- Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800261397
作品紹介・あらすじ
完全密室の七四式戦車内で、死体が見つかった-自衛隊内の警察組織である警務隊に所属する、女性自衛官・甲斐和美三等陸尉。突然の命令を受けた彼女は、事件の起きた富士駐屯地に急行する。圧倒的リアリティで読ませる、ミリタリー捜査サスペンス!
感想・レビュー・書評
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自衛隊富士駐屯地で、密室と思われた七四式戦車内から遺体が発見される。当初自殺と思われたが、他殺であるとの内部告発を受け、中央警務隊の甲斐和美が事件解明に派遣される。同時に、元自衛隊員で、自衛隊向けのソフトウェア開発を行っていた坂本は、突然取引停止を告げられる。2人は富士駐屯地で出会い、そして真相解明へと突き進むが・・・
自衛隊に関する階級、昇進、訓練などに関してはかなり詳しく書かれている。密室ミステリーという感じではなく、ミステリー、ハードボイルドといった感じ。
振り返る同期の5人の話なども熱くなるものがあり、面白く読めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
静かに始まったミステリーだったので、終盤のドンパチはちょっと意外な展開。
物語も面白かったが、自衛隊について改めて考えるきっかけになった。
一つだけ不満がある。結局、礼さんのオネエことばのきっかけはなんだったのよ〜。
自衛隊の階級や言葉についてよく知らないので、読むのに結構苦労した。ただ、近日中に昨年知り合った自衛隊員と話をする機会があるのでネタにできそう。 -
このミス大賞シリーズ。元自衛官の描写はリアル。自衛隊もドロドロの組織。組織のミッションの理不尽さは、会社組織より始末に悪いかも。旧軍とは比較にならないが。組織の中で、何を信じて生きるのかは、変わらない。最後の戦闘シーンは?だが。植木の人物設定が面白い。
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自衛隊を舞台にしたミステリ。七四ってのは戦車なのですねえ。まったく知りませんでした。そのあたりの薀蓄も非常に多く語られていて、興味のある人には楽しいかも。あまり興味のない人は……まあそれでもそれなりに読めました。
最初はちょっとそのあたりがとっつきにくいなあ、と思っていましたが。後半の展開はかなりスリリングになってきてぐいぐい読めました。ヒロイン・甲斐はもちろんカッコいいのだけれど。植木のキャラがいいなあ。
自衛隊の厳しい訓練の物語も、かなり熱くて引き込まれます。だからこそ、あれやこれやが悲しくて胸に迫る思いなのだけれど。最終的にはやはりカッコいい、に尽きるかもしれません。 -
自衛隊の事 細かすぎ。なぜ女言葉なんだろう。
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オネエ言葉は許されないでしょ
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2019.11
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ちょっと長い。。。
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防大を出て、三尉として市ヶ谷の警務で勤務している甲斐和美は、富士駐屯地で発生した、赤川一佐の変死事件の捜査に派遣される。赤川は密室と思われる74式戦車の中で自殺したと考えられたが、富士から殺人との密告があったためだ。
一方、陸自の機甲を尉官で自主退官した坂本は、小さなソフトウェア会社を立ち上げ、陸自にも戦車の制御ソフトを納入しているが、納品したソフトウェアにバグがあるとされ、一方的に取引を打ち切られる。
甲斐は捜査の中で、赤川と坂本は自衛隊生徒からの同期であり、富士での訓練中に発生した、同期高木生徒の死亡事故が関連しており、殺人事件との疑いを強め捜査を進めるが、次第に強力な妨害隠蔽工作に直面する。
話としてはなかなか面白く読み進められるが、読者は自衛隊の組織や昇進になじみが無く、その為、詳しく解説されているが説明が長い。おかげで自衛隊組織のイメージは良く掴めたけど。 -
陸上自衛隊の中央警務隊の甲斐和美3尉が七四戦車内で死亡した事件の捜査をする話だが,富士学校に何回か行ったことがあり,ある程度自衛隊のことを知っているので,本文中の解説が楽しく読めた.死亡した赤川1佐だが,他殺だとの告発もあり,ストーリーの展開が面白かった.元自衛官の坂本孝浩の会社が納入した戦車用のソフトが不具合ということで,親会社から契約破棄を言い渡される.疑問を感じた坂本は富士学校に乗り込む.甲斐と上司の植木らと黒幕と戦う場面は秀逸だ.甲斐の自衛隊志望の動機が阪神淡路大震災時に自衛隊員に救助されたこともあり,話が展開する.かなりのボリュームだったが3日で読破できた.面白かった.