- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799109526
作品紹介・あらすじ
これから創業する人から、年商数百万円の個人事業主、年商数千万〜数億円の会社経営者、年商数十億円の会社経営者まで、すべての経営者のために書いた銀行融資の教科書。本書を読めば、銀行融資の知識を体系立てて身につけられ、資金調達をする際、銀行員が言っていること、考えていることを理解できるようになる。そして、銀行からお金を借りられる可能性が格段に高まる。著者は銀行員7年半、資金調達アドバイザーとして16年間の実績がある。お金を貸す側、借りる側、双方の経験に基づき、「お金に困らない」資金調達法を完全伝授する。
感想・レビュー・書評
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『銀行からの融資 完全マニュアル』は、中小企業経営者が直面する銀行融資の難題に対処するための実践的ガイドです。この本は、特に財務の基礎知識がない、または過去に赤字を出してしまった経営者に向けて書かれており、銀行から信頼を得て融資を受けるための「やるべきこと」と「今すぐできること」を明確に指南します。多くの経営者が融資申請の過程で直面する一般的な誤解や間違いを指摘し、それらをどのように克服すればよいかを具体的な例を交えて説明しています。
著者は、資料の準備から決算書の読み方、そして銀行との有意義な関係の築き方まで、融資を成功に導くための重要なステップを網羅しています。本書は、銀行からの融資を「雨の日に傘を借りる」ような困難なタスクではなく、予め準備と適切な管理で成功させることが可能なプロセスとして提示しています。また、経営者が自社の財務状態を正確に理解し、改善策を講じるための方法も提供しており、ただ融資を受けるためのテクニックだけでなく、長期的な企業経営の視点も兼ね備えています。
結局、『銀行からの融資 完全マニュアル』は、中小企業経営者が金融機関との良好な関係を築き、事業の発展と維持を図るために必要な知識とスキルを身につけるための貴重な資源です。このガイドを手に取ることで、読者は自信を持って銀行融資の申請に挑み、経営の安定と成長を実現するための重要な一歩を踏み出すことができるでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
銀行との付き合いをこれから始める方、手探りで付き合ってきた方向け。
銀行の組織設計や、必要書類のテンプレなど中小企業目線含めて広く記載されている。
冗長な文と、長いQA想定問答集が気になった。
以下、学びのメモ書き
◆プロパー融資への道の作り方
・銀行間を競争させる
・銀行が融資しやすい資金使途で提案
(つなぎ資金、季節資金、賞与資金・納税資金)
・信用保証協会保証付融資と抱き合わせで提案
◆経営者が連帯保証人とならなくてよい要件
(経営者保証ガイドライン)
・企業と経営者の関係の明確な分離
・銀行への返済に懸念がないこと
・経営の透明性が確保されていること
(企業の財務諸表の適時適切な開示)
◆ 中小企業が融資を受ける金融機関
① 地方銀行・信用金庫・信用組合
・対象:年商10億円未満
保証付融資・プロパー融資どちらも
※メガバンクは年商10億以上しか相手にしない
・利点
・地域の企業と共存共栄がスタンス
・数百万円の小さな金額の融資にも対応
・企業が依頼すれば担当者を付けてくれ、
担当者の毎月訪問も期待できる
・注意点
・支店と同区内に事業所がないと融資できない
②メガバンク
・大きな金額の融資を行いやすい
・優良企業に対して低い金利で融資が可能
・海外展開やM&Aなど広いアドバイスが可能
③ 政府系金融機関
・日本政策金融公庫
・国民生活事業:創業前~年商5億
・中小企業事業:年商5億円〜
・農林水産事業:農林漁業・食品産業の会社
※各事業は別の金融機関と考える
・商工組合中央金庫:年商5億円〜が中心
◆銀行との付き合い方
・比率:メインに4割以上
・借入額毎の銀行数の目安
3千万〜1億:3行以上、1億〜:4行以上 -
詳細、網羅的にわかりやすく解説されています。銀行融資について知りたいなら、まず真っ先に読むべき定番の本として推奨できます。
企業にとっては、銀行に提出する資料のひな形がダウンロードできるようになっており、きわめて親切です。
難点をあげると、近年は得意先係と融資係を同一人物が担当する銀行が増えていると推測されること、リテール部門のリストラにより試算表や決算書の入手の名目では担当行員を訪問させない銀行が出てきていること、などがあげられます。 -
金融機関との関わりでメインとなる融資について、それに関する様々なやり取りや必要な物事について、一通り網羅して説明されています。初めて融資が必要になった場合はもちろん、すでに借入を行っている場合でも、自社や自身の銀行との関係について客観的に見直すことができます。必要に迫られて、急にお金を借りるというのではなく、日ごろから計画的に融資を使っていくこと。そのための考え方や、借りたお金の扱い方など、基本中の基本ですが、それゆえに大事なことだと思います。
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融資についての辞書として使える
資金繰りをはじめとする注意点や失敗しやすい点
数字や表を起用するなど読者に読みやすく書かれている
実務レベルで書かれているので、実際に遭遇した場合を想定しやすい
特に興味を引いた内容
・融資のメリットデメリット
・融資方法
・返済方法
・プロパー融資
・金利交渉
・メインバンクの選び方
・融資を受ける準備
・銀行との付き合い方
・銀行から見たB/S,P/Lの見られ方
・各種予定資料の作り方 -
元銀行員で現在は資金繰りコンサルタントの著者が、銀行から融資を得るためにすべきことを解説した本。
銀行融資を必要とする中小企業経営者に向けて、審査の際に銀行側が何を見ているのか、それに対して経営者は何を準備すれば良いのかについて、体系的かつ具体的に解説されている。
銀行と経営者双方の立場を理解する著者だからこそ紹介できる内容で非常に参考になる。
一方で、同じ内容が繰り返し説明されている箇所があり、本全体が冗長で読み切るのにかなり時間がかかる。重複なしに端的にまとめれば、本のボリュームは半分以下で済んだのでは?という印象。
経理・財務業務を専門としない経営者にとっては、もっと手短にポイントのみを理解したいはず。 -
企業経営の資金調達方法の1つである銀行からの融資に関して、その手続や種別、何を見られるか、その資金に対する銀行側の考え方、経営者の考え方両方を網羅的に書いてある本
確かに完全マニュアルで、実際に融資を受ける前には、再読したい本ではある。同時に読者の読む立ち位置に依存して内容の受け取り方が変化するため(読書は一般的にそういうものではあるが)、融資を受けるもしくは受ける可能性がある方は一読をおすすめしたい。 -
これ以上無いくらい良くまとまった銀行融資のノウハウ本。
◯無知な経営者や管理部門は犯罪
「赤字の会社には銀行はお金貸してくれない」
「借金はしないで無借金経営をすべきだ」
「融資を受けるとき、担保や保証を取られるのは当たり前」
「借り入れた一部を定期預金にしないと借りられない」
「一度抵当権がつくと、外すことは出来ない」
こんなことを言う経営者、財務は世論の言いなりになっているだけの不勉強者。
社長が無知だと銀行に対等になれない。
◯銀行まわりの基本
社長は数字ですべてを話せること
幹部が同席していること
定期的に訪問すること。できれば3ヶ月に1度
1行20分程度で帰ること。20分以内に「会社の数字」と「会社の現状と今後の展望」を伝えること。
忙しい月初、月末、五十日、そして閉店間際に行かないこと。 -
非常に良くまとまった中小企業向け銀行融資のノウハウ本。概念説明から具体の資料作成や銀行との質疑応答まで(しかも回答例と悪例の併記で)流れるように理解できる。この本に出てくる銀行融資に必要な資料作成と、問題がある場合の経営的な打ち手をちゃんとするだけで経営回復できる日本の中小企業は相当数あるんじゃなかろうか。
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銀行からの借入を戦略的に考えるのであれば本書で学ぶべきものは多いように感じる。本書に記載してある融資の基本知識や銀行スタンスや交渉術は概ね間違いない。銀行から借入を引き出す、良い条件で借りるために一番重要なことは業績が良い優良企業となること。ただ全ての企業が優良企業ではない。優良企業ではない企業でも、銀行の事情をよく理解したうえで借入交渉をすれば今よりも良い条件引き出すことはできます。それが企業の実態を数字で視える化すること。試算表づくりから資金繰り表、経営計画表など。これらを税理士任せにせず経営者、財務担当者が作成及び変化要因を語れるようにすることが大事。本書では銀行の融資スタンスや融資審査ポイントの整理、借入条件良好となる企業の日々の財務視える化を正しい情報でまとめてある。とても参考になると思う。一方で文書の流れや内容に面白みは薄いので読むのが辛い点もあるよう感じる。