スタンフォード21世紀を創る大学

  • 東信堂
3.25
  • (1)
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798901015

作品紹介・あらすじ

スタンフォードはいかにして世界有数の研究大学に成長したのか?同大学院出身の著者が、アメリカ高等教育史を背景に、学長、教授、日本人留学生等、多くのインタビューを交え、豊富な最新資料を駆使して描き尽くす、大学の21世紀ビジョン。ガヴァナンス、ファイナンス、変革力、「成功の文化」から、研究・教育の学際化、グローバル化、学産連携まで、日本に示唆するものは極めて大きい。最強の留学ガイドでもある。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • スタンフォード大学がどのような経緯で今に至っているか、どんな戦略をとっているか、どんな構造になっているかを学びたくて読んだ一冊。

    アメリカの大学システムを理解する上で好著。

  • スタンフォードのことが書いてあるのですけれども。

    その中で、日本人留学生が減っている、日本に関する研究も減っている、日本人の寄付が少ないとか、そういうこともとても気になりますけれども。

    でも、日本の学校教育は、どんなものを目指して、どんな人を育てたいのか考えながら、変化できるかどうかということを考えさせられます。

    今、このベイエリアにいて、そのエネルギーを目の当たりにしているからこそ、そう感じます。

  • スタンフォード大学のガバナンス、各部の特徴、教育方針、歴史、特徴を記載したもの。日本の大学との違いが理解でき、参考になる。

    ・スタンフォード大学のスポンサー研究費の出所は、政府(省庁)が77%を占める。スポンサー研究費は、大学の運営費の3割を支えている。

    ・日本からの寄付は少ない。日本では、寄付に対する税金面での利点が弱いこともあり、私的財団、企業も、個人も寄付しない。そもそも寄付の文化がない。
    アメリカには、「noblesse oblige」といって高い身分には義務が伴う、成功者は成功を社会に返還すべき、の考えがある。

    ・ビジネススクールで常に強調されることは、「人生、組織、そして世界を変えよ」「付加価値を作り出せ」「チャレンジせよ」

    ・アメリカの大学であ、膨大な量の論文を読む。広く浅くでもなく、狭く深くでもなく、むしろ広く深く。研究も、既存の理論のなかで緻密な分析をするだけでなく、既存の枠組みに果敢に挑戦し、新しい理論構築を試みようとする斬新な研究を価値づける教育、学会文化がある。
    テーマやトピックのみを重視するのではなく、あくまでもオーソドックスな歴史学の方法論が重視された上で、新しい理論構築が目指されている。p167

    ・アメリカの留学生は、大学院の理工系に集中している。博士号取得者の留学生の割合は30%。海外研究者&ポスドクは、2008年時点で総数11.3万人にのぼる。

    ・スタンフォードは、設立当初から、「実用的で有益な教育」を目指し、大学周辺に産業が発展することを奨励していた。例えば、19251年にビジネススクールを開設して意向、ヒューレットとパッカードへ支援し、彼らがHPを設立し成功した暁には、大学に工学部センターを設立するなど、大学の発展に多大な貢献をした。

    ・創設者の想いが今でも受け継がれている。
    創設者であるスタンフォード夫妻は、ちょうどカレッジに行く年齢だった16歳の息子を腸チフスで亡くしたことから、カリフォルニアにカレッジを作ろうと決意。(第一期生に日本人555名中5名。)
    大学は、共学、非宗教、大学院併設、授業料なし,と当時では画期的。
    スタンフォード自身、カリフォルニアで成功したビジネスマン(鉱山経営等)であり、政治家(州知事の時にアメリカ横断鉄道建設)。西部の産業発展を願い、リベラルアーツ中心のでんとうの強い東部の名門大学と、MITのような実用的教育重視の大学の両者を備えた大学を構想。

  • スタンフォード大学のダイバーシティとダイナミズムが行間に踊る。とりわけ「学士課程教育」「グローバル化」「産学連携」がスタンフォードらしさを感じさせる。

    You will enjoy the diversity and the dynamism of Stanford University!

  • 【配置場所】工大選書フェア【請求記号】377.28||H【資料ID】91123604

  • スタンフォードとシリコンバレーの成立について興味があって読んだ1冊。

    スタンフォードの強さとは何か、
    どうやって作られてきたのか、
    概要を知ることはできる。

    学長の大学経営手腕と、資産家による援助が結局のところ大きい。
    優秀な教授を引きぬいてくるところからすべては始まり、広大な土地を購入し、設備を整え、産業界へ人材を輩出した後も、寄付や技術開発などで協力してもらえるネットワークを築いていく。

    大学の収入や学部の説明など、全体的に広く浅く書かれているのが少し残念だけれど、スタンフォードの役割や立ち位置が感じられる本になっている。

    優れた才能は、優れた才能を引き寄せるのであり、
    根本的には、優秀な教授を呼ぶことからすべては始まるということか。

全7件中 1 - 7件を表示

ホーン川嶋瑤子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×