なぜ戦争は起きるのか ~この一冊で本当の「戦争」が解かる (宝島社新書)
- 宝島社 (2013年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800213044
作品紹介・あらすじ
すべての戦争に原因と結果がある。元陸上自衛隊戦術教官であり、現在、日本兵法研究会会長である著者が、古今東西、五〇〇の戦争を調べ、なぜ戦争は起きるのかを明らかにする。人口が増えると戦争が増える。当たり前のことだが、誰一人、このことを指摘する者はいない。さらに、戦争は土地をめぐる戦いである。このことも五〇〇の戦争の原因を探ることで明らかになる。いままでの教条的な戦争原因論ではなく、実証からスタートし、戦争の真実をつまびらかにした一冊である。
感想・レビュー・書評
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古今東西の戦争を並べて、戦争が起こる原因を分析した一冊。
戦争の歴史を知るには良い一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の経歴を見ると兵法研究家ということらしい。 4章の第二次世界大戦あたりまでは、ふむふむと読んでいたのだが、その後の現代の戦争史については羅列的に出来事を書いているだけだった。 なぜ戦争が起きるのかについて、地政学を持ちだして説明があり、これについてはそういう考え方があるのか、なるほどと思ったのだが、日本の話や武士道精神の話については、少し持ち上げ過ぎのように感じた。 武士道精神が好戦的な諸外国に伝わればよいが、少なくともおとなりの3国には伝わることは百年後もないだろう。
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前半では、世界で起きた多数の戦争を主として地域で分類して並べている。後半は、日本人のための肯定的な日本観を提示している。
「なぜ戦争は起きるのか」の答えとしては、いくつかの説を示した後、基本的には領土問題であるとしている。が、それほど強い説得力がある議論ではないように感じた。
とりあえず、世界にあった戦争全部についての感覚が何となく得られたのはよかった。 -
前半は、これまでの500の戦争について、淡々と事実だけが並べられている。何かの折りに参照するには良いが、もう少しコメントが欲しい。後半は、日本が恵まれた国であり、日本が武士道精神に回帰し広めていく事が、世界に平和を築く事になると説く。具体的ではないが、共感できますね。
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第5章までは、今までに起こった戦争の事実が淡々と書かれているだけ。
ただし、日本に関わる戦争については「アジアの独立」「自国防衛」のためと書かれており、よくある戦争論のような自虐的な視点は全くない。
第6章では、シーパワー理論を実践して得をしたのはアメリカだけで、日本はシーパワーにはまったくなり得得なかったとし、国家戦略としての戦争観の違いを明確にしている。
第7章、第8章では古代より平和を希求してきた日本と、その日本の精神がはぐくんだ「武士道」について説明し、「おわりに」で争いだらけの世界で、日本が本当に果たすべき役割を論じ結んでいる。良書だ。 -
戦争史を紹介しつつ、その原因や状況を解説。
500の戦争を実証分析、という煽り文句がついていたが、やはり新書1冊で紹介するのは無理があるのか、淡々と紹介していく程度にとどまっていたのが残念。
むしろ、過去の重大ないくつかの戦争を詳しく解説したほうが実があったのでないだろうか。
気持ち右寄りなのは大いに構わないが、最後2章で始まる、突然の日本賛美論と武士道至上主義は、それまでの戦争解説と比べると違和感を感じた。
それなら日本軍の立ち回りにおいて、いかにそういった精神が生かされていたのか、もしくは生かされていなかったのかを解説して欲しかった。