ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014年9月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799315637
感想・レビュー・書評
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ビジネスモデルという切り口でイノベーションのいろいろな話が書いてあり面白い。ボリュームも多いが、読みやすいので、すーっと読める。
ざくっとまとめた。
ビジネスモデルは「イノベーションの乗り物」。技術だけではイノベーションは育たない。イノベーション実現のためには適切なビジネスモデル調査と学習が必須。
ビジネスモデルは「イノベーションの素」
三井越後屋の現金掛け値なし、御用金の大阪→江戸への移管請負、店前売り、切り売り、仕立て売り(即日)
フォードの垂直統合。GMの多ブランド化、ファッション化、分散統治のための事業部制、ケイパビリティー変革。
ジレットの替え刃。Nespresso。
従量課金制度(ゼロックス)
シリコンバレーの多産多死モデル。スタンフォード大学のターマン。
ホンダのCVCC。ホンダアメリカHAMの入交昭一郎、ワーカーではなくアソシエイト。
トヨタの在庫は敵だ、系列モデル。
セブンイレブンジャパン。再発明。単品管理、サシミ調査。
IBMが産んでしまった「水平分業モデル」。PCメーカー、企画と販促、マーケティングだけ。部品メーカーの交渉力の強さ。
プラットフォームモデル。ゲーム、任天堂。
B2Bマーケットプレイス 中古車TVオークションの藤崎真孝
デルのダイレクトモデル。
SPAモデル。GAP、ベネトンがつくり、ワールド、ZARA、ユニクロが変えた。GAP、ベネトンが垂直統合。流行を追うのではなく新商品投入スピードを9ヶ月→2週間に、ZARA。素材の力で勝負、「超」垂直統合、ユニクロ。
ヤフー、グーグル。キーワード広告への転換、ロボット型検索エンジンで遅れて、ヤフーが抜かれた。
Amazon。絶対的なケイパビリティ、物流。ロングテールが儲けの源泉。書店にないマイナーなものの売り上げが30〜40%しめる。利益はもっと??
Amazon5つのビジネスモデル革新。直販EC、マーケットプレイス、有料会員、電子書籍、ITインフラ。
フリーミアム、クリスアンダーソン。
フリーミアムはゲーム以外では多くが失敗。
クックパッドの有料会員化。
ジャックマーのアリババ集団。アリババ。B2Bで会費制。
タオバオワン、アリペイ、天猫。C2Cと決済はタダ、C2Bと決済で儲ける。
フェイスブック、
ゲーム機とスマホ
メーシーズのオムニチャンネル@店舗
オンラインストアと店舗の在庫情報も統合。
楽天経済圏、ポイントで価値提供。
ジョブズの再発明。逆張りの「垂直再統合」と「逆替え刃」
ジョブズは後追い。昔からあったもの。大きな既存市場を、圧倒的な感性品質で勝利。iPod=ウォークマンやデジタルオーディオ、iPhone=携帯電話やブラックベリー、iPad=PC。旧来製品の質の低さを狙い撃ち。元々はマックファンだけだったのがiTunesのWindows版で急拡大。君子豹変(いい意味)
水平分業から垂直統合へ、個別対応から世界ワンプラットフォーム。製品ラインアップの極端な少なさ。
替え刃モデルから逆替え刃、高マージンなハードの魅力を維持向上できるなら、他のものはタダでもいい。アプリケーションiWork無料化。ジョブズは絞り込み、「どれだけ良いアイデアを殺せるか」
iPhoneがカメラをiPadがpc市場を変えた。
知財専業サービスクルアコム、技術開発に特化しその特許使用料や外部製造によるチップ販売で収益。
インテルがイノベーターのジレンマでスマホでモバイル市場が巨大化しやられた。
アップルは垂直統合の罠にはまって破れるとしたら、サムソンではなく、iPhoneはQRD端末、iPadはKindleにか。。
起業のハードルを下げる、Amazonのクラウド。クラウドファンディング。クラウドソーシング。
メーカームーブメント。次の変革は製造業。1万個程度のニッチなものつくり。3Dプリンターなど。
3Dロボティクス。オープンソースハードウェアメーカー。
サウスウエスト航空の10minターン。
ゴビンダラジャンの忘却・借用・学習。
新規事業は既存事業から、人事経理ITを借用してはならない。
r&dやマーケティングせいさんも1から2機能に止めよ。学習は失敗から。
リースのリーンスタートアップ。
構築・計測・学習サイクル
仮説検証の繰り返し。最小限の製品。画面だけ正規で、裏は手作業とかも可。
どんな革新的なビジネスでも寿命は5〜10年。
捧(コメリ)一隅を照らす。ベゾス 競合より顧客。ペイジ 競争より創造。
中小企業をつなぐリンカーズ
地元企業に精通したコーディネーター。
未活用の社会インフラを使い倒せ。
セミプロクラウドソーシング。
MUJIのオムニチャンネル。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今までの売り方・作り方・顧客などをどのように変えたのか、分かりやすく整理されていると思います。
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ビジネスモデルの歴史がよく整理された。
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なんだか毎日使っているビジネスモデルという言葉。それがたかだか30年ぐらいの歴史しかないなんて…でも言われてみると頻繁に口にしだしたのは本書の後半のインターネットバブルの頃からかも。もちろん14世紀のメディチ家や17世紀の三井越後屋から語られる人間の暮らしを一変させてきたビジネスモデルの歴史は経済史であり社会史であり生活史でもありました。でもそれがゆっくりと進行していたころはビジネスモデルなんていう仕組みは歴史の背景に隠れていたと思うのです。ところがインターネットが空間と時間の制約から人間を解き放った時、その進化のスピードは指数関数的に上がっていき、なんでもかんでもビジネスモデルで語られる時代が来ているのでしょう。昔もそうだったかもしれませんがビジネスモデルはいま、ソーシャルモデルでありライフスタイルモデルであり人間の欲望モデルと一体化していると感じます。本書の後半は人間の歴史の次の方向性をジェットコースター的勢いで指し示しています。ビジネスモデルが次のビジネスモデルを生む!
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色んな業界、特に世界のインターネット業界の興隆が分かる良書だと思います。
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経済状況とテクノロジーの進化に対応して新しいビジネスモデルが次々と生まれてきたことが、全史並べることでよくわかる。そもそもビジネスモデルとは?本著では以下のように述べられている。
ビジネスモデルとは旧来の戦略的フレームワークを拡張するためのコンセプトセット。その目的は多様化・複雑化・ネットワーク化への対応である。
私はシンプルに価値提供の流れと儲かる仕組みのことだと理解している。
とくに今の時代はテクノロジーの進化に注目すると新しい仕組み構築のタネがボロボロ転がっている。それらを組み合わせていかに新しいアイディア、既存の発想にとらわれない考え方ができるかにかかっている。
後はやはり、新しいビジネスモデルの創生に、短期的な売上や収益を求めることに警鐘を鳴らす論調は多く、大企業のイノベーションのジレンマにはまっている身としてはどうしたものかと頭を悩ます話題である。本著でも終章にまさにそういったことが書いてあった。
言うは易し、行うは難しである。 -
[請求記号]3361:661
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色々なビジネスモデルを理解する上でとっても良い。万人にお勧めな本。