万引き家族【映画小説化作品】

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800284075

感想・レビュー・書評

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  • いつだったか、テレビで映画を放送していたような気がします。映画もテレビ放送も逃してしまい、小説を読むことにしましたが、映像でも見ておくべきかも、と思いました。色々なことが様々に絡み合う感じとお話の終わりが少し切ない、でも家族じゃないのに家族らしい様子がとても印象に残るいいお話でした。

  • 映画は観ていないけれど、つい気になって…やっぱり映画で観たほうがよかったかな。せつない。
    2018/12/29読了

  • ご存知、カンヌ映画祭受賞映画の監督自身によるノべライズ小説。映画はまだ見てないけれど、頭の中で映像が次から次に浮かんでくる1冊だった。読み始めたら止まらない。
    万引きや年金の不正受給で生計を立てる小悪党の家族。実は全員他人!そこへ虐待に合っている女の子が加わる。最近の悲惨な児童虐待のニュースとダブる。血の繋がっている家庭では暴力を受け、他人ばかりの万引き家庭では愛情を与えられる…。この家族の行為は社会的に認められないが、家族の愛情が感じられる。映画を見た人にも、これから映画を見る人には特におすすめ!

  • おばあちゃんの初枝、母の信代、その妹の亜紀、父の治、長男の祥太、そして長女のりん、みんな血のつながっていない寄せ集めの家族でした。

    「産まなきゃよかった」と親に言われて育ったのに人に優しいゆり(りん)を見て、信代は、自分の性格や意地の悪さは母のせいではなく、自分の責任だと認めざるをえなくなります。そして、自分がもっと不幸な存在に思えます。

    けれど、産んでいなくても“風呂場でヤケドの痕を見せ合った時”など、たしかに信代はりんの母でした。

    “6人は、暗い海の底から水面に差し込む太陽の光を見上げる魚たちのよう(p191)”で、「選んだ」家族だからこそキズナが強いように見えていました。

    しかし、ふとしたことで、“家族”は永遠に失われ、終わりを迎えます。亜紀は、“結局あの家にあったのは、私が嫌っていた大人の打算そのものだったのかもしれない。(p239)”とも思います。

    血のつながっていない家族の関係は永遠に続くことはなく、終わりとなりましたが、6人で過ごしていた時間は暗く冷たいけれど楽しそうで、輝いて見えました。

  • 願わくは、ハッピーエンドであってほしい。ハッピーで終わってはいけない人々なのは承知だけれども、理屈を超えて、なお。

  • パルムドールで賞をとった「万引き家族」
    映画はまだ観ていないけど、小説として 情景が浮かび読みやすい本だった。
    6人誰も血は繋がっていなくて、それでも 肩を寄り添い生きている。
    夫々の想いや 一緒にいる理由は違うのだろうけど、
    それも 愛のカタチだろうと思う。

    不安定な生活の中で、犯罪を糧として、暗い過去も背負って
    それでも ふわふわと優しく息づいている偽家族。

    映画になるとどんな空気感なんだろう。
    映画館上映は終わってしまったが、DVDを借りたいと思う。

    樹木希林さんの初枝 楽しみだ。

  • カンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞
    ニュースを見て俳優を見て観たいって思った
    でもダメだったので本を読む
    監督さん、すごいですね
    作家としても
    現実のやりきれない部分を鋭く描いているが
    あたたかい
    なぜかなあ
    良識に照らせばダメ家族
    それも全く血のつながらない六人
    堪能させてもらいました

    ≪ 正しくて 親切なこと できなくて ≫

  • 映画のノベライズ。信代が喋るところ、全部安藤サクラの声になって聴こえて来ました。映画の方がリアルなとこと、文字で読む方がリアルなところ(想像力を掻き立てられる)があって、ぜひ映画見てない人は映画もDVDか何かで見て欲しいと思います。血の繋がりだけが家族なのか?本当の家族って何か?深く考えさせられる作品。信代が小説ではさらに、リアルさを増してるし、心に少し触れられる感じがしました。

  • 親は子を選べない。子どもだって親を選べない。
    外れを引いてしまった子どもはたまったもんじゃない。
    嘘をついてはいけません。万引きをしてはいけません。
    そんな基本的なルールさえ守る気が起きないほど
    この『家族』の人たちは最初から外れを引いてしまっているのだ。

    この家族の間に流れる愛は家族ごっこの偽物なのか・・・?
    どんな境遇にいても、やはり人は人を求めるという事実が
    私には愛の出発点に思えた。

  • 母親と元夫からDVを受けた女が、自分を助けてくれた倫理観の欠如した男と暮らし始め、その男がパチンコ屋で出会った息子家族に捨てられた老女の家に3人で住み、親に愛されていない1人の女と2人の子ども達と擬似家族を形成。
    常識では否定すべき大人達だけど、そこに愛を感じてしまう。。
    捕まった女が、正義を振りかざす女性警察官に言ったセリフ。
    「他の人が捨てたのを拾ったんだ。」
    心が痛い。。

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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