ゼロの激震 (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800254054

作品紹介・あらすじ

金精峠で土砂崩れが起こり、足尾町の人々は原因不明の死を遂げ、富岡では大火災が発生するなど、関東北部では未曾有の大災害が頻発していた。そんな折、元大手ゼネコン技術者の木龍のもとに、奥立という男が訪ねてくる。すべてはマグマ活動にともなう火山性事象が原因で、これ以上の被害を阻止すべく、技術者としての木龍の力を借りたいという。だが、彼の協力もむなしく大噴火は止められず、やがてマグマは東京へと南下していく-。地球規模の危機に技術者たちが挑むパニック・サスペンス巨編!

感想・レビュー・書評

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  • 関東、北関東が火山噴火の被害に見舞われ壊滅するパニック、ディザスター小説。
    あり得ない(たぶん)設定にリアリティを出すためか、地質の専門的な説明が長々と続くので少々のまどろっこしさを感じた。

  • 近未来の日本、関東北部が原因不明の大災害に見舞われ、その災害が都内に向かって南下しはじめる。パニック小説としての面白さは相変わらずなのですが、政治家や官僚の描かれ方がかっこよすぎて非現実的。「生存者ゼロ」ではかなりケチョンケチョンに書いてたのに、クレームでもあったのかしら?

  • 政府主導で推し進められた、とあるエネルギー&環境対策巨大事業。これが関東にとてつもない大災害を招くこととなる。地質学的な理論はさっぱり判らなかったが、関東平野の地下に埋まる太平洋プレートの巨大な破片(関東フラグメント)にCO2を閉じ込めたことにより、これから大量のマグマが発生して大噴火。関東全体をカルデラとし、東日本を壊滅させ、人類を危機的状況に陥れるという事態が想定される。対応策として浦安にマグマの通り道を作り、そこを火口とした火山を作るよう誘導することとなり、そこに富士山を越える巨大火山を形成させることとなった。
    まぁ関東で実際発生することではないが、同様の事態はイエローストーン国立公園で有りえるらしい。過去65万年位のサイクルで破局的大爆発を繰り返しており、現在は前回から64万年経っており、事態は地球的には切迫しているとのこと。これが明日なのか1万年後なのか・・・

  • 首都圏直下型の火山災害による首都消滅を描いた小説です。

    クライシス小説となりますと、
    近年では、高嶋哲夫さんが挙げられるかと思いますが…、
    高嶋さんの作品と比べると、力不足感は否めなかったかな?

    作者の安生さんは、建設会社にお勤めのよぅですので、
    既2作品と比べると、専門分野、得意分野なんでそぅが…、
    火山災害に係る学術的な講釈が、ちと細かすぎ、詳しすぎ。

    クライシス小説や歴史小説では、
    豊富な情報は、作品に内封して、できるだけシンプルに…。
    が鉄則だと思ぅのですが…、そこが抑え切れてなかった…。

    一方で…、キャラクターは、全体的に浅かったかな~?
    香月や奥立は、エピソードも含め、いらなかったかも…。
    そのかわりに、他のキャラを、もっと深く掘り下げるとか。

    本作品は、基本設定も含め、
    クライシス小説といぅよりは、SF小説なのかな~?
    例えば、小松左京さんの『日本沈没』のよぅな感じね…。

    『日本沈没』は、
    巨大地震は、あくまでも、問題提起のきっかけであって、
    日本人が祖国を失ったとき、が作品のテーマでしたが…、

    本作品も、多少、SFちっくに首都消滅を描くのならば、
    日本(人)が東京を失ったとき、を作品のテーマにすれば、
    もっと、よかったのかもしれなぃ…??

  • 「このミス」大賞シリーズのパニックサスペンス。関東の地下で火山活動が活発化し、地震やマグマの噴出、噴火、火山ガスの流出などで莫大な犠牲者が出る。関東壊滅の危機の中、それを阻止しようと奮闘する技術者、学者たちの描写がリアルに描かれている。
    火山活動の活発化を招いた原因が人類の過剰な開発だったという設定も身につまされるような気分になった。

  • 技術者である男達と、国を動かす男達が熱くぶつかり合い、マグマに襲われた関東地域を命懸けで守るハラハラもんの小説。

    後半、嫌な予感·····的中で木龍の身に起きる出来事に泣いてしまった(T_T)
    この本の何がいいって、男達の熱い闘いに女が絡まない所。
    こういう話に女は要らぬ(笑)

    専門的知識が散りばめられていて、読む人にとっては堅苦しいだけの話かも知れません。
    国民の為に技術者として命を落として行く者の姿は涙、涙·····でした。

    人間が長い間、侵し続けた(続けてる)自然破壊に地球が罰を与えてる·····こんな日が来ない事を祈るけど、地球を壊し続けてる人間様には、この本の様な事が起きないと考える事すらしないんだろうな。

  • 関東北部では、金精峠で土砂崩れが起こり、足尾町の人々が原因不明の死を遂げ、 富岡で大火災が発生するなど大災害が頻発していた。
    そんな折、元大手ゼネコン技術者の菊川のもとに、突如奥立という男が現れる。
    すべてはマグマ活動にともなう火山性事象が原因であり、これ以上の被害を阻止すべく、 東京湾第一発電所の建設に携わった菊川の力を借りたいという。
    だが、菊川の協力もむなしく秩父鉱山で大噴火が発生、やがてマグマは東京へと南下していく。
    このままでは関東が壊滅し、最悪の場合、日本、そして世界までもが滅んでしまう――。
    (アマゾンより引用)

    この作家さんの本、もう読まんと思う

  • 1

  • 地学が苦手だった自分には地震や火山などの理屈が難しかった。過去2作と違ってスッキリしないラスト。

  • 今までのゼロシリーズの中で一番面白かった。
    だけど、他のシリーズと一緒で読み方にコツがあります。
    はっきり言って細かい専門用語が出てくることもあり、またやってることがよくイメージがわきません。
    その辺をうまい具合に軽く流す程度で読めれば楽しめます。
    細かく理解しようとすると挫折します。

    しかしこれは実際に起こるかもしれないという錯覚に襲われます。
    東日本大震災の時にも同じように命がけでどうにかしようとしてくれてた人がいたんだろうなっと思いました。

    他のゼロシリーズ同様、映画になりそう。

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著者プロフィール

1958年、京都市出身。京都大学大学院工学研究科卒。第11回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『生存者ゼロ』にてデビュー。同作から続く〈ゼロ〉シリーズは、累計130万部を超えるベストセラーに。現在、建設会社勤務の傍ら、執筆活動を続けている。著書に『レッドリスト 絶滅進化論』(幻冬舎文庫)、『ホワイトバグ 生存不能』(宝島社)、『不屈の達磨』(角川春樹事務所)などがある。

「2022年 『首都決壊 内閣府災害担当・文月祐美』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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