comomotaさんの感想
2013年5月10日
面白かった。 頭が切れて強く傲慢で、徹底的にヒールキャラクターの竹だったけど、信長にだけはひたすら純粋に一途なところが良かった。 自分がだんだん信長の側から離されている事を感じながらも、ちょっとしたことで安堵する竹がいじらしい。 信長にけじめをつけられたシーンは哀しかった。 竹が泣いたあたりで貰い泣きしそうになった。 仙千代がもっと話に絡むのかなと思いきや、意外にあっさり終わってしまい拍子抜け。 何のために出たの?という感じが… 明智無謀の火種が、亡くなった妹の死を悼む光秀の前で信長が笑った、というのがよかった。 人間は情で生きるものというのを如実に表していた。 この物語全体が嫉妬や羨望・悲しみなど、感情に支配された小姓の話だったのでリアリティがあった。 この作家さんの話をまた読んでみたい