土井英司の「超」ビジネス書講義 (ディスカヴァー携書)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2012年5月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799311639
作品紹介・あらすじ
業界で最も影響力のある書評メルマガ「ビジネスブックマラソン」編集長にして、17,000 冊を読んできた日本随一のビジネス書の目利きが語りつくす。この先 10 年サバイブするために、いかに選び、読み、活用するか?
感想・レビュー・書評
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ビジネスブックマラソンで有名な土井さんのビジネス書講義。
書評というより、ビジネス書(小説・科学書など含む)の
トレンドから世の中の流れをつかむという試みをしており、
それが個人的にとても面白かったです。
中でも、流行は逆に振れるという主張は、
なるほど確かに…と頷いてしまいました。
いろいろな本が文中に出てくるので、
必ず自分が読んで見たいと思う本が出てくる思います。
これはなかなかの良書です!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は、毎年およそ5000冊出版されているビジネス書の約2割、1000冊を読んでいる著者が、ビジネス書を使って「時代の潮目を読む」技術を紹介した本です。
ポイントとしては、
・最近のビジネス書は本来の意味でビジネスの役に立たないので、分厚くて本格的な王道本がよい
・ベストセラービジネス書は、それを実践しようとするライバルが多いので読んでもいいが、役には立てない
ということ
また、書籍の紹介がとにかく多く、その大半を著者がベタボメするので、どれから読むべきか決められない
すべてを読むのは時間的に難しそうだが、著者の実践した読書術の記載もないし
そういう点で使えるようでいまいち使えないという感じ
【なるほどな点】
・すべてのビジネス書は陳腐化します。時間の経過とともに、あっさりと劣化します。(中略)最たる理由は、ビジネス書は時代を映すものだから。(P4-5)
・ビジネスパーソンであれば、「できるだけ具体的に加工された真の事象を、手っ取り早く吸収したい」と考えるの妥当です。(P8)
・技術は金で買える。だけど、マーケットは金で買えない。(P134)
・今調子がいい業界を見極めるより「自分が現役で働いているあいだ持ちこたえる業界かどうか」を見極めることが肝心です。(P136)
・ビジネス書は成果につながってこそ価値があるものなのに、時代の変遷とともに成果につながらない本が増えすぎました。(中略)これからは読みやすくて薄い本を何冊も読むより、多少高くても分厚くても本格的な王道本を1冊じっくり読むほうが価値があります。(P162-163)
・中断するものをなくせ、時間をまとめてしまえ、余計な書類を捨てろ(P215)
・少数が勉強するからこそ競争優位性がもてるという法則は、ビジネス書にも働いています。(P231)
・勉強になる本を読んでいるとき、中に出てくる本をすかさず買うのです。(P232)
・新刊や話題書を選ぶ4つの指標(タイムリーである、信頼できる、有名すぎない、実用的である)(P238)
・(本を読みながら)線を引くのは、あとから見直すためでもありますが、それはあくまでサブ的な目的。赤ペンの主目的は、自分が記憶することにあります。(P247)
【参考図書】
・「アランの幸福論」(アラン)
・「幸福について−人生論」(ショーペンハウアー)
・「ザ・プロフィット」(エイドリアン・スライウォツキー)
・「ビジネスモデル・ジェネレーション」(アレックス・オスターワルダー、イブ・ピニュール)
・「経営は哲学なり」(野中郁次郎編集)
・「失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する」(中尾政之)
・「誰のためのデザイン?認知科学者のデザイン原論」(D・A・ノーマン)
・「餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるか?」(林總)
・「なぜか仕事がうまくいく人の習慣 世界中のビジネスマンが学んだ成功の法則」(ケリー・グリーソン)
・「仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣」(篠塚孝哉) -
ビジネス書で世間を読む。
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読むべき本の紹介が、どっさり満載。さすが、年間1000冊を読破する著者だけあって、それぞれの本の特徴を的確に捉えており、既に読んだ本は、改めてその本の価値を、まだ読んでいない本は、自分にとってどれから読むべきかを指南してくれる本であった。新書なので、軽く読むつもりであったが、なかなかの蘊蓄の詰まった内容に驚いた。はやりのビジネス書だけでなく、ロングセラーの名著についても記載があり、何を読むか迷ったら、この本で紹介された本の中から選んで行けば、絶対外れないと思えた。
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土井さんの意図していることとは違うが、とりあえずビジネス書の手っ取り早いガイド本として活用してよいと思う。
誰でも思いつくベストセラーでここに紹介されていないものが、読む価値のないもしくは賞味期限切れのものだと読みきって大丈夫でしょう。
一番読みたくなったものが基本原理と紹介されている「自由からの逃走』だなぁ。一つの価値観に飽和すると対極の価値観へ振り子は揺れる、これが結局は全てだと思う。 -
「ビジネスブックマラソン」の著者。
自由からの逃走、
私社長ではなくなりました、
2022これから10年活躍できる人の条件、
ノマドライフ
任天堂驚きを生む方程式
これからの日本では、観光=成熟社会が情報を売る商売、知識プロとして高度な専門性を売る=いつまでもげ根来でいること。
時代は振り子のように揺れ動く。個人主義から全体主義へ、豊かから清貧へ。
憂鬱でなければ仕事じゃない
渋谷ではたらく社長の告白
ザプロフィット
事業計画書の作り方
ビジネスモデルジェネレーション
格安航空会社の企業経営テクニック
世界史・上下(ウイリアムマクニール中公文庫)
銃・病原菌・鉄
超入門失敗の本質
それをお金で買いますか
アイデアバイブル -
ビジネス書の特徴と読み方、接し方についてよく整理された一冊。
特にビジネス書初心者にオススメ -
ビジネス
writing -
「ビジネス書は陳腐化する」ということは周知の事実だが、ここまではっきりと書かれているのを見たのは初めてかもしれない。逆に、陳腐化するからこそ、時代の流行が読めるというのは著者ならではの見方かなと思う。
本書はブックガイドとしても読むことができるし、氏の時代の読み方としても読むことができるが、読みたくなる本(特に古典的な本)が増えてしまうのも事実。困ったものだ。
[more]
(目次)
第1章 「時代の振り子」はこうして揺れ動いてきた
基本原理は『自由からの逃走』にある
バブルで動いた「ビジネス書の振り子」
21世紀、「拝金主義という海賊」が攻めてきた!
リーマン・ショック前夜のキーワードは「ツール・スキル・時間」
ファンタジーとしてのビジネス書
第2章 ビジネス書のトレンドから「時代の潮目」を読む
これからのトレンドの話をしよう
潮目の変化をわかりやすく知る方法
2010年代、時代の振り子はどう動くか
第3章 テーマ別トレンドと「今が旬」のオススメ本紹介
「ロールモデル不在時代」の働き方
キャリアプランに役立つ必読ビジネス書
鉄板と旬に注目! ビジネスモデルのつくり方
「思考力」こそ、これからのビジネスパーソンの武器
復習すべき「ビジネスパーソンの五教科」
それでも心配な人のおまけ――新しい観点の時間管理とモチベーション
第4章 コモディティから抜け出すためのビジネス書の選び方・読み方
書店に行こう! 差をつけるビジネス書の選び方
戦略的に読め! ビジネス書のニッチな読み方
付録 人生の定番本をつくろう――土井英司が「著者買い」する11人 -
読んでおいて損はない