- Amazon.co.jp ・本 (88ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798917573
感想・レビュー・書評
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本著者は、私が高等教育研究、大学の教養教育の世界に足を踏み入れる、きっかけをくださった研究者のお一人である。高等教育研究第一世代の中でも、特にアメリカでの生活やICUでの経験を土台に、リベラルアーツや教養教育の理念を研究されている。本書73頁に記載された書籍は、目を通していた。この世代の中でも、大学教育学会に軸足を置かれており、高等教育学会ではあまり発表を伺えないので、逆に関心を持させていただきながら、論稿を読み勉強していた。
著者がリベラルアーツや教養教育について、理念的に語るときは、基本的に常に原点を踏まえながら高みを目指す、ある種の理想のリベラルアーツや教養教育論を示して先導する仕事をされているように思える。
しかし、日本ではそうした理念を完璧に具現化した理想のリベラルアーツ教育を実施できる大学は、そう多くはないのではないか、というのが個人的な感想であり、今の研究のモチベーションである。この現状把握の航行には時間がかかっている。ふとした拍子に後方を振り返ったとき、現在の位置を相対化してくれる、北極星や海図のような論稿群には同著者のものが多い。大学職員論の嚆矢者は、私が高等教育研究、大学の教養教育の世界に足を踏み入れる、きっかけをくださった研究者のお一人である。高等教育研究第一世代の中でも、特にアメリカでの生活やICUでの経験を土台に、リベラルアーツや教養教育の理念を研究されている。本書73頁に記載された書籍は、目を通していた。この世代の中でも、大学教育学会に軸足を置かれており、高等教育学会ではあまり発表を伺えないので、逆に関心を持させていただきながら、論稿を読み勉強していた。
著者がリベラルアーツや教養教育について、理念的に語るときは、基本的に常に原点を踏まえながら高みを目指す、ある種の理想のリベラルアーツや教養教育論を示して先導する仕事をされているように思える。
しかし、日本ではそうした理念を完璧に具現化した理想のリベラルアーツ教育を実施できる大学は、そう多くはないのではないか、というのが個人的な感想であり、今の研究のモチベーションである。この現状把握の航行には時間がかかっている。ふとした拍子に後方を振り返ったとき、現在の位置を相対化してくれる、北極星や海図のような論稿群には同著者のものが多い。
本書Ⅲ章と付録にあるように、大学職員論の嚆矢となった議論もされており、最初から大学職員が大学院で研究することを応援されていたことに、今、勇気づけられる読者も多いだろう。