ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799315637

感想・レビュー・書評

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  • ビジネスモデルという切り口でイノベーションのいろいろな話が書いてあり面白い。ボリュームも多いが、読みやすいので、すーっと読める。


    ざくっとまとめた。


    ビジネスモデルは「イノベーションの乗り物」。技術だけではイノベーションは育たない。イノベーション実現のためには適切なビジネスモデル調査と学習が必須。

    ビジネスモデルは「イノベーションの素」


    三井越後屋の現金掛け値なし、御用金の大阪→江戸への移管請負、店前売り、切り売り、仕立て売り(即日)

    フォードの垂直統合。GMの多ブランド化、ファッション化、分散統治のための事業部制、ケイパビリティー変革。

    ジレットの替え刃。Nespresso。

    従量課金制度(ゼロックス)

    シリコンバレーの多産多死モデル。スタンフォード大学のターマン。

    ホンダのCVCC。ホンダアメリカHAMの入交昭一郎、ワーカーではなくアソシエイト。
    トヨタの在庫は敵だ、系列モデル。

    セブンイレブンジャパン。再発明。単品管理、サシミ調査。

    IBMが産んでしまった「水平分業モデル」。PCメーカー、企画と販促、マーケティングだけ。部品メーカーの交渉力の強さ。

    プラットフォームモデル。ゲーム、任天堂。

    B2Bマーケットプレイス 中古車TVオークションの藤崎真孝

    デルのダイレクトモデル。

    SPAモデル。GAP、ベネトンがつくり、ワールド、ZARA、ユニクロが変えた。GAP、ベネトンが垂直統合。流行を追うのではなく新商品投入スピードを9ヶ月→2週間に、ZARA。素材の力で勝負、「超」垂直統合、ユニクロ。

    ヤフー、グーグル。キーワード広告への転換、ロボット型検索エンジンで遅れて、ヤフーが抜かれた。

    Amazon。絶対的なケイパビリティ、物流。ロングテールが儲けの源泉。書店にないマイナーなものの売り上げが30〜40%しめる。利益はもっと??
    Amazon5つのビジネスモデル革新。直販EC、マーケットプレイス、有料会員、電子書籍、ITインフラ。

    フリーミアム、クリスアンダーソン。
    フリーミアムはゲーム以外では多くが失敗。

    クックパッドの有料会員化。

    ジャックマーのアリババ集団。アリババ。B2Bで会費制。
    タオバオワン、アリペイ、天猫。C2Cと決済はタダ、C2Bと決済で儲ける。

    フェイスブック、
    ゲーム機とスマホ

    メーシーズのオムニチャンネル@店舗
    オンラインストアと店舗の在庫情報も統合。

    楽天経済圏、ポイントで価値提供。

    ジョブズの再発明。逆張りの「垂直再統合」と「逆替え刃」
    ジョブズは後追い。昔からあったもの。大きな既存市場を、圧倒的な感性品質で勝利。iPod=ウォークマンやデジタルオーディオ、iPhone=携帯電話やブラックベリー、iPad=PC。旧来製品の質の低さを狙い撃ち。元々はマックファンだけだったのがiTunesのWindows版で急拡大。君子豹変(いい意味)
    水平分業から垂直統合へ、個別対応から世界ワンプラットフォーム。製品ラインアップの極端な少なさ。
    替え刃モデルから逆替え刃、高マージンなハードの魅力を維持向上できるなら、他のものはタダでもいい。アプリケーションiWork無料化。ジョブズは絞り込み、「どれだけ良いアイデアを殺せるか」
    iPhoneがカメラをiPadがpc市場を変えた。


    知財専業サービスクルアコム、技術開発に特化しその特許使用料や外部製造によるチップ販売で収益。
    インテルがイノベーターのジレンマでスマホでモバイル市場が巨大化しやられた。
    アップルは垂直統合の罠にはまって破れるとしたら、サムソンではなく、iPhoneはQRD端末、iPadはKindleにか。。

    起業のハードルを下げる、Amazonのクラウド。クラウドファンディング。クラウドソーシング。
    メーカームーブメント。次の変革は製造業。1万個程度のニッチなものつくり。3Dプリンターなど。
    3Dロボティクス。オープンソースハードウェアメーカー。

    サウスウエスト航空の10minターン。

    ゴビンダラジャンの忘却・借用・学習。
    新規事業は既存事業から、人事経理ITを借用してはならない。
    r&dやマーケティングせいさんも1から2機能に止めよ。学習は失敗から。

    リースのリーンスタートアップ。
    構築・計測・学習サイクル
    仮説検証の繰り返し。最小限の製品。画面だけ正規で、裏は手作業とかも可。
    どんな革新的なビジネスでも寿命は5〜10年。
    捧(コメリ)一隅を照らす。ベゾス 競合より顧客。ペイジ 競争より創造。

    中小企業をつなぐリンカーズ
    地元企業に精通したコーディネーター。
    未活用の社会インフラを使い倒せ。

    セミプロクラウドソーシング。
    MUJIのオムニチャンネル。

  • 今までの売り方・作り方・顧客などをどのように変えたのか、分かりやすく整理されていると思います。

  • ビジネスモデルの歴史がよく整理された。

  • なんだか毎日使っているビジネスモデルという言葉。それがたかだか30年ぐらいの歴史しかないなんて…でも言われてみると頻繁に口にしだしたのは本書の後半のインターネットバブルの頃からかも。もちろん14世紀のメディチ家や17世紀の三井越後屋から語られる人間の暮らしを一変させてきたビジネスモデルの歴史は経済史であり社会史であり生活史でもありました。でもそれがゆっくりと進行していたころはビジネスモデルなんていう仕組みは歴史の背景に隠れていたと思うのです。ところがインターネットが空間と時間の制約から人間を解き放った時、その進化のスピードは指数関数的に上がっていき、なんでもかんでもビジネスモデルで語られる時代が来ているのでしょう。昔もそうだったかもしれませんがビジネスモデルはいま、ソーシャルモデルでありライフスタイルモデルであり人間の欲望モデルと一体化していると感じます。本書の後半は人間の歴史の次の方向性をジェットコースター的勢いで指し示しています。ビジネスモデルが次のビジネスモデルを生む!

  • 色んな業界、特に世界のインターネット業界の興隆が分かる良書だと思います。

  • AppleのOS無料化戦略。
    OSや主要ソフトを無料にする。
    ソフト開発者は最新版OSのみ対応すればよい。
    高マージンなハードをより魅力的にできる、
    ジレットの替刃モデルから逆替刃モデルへ。

  • 経済状況とテクノロジーの進化に対応して新しいビジネスモデルが次々と生まれてきたことが、全史並べることでよくわかる。そもそもビジネスモデルとは?本著では以下のように述べられている。
    ビジネスモデルとは旧来の戦略的フレームワークを拡張するためのコンセプトセット。その目的は多様化・複雑化・ネットワーク化への対応である。
    私はシンプルに価値提供の流れと儲かる仕組みのことだと理解している。
    とくに今の時代はテクノロジーの進化に注目すると新しい仕組み構築のタネがボロボロ転がっている。それらを組み合わせていかに新しいアイディア、既存の発想にとらわれない考え方ができるかにかかっている。
    後はやはり、新しいビジネスモデルの創生に、短期的な売上や収益を求めることに警鐘を鳴らす論調は多く、大企業のイノベーションのジレンマにはまっている身としてはどうしたものかと頭を悩ます話題である。本著でも終章にまさにそういったことが書いてあった。
    言うは易し、行うは難しである。

  • 素晴らしかった「経営戦略全史」に続き、ビジネスモデルの変遷を追った期待の一冊。ビジネスモデルという言葉は正確な定義があるわけでもないし、曖昧さがつきまとうが、ここでは経営学での先行研究も踏まえつつ、ビジネスモデルを「旧来の戦略フレームワークを拡張するためのコンセプト・セットであり、その目的は多様化・複雑化・ネットワーク化への対応である」と定義した上で、

    ・ターゲット(顧客)
    ・バリュー(提供価値)
    ・プロフィット(収益の仕組み)
    ・オペレーション/リソース(ケイパビリティ)

    の主要4項目に分解できるものとして、解説されている。ここでのポイントは、旧来の戦略フレームワークが、経営戦略(ポジショニング論を代表する5つの力や、ケイパビリティ論を代表するVRIO等)・マーケティング(3C)・財務やファイナンスの観点など、個別戦略に基づくものに近かったのに対して、これらを統合して、そのそれぞれの関係性を構築して、チェーンとしての模倣困難性を高められるかどうかという点にある(その点では、各個別戦略の関係性を重視するバランスト・スコア・カードや、サービス・マネジメント分野におけるサービス・プロフィット・チェーンの考え方に通じるものがある)。

    この定義に基づき、本書では、まず国際的な為替・決済システムを構築したメディチ家から、iPhoneを利用した小型クレジットカード決済サービスのスクエアまで、お金に関するビジネスモデルの革新を追った後、4つの時代別にそれぞれの時代で生み出された変革を叙述するスタイルを取っている。今でもその価値を失っていないカミソリの替え刃モデルやゼロックスによる従量課金モデルなど、オーソドックスなスタイルが第一の時代にあたる1969年までの間にほぼほぼ誕生していたこと、2000年以降のITを利活用した新しいビジネスモデルの網羅感など、読み物としても面白いばかりか、どのような環境変化や課題に対してその革新が生み出されたのかを丹念に追うことができる。

    特に終章では、ITによるビジネスモデルの多くが採用しているプラットフォーム戦略において、webのプラットフォームは人を介さないために簡単にスケールしやすいというメリットを持つ一方で、簡単にスケールするということは(当然の帰結ではあるが)模倣困難性に欠けるという点を明確化した上で、これからのプラットフォーム戦略では高度なキュレーション力などの「ヒトの力」をどう活用できるかがっ要点であると結論付けている。そして、こうした力を持つ人が多いにも関わらず隠れてしまっている日本では、彼らの力をどうプラットフォームに呼び込んでいけるかが、日本自体の競争力の強化に繋がるのではという提言にまでまとめており、示唆に富んでいる。

  • [請求記号]3361:661

  • 色々なビジネスモデルを理解する上でとっても良い。万人にお勧めな本。

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著者プロフィール

金沢工業大学大学院 教授
1964年生まれ。87年東京大学理学部卒業。92年INSEAD卒業。経営学修士。87年ボストンコンサルティンググループ入社。96年アクセンチュア株式会社入社。アクセンチュア 戦略グループ エグゼクティブ・パートナーを経て現職。

「2023年 『マンガ ビジネスモデル全史〔新装合本版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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