時限感染 殺戮のマトリョーシカ (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800287731

感想・レビュー・書評

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  • 未曾有のバイオテロ犯行予告。
    鎌木と桐生の警察側からの視点メインで、途中テロ実行者の相葉と門伝の視点の話も出てきつつも、先がどうなるのか、結末は?っていうのが気になり一気読みでした。ウイルスや細菌の専門的な話は難しかったですが。

  • バイオテロミステリー。現在のコロナ禍で読むと、内容がちょっと共通するように思えるところもあり、まるっきり別と考えても読み応えバッチリです。

  • 『パッドマン 4億人の女性を救った男』という、妻のために安価で衛生的な生理用ナプキンを作れるマシンを開発したインドの男性の映画をみたときに
    これは“良い”時限感染。
    とおもった。犯罪じゃないしみんなが、よかったねよかったねえらいねすてきって言っていいやり方だし。
    時限感染は、犯罪だけど褒められたもんじゃないけど、動機はパッドマンと似てるとおもうんだよね。
    パッドマンだって、妻のために夫が妻の分だけをせっせと手作りでつくってあげる、のではなく世の中の方もみんなの意識も変えていこうってしていたし。
    愛するひとのために、ほんとうにそのひとのためになることでできることを、勇気をもってやるってところ。胸を打つ。
    すごいやり方だけど。

    そして。そこに胸を打たれたけど、ミステリ的満足感もちゃんとあるっていうのも良い。
    どうなるのか、そこからどうするのか、なんでなのか、わからなくて、わかって(自力でわかったんじゃなくてわかるとこまで読み進んだってだけだけど)「ああ!そういうことなのか!」というのもちゃんと味わえます。

  • 『がん消滅の罠 完全寛解の謎』に次ぐバイオテロミステリ。ウイルス学の教授が殺される。その現場にはバイオテロの予告文があった。捜査一課のキレ者鎌木と所轄の桐生が事件を追う。
    ウイルスについて専門的なことが書かれているところがあるものの、読みやすいし、犯人の背景にあるものがそうでしたかと読み込めました。そして、例が少ない病状に対して、いかに薬を開発するのが大変なことか、バイオテロに関する予防措置など得られる知識はありました(私自身よく知らなかっただけかもしれませんが)。ただ、冒頭の殺人はバラバラでなくてもいいんでないかい。荒削りなところもあるかな。

  • 昨年、このミス大賞を受賞した作者の2作目になるのだろうか…タイトルだけで、読んでみたので、詳細は分からない。前作の盛り上がりを考えると、ひっそりと発売された感じ。
    今作も前作に続く、医療ミステリー。
    前作も難解だったが、今作もなかなかの難解。
    でも、ある程度、知識のある人ならば、ヘルペスウイルスを使ったテロの意味がそんなに脅威でないことは分かるだろう。
    テロの実行犯と事件の捜査に当たる元研究者の刑事の2つの目線から、淡々と物語が描かれる。テロの話とは思えないくらい、混乱がないのが印象的。
    犯人もあっさり逮捕されるが、そこからの真相解明が説明が長くなり、ペースダウン。
    真相の裏には、遺伝の難解なネタも含まれており、エンターテイメントとして読むには、少し難しいかも。
    バイオテロを取り扱っている作品でありながら、希望のある終わり方だけがホッとした。

  • 猟奇殺人から始まる史上最悪のバイオテロ。
    そう思って読み進めていたが、最後の最後でまさかの展開。

    途中、時間軸をミスリードさせる叙述トリックが使われていたりしてぐいぐい引き込まれた。

    凶悪犯である筈の相葉の凄まじいまでの愛と自己犠牲の物語。
    最後数ページの種明かしが唐突すぎて面食らったけど、その直前までの世界が完全にひっくり返って、読後しばらく呆然とさせられた。

  • 合間合間に出てくる犯人達の話が回想だったり、実は殺人目的ではなかったり、犯人は早々に捕まったり…犯人とテロを防ぐことを求めて大波乱になると思いきや…と驚きの多い作品だった。
    主人公の設定も生かされており、少しだけ常識を欠いた本作の探偵役もいいキャラだった。

    半崎とは一体…

  • SFとは言えない

     もちろんミステリーとして読んだのだが、どうもしっくり来なかった。長い中盤で飽きてきたんだけど、頑張って読了した割には、読後感はスッキリしない。登場人物も少なくわかりやすいんだけどなぁ。少し残念。

  • 2019年3月7日読了。

    本屋で見かけて、ジャケ買いならぬジャケ読み。

    バイオテロ物のミステリー。
    テロの手法が今までとは違う。
    しかし、本の題名を考えると「そういうことか!」となる。

    少し、化学の知識がないと途中のディテールが分かりづらくて、食傷気味。

    それで、ジャケ買いがらみで表紙の話だが、シャレじゃないが拍子抜け。

  • このミステリーがすごい!大賞の授賞作品。
    バイオテロを巡る犯人と警察との攻防を描く。
    生物兵器ということで、将来、12年後に発症して、致死率100パーセント。病原体は6年前から散布済みで、もう防止出来ないとの設定。
    なんか設定や、理由とか、謎解きが凝りすぎで、ついていけなかったかなぁ。

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著者プロフィール

1976年、埼玉県生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科修了。国立がん研究センター、放射線医学総合研究所で研究に従事。現在、医療系出版社に勤務。第15回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2017年に『がん消滅の罠 完全寛解の謎』でデビュー。他の著書に『時限感染』(以上、宝島社)、『テウトの創薬』(KADOKAWA)がある。

「2022年 『がん消滅の罠 暗殺腫瘍の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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