京都伏見のあやかし甘味帖 花散る、恋散る、鬼探し (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800282569

作品紹介・あらすじ

元社畜の小薄れんげ、29歳。現在、京都伏見の古町屋で甘味マニアな男子大学生と、甘えん坊の子狐との共同生活中。理不尽な退職勧告、結婚予定の同棲彼氏の浮気、と人生計画が木っ端微塵な状況で、京都の地に降り立って早一ヵ月。東京とは違うゆるやかな時間の中で自分を取り戻しかけていたが、またもや子狐がらみの怪しい難問が。そのうえ、振り切ったはずの亡霊=元彼までもがあらわれて…。あやかしと老舗甘味を巡る不思議な人気シリーズ、第2巻です!

感想・レビュー・書評

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  • 京都の左京(東側)は、隋の洛陽をモデルにし、右京(西側)は、唐の長安をモデルにしたという。大丸百貨店の前身の呉服屋「大文字屋」は、新選組のだんだら模様の衣装を作ったそうな。JRの京都駅って、超近代的なユニークな駅舎だと知ってる?吹き抜けが凄いよ。こんな知識もちょこまか書かれているが、和菓子の情報も豊富で、食べたくなってしまうが、どれもこれも高そう。大学生の虎太郎の京屋に住んでいるれんげ。そこへ、狐の親玉の白菊から難題を持ちかけられたり、元カレがやってきたり、安倍晴明が現れたり、などなどてんやわんやの話。れんげに憑いている狐のクロがかわいい。

  • 甘味帖というだけあって、京都の老舗和菓子がいっぱい出てくる。
    阿闍梨餅以外知らない和菓子ばかり!
    伊勢丹や大丸に店舗があると知り、ちょっと買いに行こうかなと調べてしまった(笑)
    でも一番食べてみたい稲房安兼の茶団子は京都にしかない!!

    東京の外資系でバリバリ働くキャリアウーマンれんげ。
    京都に来るきっかけがきっかけだけに、初対面の虎太郎に対しても刺々しく、すり寄ってくる黒狐を邪険にする態度がまさしくカリカリヒステリー状態で、主人公なのに印象よくない(汗)

    そしてヒーロー虎太郎が全然活躍しない(笑)
    (眼鏡を外すとイケメンという設定はついているが)

    一巻だけだと、れんげの人間性はかなりちぐはぐな印象を受ける。

    外資でバリバリ働いていたという自負を持っていて、相手にハッキリ言うタイプっぽいのに、
    親には5年も連絡していない割に、心配かけたくないと元彼の浮気を話すことも退職したことも言えず、短気で融通が利かないと自己嫌悪に良く陥る。

    と思いきや、虎太郎への詫びの為に、予約しか受け付けない店舗へ出向いて頼み込んで購入させてもらうなど、行動力がある。

    よく出てくる「面倒見がいい姉御肌」「不器用」「本当は優しい」というれんげに対するワード。
    本来の気質はそうだったのだが、上司への裏切り、恋人の裏切り、それらがダブルで同時に起こったため、ハリネズミ状態になったのか、
    それとも、実は人のための行動でしか強くなれない、自己肯定感が低いタイプなのかもしれない。

    れんげがなぜ京都でのみ妖関連が見えるようになったのか、血筋的なものが絡むようだし、次巻につづく。

  • れんげさんも大概お人好しというかなんというか…でも不器用な優しさやさばけた性格は、とても好感がもてる。虎太郎くん、今回は出番が少な目だったけどしっかり癒し系でした。次も楽しみだなー

  • 京都での生活を延長したれんげのもとに、悪霊につかれた元カレが!
    元カレってだけでうっとうしい存在なのに、悪霊まで絡んで本当に迷惑な存在。
    最後はちゃんとケジメつけられてよかった。
    そしてれんげを守ろうとけなげに頑張るクロが変わらず可愛い~!
    れんげも時々邪険にはしているけれど、基本的に可愛がっているよね。

  • なんだかほのぼのしちゃうなぁ。それなりに事件はあるけど。

  • 子狐が絡みの依頼を受けて主人公たちが京都中をめぐるので、行ったことがある場所が出るとおもしろい。

  • 「一折 厄介な客」
    彼女の事を頼りに来たのは。
    予想外の人物から受けた依頼ほど驚く事はないだろうが、それを請け負う彼女は本当に優しいな。
    このタイミングで連絡をしてきた彼は何を言いたいのかと思ったが、荷物があるとなるとそれかもしれないな。

    「虎太郎の甘味日記 ~老松編~」
    学生にはお高い買い物だけれど。
    美味しい物を求めていればいるほど、やはり値段も張るだろうからお財布には痛いだろうな。

    「二折 過去からの電話」
    帰宅した彼に起きていた異変は。
    何があったのかは当人同士にしか分からないが、彼は手出しはしてないと信じたいな。
    家財道具なんかの話でなく、浮気し一方的に捨てた人が自分に対する情を残してると思うなんて凄いな。

    「虎太郎の甘味日記 ~#和菓子編~」
    勢いのまま約束したはいいが。
    何も知らない彼からしたら、彼女は知り合いであるから助けただけのお話なんだもんな。

    「三折 春の貴船で」
    躾のなっていない髪の卵。
    彼の言い分は間違いではないのかもしれないが、それは他の神様に対しては失礼にあたるだろうな。
    手掛かりは見つけたが流石京都と言うべきか、あちらこちらにある神社を巡っては疲れそうだな。

    「虎太郎の甘味日記 ~哲学の道~」
    あの日彼女が見なかった現場は。
    信じられないという顔をしようが、感情に任せ手を出したのは彼の方なのにと不思議に思うな。

    「四折 蹴上の坂道」
    遂に来たデートの日に巡る場所。
    歳上の人を誘うというだけでも沢山コースを考えたろうし、気にかけている人となると尚更だろうな。
    のんびりした二人のデートだが、観光客で賑わい人が多い場所よりも全然いいかもな。

    「れんげのうわばみ日記 ~伏水酒蔵小路編~」
    お酒を飲みながら思い出すのは。
    ふとした瞬間に思い出した事が彼の事だけでなく、楽しかったなと思えるデートだったのは良かったな。

    「五折 宇治の橋姫」
    過去の同僚から突然聞かされた話は。
    無断欠勤はしてはならない事だが、彼女が一緒に帰ってきてくれるからこそ最初の欠勤だったのかもな。
    家族とも連絡を取っておらず、彼女とあんな事があったとなると少し心配だな。

    「虎太郎の甘味日記 ~複雑な男心編~」
    従兄弟から自分の知らない話をされるとな。
    これからどんな道を選ぼうと、彼が決めた事なのだから文句は言わないのではないだろうか。

    「六折 安倍晴明は分からず屋」
    兄弟喧嘩に巻き込まれた末に出会ったのは。
    彼女の言葉は確かな気にし過ぎるうえに、本当の事が分からない彼等にはしっくりくるかもな。
    目的地に無事に着いたのはいいが何故彼がこの場にいるのか、そして連絡もせず何日もどこに居ただろう。

    「虎太郎の甘味日記 ~ふわふわのわたあめ編~」
    色とりどりの雲が入れられた袋の中身は。
    最近カラフルなわたあめが増えたが、ふわふわしたあの甘いお菓子が食べたくなるんだろうな。

    「七折 一条戻橋の再会」
    彼はただ彼女にもう一度振り向いて欲しくて。
    仕事で忙しくかまってもらえないから、一度きり痛い目に合えば懲りるのではというのが間違いなのだよな。
    彼なりに彼女を愛していたのは分かるが、言葉で素直に伝えれば喧嘩になろうが結果は違ったのだろうな。

    「おまけのひと口 小狐のひとりごと」
    寝てる彼女の隣でひっそり入れ知恵を。
    本当なのか分からないが鳥居を飛び越えるには相当な飛ぶ力が必要だろうし、祀られている方に失礼では。

  • 面白くサクサク読めた。気分転換に丁度良い感じの本。ファンタジー要素盛り沢山で、色々場面を想像して楽しく読めた。各キャラクターも可愛いくて、個性的で良い。アニメドラマの様な感覚で読める本。あと、この本で間にある和菓子好きな男の子が食べる銘菓の雑記帳がまた良し!実際の銘菓な為、ネットで現物の和菓子やお店を調べながら合わせて読むと更に面白さが倍増!食べたくなりますよー

  • シリーズ2巻
    シェアハウスを更新したれんげは、大学生の虎太郎と黒狐、時々やってくる黒烏と相変わらずの日々を送っていた。
    そこへ白菊から人探しの依頼が。
    そしてれんげへ過去からの電話がかかってきて。

    どんどんモテモテ?になっていくれんげ。
    相変わらず、素直じゃなくてツンケンしてるけど、だいぶ角も丸くなってきたかな。
    本編はしっくり来ない終わり方だったけど、京都の甘味に酒どころが羨ましくって。
    老松の夏柑糖
    ウチュウワガシの落雁
    そしてそして伏見酒蔵小路の十七蔵利き酒セット!

  • 男に裏切られて鬼になった鬼女を探し、元カレが東京からきて虎太郎と対決。れんげを守りたいと頑張るクロがかわいい。黒烏と晴明は少しは仲良くなれたのかしら。元カレと対決以外で活躍の場の無かった虎太郎、迷っている進路は和菓子職人?谷崎とれんげの仲にもやもやしているのは・・・?前巻より格段に面白かった。続巻も読みたいな。

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著者プロフィール

2014年よりWeb上での小説公開を開始。『乙女ゲームの悪役なんてどこかで聞いた話ですが』にて出版デビューに至る。

「2016年 『乙女ゲームの悪役なんてどこかで聞いた話ですが5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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