけど。忘れるから、出会える。それも、いい。

2022年7月21日

読書状況 読み終わった [2022年7月21日]

#ただしイケメンに限る っていうタグがつくよ、この漫画は、たぶん

2022年7月10日

読書状況 読み終わった [2022年7月10日]

愛という言葉そのものには、なんにでも接続可能な広域の意味があり、いわば意味のたこ足配線が可能なのであるから、こういう本があって、なるほどと合点する人が出ても全然不思議じゃない。私はもう読まない。
私たちは、愛を知らない。

2022年5月25日

読書状況 読み終わった [2022年5月25日]

最後のフレーズ「おやすみなさい」は、徹頭徹尾正しい一文だと思った。
帆奈美は、運命の波をさ迷って自分の幸福を見つけられないであろう人ーー元夫·隆一ーーに、さよならではなく、おやすみなさい、と言いたいのだ。電波/音波に乗せて、その過去の魂を鎮魂したい思いなのだろう。
作者は、躍起になっていると思う、「優等生な自分自身」の殻を破ろう、と。ただ、私は思う、無理はしなくとも、向こうからその瞬間はやってくる。しかし、帆奈美には待たせることなどさせなかった。つまり、帆奈美の運命/人生こそが、タイトルの言うところの「燃える波」なのだろう。帆奈美には待てないほどの抜き差しならぬ情熱があり、それが己から殻を破る瞬間となる。
波、とは、運命/人生/心のそれのことだ、月並みな言い方だが。それが身を焼く情熱で燃えるように照らされていて、「燃える波」となったのだ。
秀でた一文というものはなかった気がするものの、全体的に調和の取れた「普通」の文章が読みやすかった。

2022年5月22日

読書状況 読み終わった [2022年5月22日]

憧れは理解から最も遠い感情であることを起点にして、そこから二人が協力をしあうものの最後まで"わかりあう"ということはなく、別の道に続くお互いだからこそ繋がったと感じる展開になっている、と思った。
私は最近のジャンプ系漫画は、『友情、努力、勝利』の3大原則にのっとるがゆえにバトル系ばかりだなと食傷気味だったのだけど、本当に、次も読みたいと思わせる漫画家に久々に出会えたな、という感動をおぼえた。藤本タツキ。覚えた。
逆に言えば、理解は憧れから最も遠い感情かもしれない。それでも歩いてく。自分の漫画を信じてくれた級友との出会いで、はからずも救われたヒロインは。

2022年3月17日

読書状況 読み終わった [2022年3月17日]

ドラえもんのリアリズムバージョンという感じ。機能不全家庭の子供について考える機会を与えてくれるなら、こういう漫画もありだ。
子供は親や家庭を選べないし、人生の絶望という言葉さえ甘い酸鼻や理不尽に陥っても自分だけでは何も判断できない……状況を受け入れることだけが子供の能力だからだ。そこに助言者や協力者(=タコピー)が現れてほかの未来を選んでみても、行き着く先は暗い。産まれてくる人間は、どの動物よりも弱く、脆い。それがこんなに罪なのか?タコピー、なんとかしてよ。どんなに楽天的に考えても人生の暗い部分しか未来に待ち受けてないの。毎日が痛くて辛くて後がないの。
原罪とは、なんだろう。子供は小さな大人、大人は大きな子供、と言ってる人がいたけど、私は全然もっと相容れないものだと思う。その違いだけで、こんなに罪なんだろうか……そんな叫びに満ちた作品だ。
ただ、もともと人間や愛や世界は脆いものだ。そこに立ち返ってくるときに原罪の救済が待っているかもしれない、そう信じたい気もした。描かれてる絵が信じられないくらい物語をライトタッチに仕上げている、深刻であることは確かなのに。ところで、しずかちゃん、という主人公の名前はドラえもんからのオマージュなのだろうか?
様々な疑問の起こる、劇薬的な漫画。

2022年3月6日

読書状況 読み終わった [2022年3月6日]

「でもね、僕にはまだわからないんだ。僕は途方にくれている。母は僕のことを愛していたんだと君は言う。とても深く愛していたんだって。君の言うことを信じたいと思う。でもね、もしほんとうにそうだとしても、どうしてもわからないんだ。なぜ誰かを深く愛するということが、その誰かを深く傷つけるというのと同じじゃなくちゃならないのかということがさ。つまりさ、もしそうだとしたら、誰かを深く愛するということにいったいどんな意味があるんだ?いったいどうしてそんなことが起こらなくちゃならないんだ?」
村上春樹の小説には、嘘がない。メタファーや色んな喩えが含まれちりばめられていても、それは本当のことを私たちがシンプルに察するための親切さになっている。村上春樹の大衆性は、まさにその親切さにあり、面白みというものは文章のテンポの良さや言葉の音感やリズムにあるといえる。
「じゃあ、佐伯さんはそこに戻った僕にいったいなにを求めているんですか?」(略)
「あなたに私のことを覚えていてほしいの。あなたさえ私のことを覚えていてくれれば、ほかのすべての人に忘れられたってかまわない」
なんて残酷なんだろう、なんて嘘がないんだろう、なんて美しいのだろう!以前私はこのブクログのレビューで述べたが、本当に人が他者を愛しうるのは、その人を喪ってからである。村上春樹は、まず『ノルウェイの森』で直子から深い森の中で一緒に歩いている時に「私を忘れないで」と言われたことを「彼女は僕を本当には愛してくれなかった」と言っていた。つまり、それは村上春樹自身も言うように"純粋な恋愛小説"として、これから生きていかなくてはならない人間にとって、愛の反証として記憶が作用していることを浮き彫りにした。今回の佐伯さんとは、そこが違う。カフカくんはもともと忘れられない人として母親の記憶をもっていたが、忘れよう、棄てようとしていたのだ。そうでないと、とても生きていけない、愛の証明として命を燃やせないと思ったから。ところが、佐伯さんは、忘れなくていい、痛みは固有のものだから、そこからいとしい人が立ち上がりいつも一緒にいてくれるということをメッセージにしていた。そして、タフに生きる15歳になり、真新しい世界の一部としてかけがえのない命を得たのである。見事だ、としかいいようがない。そう、痛みは固有のものだから、離れ難い他者との唯一の愛の豊かさとなりうるし、また、繋がりの証左たりうるのだ。

2022年2月23日

読書状況 読み終わった [2022年2月23日]
ツイートする