人は死ぬとき何を後悔するのか (宝島社新書)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 98
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800217776

作品紹介・あらすじ

外科医として5000人以上のがん治療に携わり、ホスピス医に転身した小野寺時夫氏。これまで2500人以上を看取ってきた小野寺氏が聞いた"死に際"の言葉の数々。「抗がん剤治療を受けなければよかった」と語った50代の女性。「治るのかどうか聞くべきだった」と悔やむ会社社長。計画していた「第二の人生」を果たせなかった60代男性の無念…。「後悔のない人はいない」と小野寺氏は指摘するが、後悔の強い人、後悔の多い人は、安らかに死ねないと言う。どうすれば死に際に後悔の少ない人生を送れるのか。死と対峙しない現代日本人に贈る必読の書。この先、長く生きられないとわかったら、あなたはどうしますか?

感想・レビュー・書評

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  • 哲学的な死の話だけではなく、がんで死ぬならこうしてほしい、脳梗塞ならこうしてほしい、と私なら書いておく、という現実的なことも知れる本。
    筆者の末期がん患者への鎮静についての意見を読んでいると、日本はすごく遅れている、早く安楽死が導入されてほしいと思う。

  • 末期がんの緩和ケアに特化するホスピス勤務の著者だからこそ目にしてきた、人間の死に際の様子を綴った本ですが、死に際というのはどのように生きてきたが大きく関わってくるということを考えさせられました。人は死に直面して急に本質が変わるわけではない、どのように生きるかを再定義させられるような気付きを与えてくれる本です。
    この本の中でも指摘されていた通り日本人は死生観が独特で、死に関して基本的にはあまり普段から考えていない。だからこそ本質を見るような生き方ができない人も多いのだと個人的には思いました。余命が知らされて初めて、自分が生きてきたことの意味を考える。そうであってはならないという強い警告もこの本は与えてくれるように思います。

    同時に、著者が他の本でも警鐘を鳴らしている点だと思いますが、日本の医療現場でのがん治療の実態についても垣間見ることができます。がん治療に限らずだと思いますが医療にはお金の絡んだ嘘も多いようです。そしてその嘘が「普通」になっていたりもする。恐ろしいことです。やはり人はどんな立場にあっても人格者として相手に寄り添える人でなければこの世の中が良くなることはないのでしょう。この著者の文章からはそうした善意が感じられます。一人でも多くこの本を読んで、世間でまかり通っている色んな「普通」が本当に自分にとって良いものなのか、考えるきっかけになれば良いなと思いました。

  • 人の致死率が100%であることを鑑みるならば、この本を一度は読んでみても損はないと思う。腰の低い謙虚な文体の奥に垣間見える著者の凄みを個人的には強く感じた。平凡で非凡な人って居そうで居ないものです。
    まだ、世間に対して何も為していない自分も気がつけばいい歳になっていて死ぬときのことを考えねばならない状況になっていることに呆然としたりする。

  • ちょっと「死ぬ瞬間」の小野寺さんバージョンの様ですが
    改めて「死」を考えました。

    自分ももう若くはないので、10年後ではなく、「今」!
    「今」を精いっぱい生きる!

    本当、良いタイミングで読ませてもらいました。

  • 「認知症で生きていても悲惨なだけ」という文言が印象的。70過ぎても自分が死ぬ事に納得できずに、暴れる人が多い事にも驚くが、実際にそうなってみないとわからない境地なのかもしれない。「人は生きてきたようにしか死ねない」反面教師的に悪例を多めにピックアップしたのかもしれないが、惨めに死んでいく人が多い事のに驚く。これでも、ホスピスに入れるだけマシなんだろうけど。この手の本にありがちな題名と中身は違う本ではある。死に際事例集のような感じ。

  • 感想未記入。引用省略。

  • 死に方についてこれまでは漫然としか考えたことはなかったが、そろそろ真剣に考えたほうがいいなと思いました。病気のことだけが書いてあるわけではありませんが、基本的にはがんの末期にはじたばた延命治療をせずに、自然に任せるのが一番良いというトーンで、共感が持てました。

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著者プロフィール

日の出ケ丘病院ホスピス医兼ホスピスコーディネーター

「2016年 『人生の最期を医者任せにするのはやめなさい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小野寺時夫の作品

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