リケジョ探偵の謎解きラボ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800272089

作品紹介・あらすじ

保険調査員の仕事は、保険会社から支払われる保険金に関して、被保険者側に問題がないか調査・報告すること。しかし、江崎に回ってくるのは、大学教授の密室での突然死をはじめとした不審死ばかり。その死は果たして自殺か事故か、殺人か-。そんなとき、江崎は意中の研究者・友永久理子に相談を持ちかける。恋人より研究優先の熱血"理系女子"探偵が、化学を駆使し不審死の謎に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 探偵役は保険調査員。保険金の不正受給の調査を数多くこなしているだけあって、ひとの嘘には敏感だ。ちょっとした違和感から真相解明の糸口を見つけ出す。もちろんそこにはリケジョの大きなヘルプがあるのだが‥‥。短編なので空き時間にサラッと読むのにオススメ。

  • 死亡事故の保険金支払いに問題がないかを、保険会社の代わりに調べる〈懇誠リサーチ〉。
    江崎はその保険調査員として、不審死を調べていくが……。

    シリーズ第1作。

    警察でもない一般人が、人の死に首を突っ込み、嗅ぎまわることに、正当性を与える設定が、うまかった。
    関係者も協力的になり、警察からも話が聞けるので、展開がスムーズ。

    そして、単なる聞き込みに終わらず、物証が集められるところが、大きい。
    理学部助教である、久理子の科学的アプローチによって、推測に終わらず、きちんと検証できるのですっきり。

    テンポよく、さらっと楽しめるミステリ。

    江崎の久理子への愛情はよくわかるが、久理子が江崎を好きになる要素が見受けられず。
    一気に恋人になったのが、唐突だった。

  • 保険調査員の仕事にからんだ連作短編集。
    さらっと読めて、江崎の仕事に対するブレない姿勢には共感が持てる。
    でも、恋の話は、どこで久理子さんは江崎のことが好きになったのだろう。ちょっと唐突なかんじがした。

  • 恋愛あり!推理もあり!と面白かったです。
    事件も本当にありそうなものが多くて、妙なリアリティ感があるなーと思ってました(笑)不可解とも思えない事件から、どうしてこんな事件が起きてしまったんだろうというものまで。思ったよりハラハラ感はないので、そこまで急展開とかが苦手っていう人にいいかも!
    読み終わった時には、2人の関係を応援したくなりました!

  • 国立T大学の理系女子(リケジョ)の助教による化学ミステリー、短編集。

    4つの短編がありますが、それぞれ真犯人はおおよそ分かるものの、どう行ったかを謎とする、一種の倒叙ミステリーでしょうか。

    ・小さな殺し屋
    ・亡霊に殺された女
    ・海に棲む孔雀
    ・家族の形

    どの作品も、保険金の支払い云々とは別に、真実を知ると、何となく切なくなります。

    保険調査員の江崎くんと、友永さんの恋の行方も、楽しいやり取りです。

  • 実験大好きなリケジョと保険調査を主な業務とする探偵のお話。保険調査にしては特殊な案件が続きますが、そこは小説ってことで。キャラの性格があまり極端な方向に振られてなくてほどよい感じ。これは続編を期待しちゃうな。

  • この方の作品は初めて読むけど、べたべたしてなくて悪くない。まあ、ムチャクチャ面白いってほどでもないけどね。2015年に上野樹里と浜野健太で2時間ドラマ化されてたんだ。知らなかった

  • 表紙の久理子、美人さんやわぁ。
    研究第一の久理子を大事にできる江崎くんは立派なおひと。

  •  事件や事故、病気など様々な形で支払われる保険金。死んでしまったからすぐに保険金が支払われるわけではなく、そこに不審な点はないかなどを調査した上で保険会社が支払うことになる。その調査業務を代行するのが保険調査員である。一見何もないようなケースでも、主人公の調査員・江崎は気になって仕方がない。そんな時に頼りになるのは意中の女性研究者・友永久理子である。何よりも研究優先のリケジョが持てる限りの知識を駆使して、研究の合間に事件解決に乗り出す。
     二人の恋の行方も気になる4編収録の連作短編集。事件解決への流れはあまりなく急転直下という印象がかなり強い。鮮やかではあるが、そのあたりの押したり引いたりする感じがないのが少し残念にも思う。

  • 生命保険の調査員とリケジョ。恋愛模様は結構突飛で急ぎ足だなと感じたけれど、事件そのものは興味深くて面白かった。孔雀と認知症の話は悲しいしやるせないなー。特に認知症のほうは、こういう話は実際にあるかもしれないなと感じた。

  • 自分も理屈っぽい人間なので、コンセプトや謎解きに関するプロセスには何の不満もないし、むしろ理路整然と物事を考えていく様は自分にあっていると思う。だから好きな作家。

    なんだけども、その反面というか、理系的知識がないとそもそも謎解きには参加できないという辛さがある。ミステリーって、自分が探偵役になりながら、普通の読書とは違った形で没入が可能なタイプだと思うんだけども、今回のはそういった部分では自分の知識ではできないため、なんとなく疎外感がある(笑)

    いかんともしがたいわけだが、それでもたまに読みたくなるんだなぁ、この人の作品。

  • 【収録作品】小さな殺し屋/亡霊に殺された女/海に棲む孔雀/家族の形

  • 探偵ガリレオの女性版といったところかな。
    喜多氏の化学者という経歴が上手く活かされているように思う。
    第1話をどこかで読んだ気がするのは何故だろう?

  •  可もなく不可もなく。

     リケジョが保険調査に首を突っ込む過程が疑問ですな。

  • 保険調査員の仕事は、保険会社から支払われる保険金に関して、被保険者側に問題がないか調査・報告すること。しかし、江崎に回ってくるのは、大学教授の密室での突然死をはじめとした不審死ばかり。その死は果たして自殺か事故か、殺人かー。そんなとき、江崎は意中の研究者・友永久理子に相談を持ちかける。恋人より研究優先の熱血“理系女子”探偵が、化学を駆使し不審死の謎に迫る!

  • 一つ一つの事件がきっぱり終わってることもあって読みやすい。
    謎解きも理系ミステリらしく、人間関係も描かれていて良かったです。
    江崎が迷いはしても自分の決定を揺るがせないあたりも理系っぽい。

  • 2018.03.09読了

  • 2018/1/7 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。

  • 一話目、蚊は人間にとってもっとも恐れるべき殺人動物。昔から蚊が媒介する伝染病があるもんね。二話目、心の隙間に付け込まれて危険ドラッグ。身近にある危険なんだな。三話目、子供でも大切な人を守るためには一線を越える。見限られた刑事、今度は助けてほしい。四話目、介護をする家族の辛さ。亡くなった夫は父親、妻どっちも大切だから辛かっただろうな。最後保険調査員の江崎君と久里子さんはハッピーエンドだけど遠く離れるのね。続巻を期待したい。

  • 初めて読んだ作家さん。短編ではなく,長編も読んでみたい。

  • 保険調査員?というなかなか珍しい視点でのミステリーで、面白かった。また、いつもの如くストーリーは読みやすくて良かった。しかし、謎解きがイマイチ「おおっ!」と度肝を抜かされるようなものではなかったように思われる。

  • 保険調査員の主人公が、実験を何より優先させる大学助教の彼女の力を借りて保険対象となるかどうかを判断する。保険金殺人、自殺、事故、なかには遺族につらい結果となることも。お仕事小説として面白かった。

  • 面白かった

    変に話を捻じ曲げたドラマ化とかしないで欲しい

    主役は江崎くんだもん

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著者プロフィール

喜多喜久

一九七九年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第九回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、二〇一一年受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー。主な著書に『青矢先輩と私の探偵部活動』(集英社)、『桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎』、「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ、「死香探偵」シリーズ(中央公論新社)がある。

「2022年 『死香探偵 真心は捧げられた死と香る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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