- Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798110615
作品紹介・あらすじ
本書はソフトウェアエンジニアリングが花開いた80年代を中心とした重要な論文をTom DeMarcoとTimothy Listerが選別した論文集である。原書に収録されていた31編の論文から、さらに現在、情報工学の分野に身をおく方々に、歴史として重要な論文、またそこから知識を広げていける論文を、監訳者が12編に絞りこんだセレクト論文である。
感想・レビュー・書評
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Tom Demarco (Author), Timothy Lister (Editor)が選別した論文集"Software State of the Art: Selected Papers"に採択された31編の論文から、12編がさらにセレクトされた論文集です。
特に、Weingerg, Boehm, Millsがおもしろかったです(すばらしいという意味では12編全てすばらしいものでした)。
ソフトウェアエンジニアリングの歴史は短いもののやはり先人の積み重ねがあって、現在があるわけなので、どんなことが研究済みで結果はどうだったのかについて知ることが重要だとよく分かりました(アジャイルがどんなところから生まれてきたのかといったことが分かります)。
残りの19編の中には、田島・松原による「日本のソフトウェア産業」、「日本のソフトウェア産業の内幕」や、板倉・高柳の「プログラム規模見積もりのモデルとその評価」という当時の日本人の論文が採択されているようです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デマルコ、レスター両巨匠選出のソフトウエア論文集。ワインバーグや、ナッシュ、リッチーなどのソフトウエアの巨人たちの論文が掲載されており、読み応えあり。ただし、私の見地からは、何の役にも立たない論文も多々あり。だめな物は読み飛ばしましょう。
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今から30年以上前の論文を集めたものですが、いずれの論文の最後に記してある「論文の今日的意義」のとおり、今でも読むに値する論文だと思います。
印象に残ったものとしては「合理的な設計プロセス:それを真似る方法と理由」で成果物とそれを生み出すプロセスを合理的に設計することが大事だということは同感しました。
また、Boelm博士の生産性改善の取り組みや、Knuth 氏の TeX への取り組みに見せる個人的なエネルギーには驚嘆しました。
それから、これが一番得たものかもしれませんが、書籍ばかりではなく論文を読みたいという気になりました。情報処理学会で公開されているものから、時間を作って読み、いずれは書く側に回れればと思います。 -
結構読みごたえがある.
古典的(と言っても10~20年前だが)なよく引用されるものがまとめられている.
他にも是非選定して欲しいと思うものもあるが,数が限定されているので仕方がないのかも.
ちょっと和訳が微妙で気になるところが無いではないが・・・ -
論文だけあって表現が難しい。理解できない箇所多い。
複雑性
規模拡大に伴って複雑性が非線形的に増加する。その複雑性のため、チームメンバー間の意思疎通が困難になり、その結果、製品欠陥やコスト超過、スケジュール遅延がもたらされる。
複雑性のためプログラムの状態を理解することはもちろんその状態を記述することも困難。
構造の複雑性
→副作用なしに拡張できない。可視化されない。セキュリティ上の弱点の温床となる。
全体理解を難しくし、概念の統一性を妨げ、未処理事項の検出や管理を難しくしている。
引継ぎや理解には多大な労力が必要。